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死刑失敗の殺人犯、意識不明の重体で人工呼吸器装着 被害者母は落胆 世界

米テネシー州でパイク死刑囚の薬物による死刑執行が失敗、意識不明の重体となり人工呼吸器を装着

米南部テネシー州で9月30日夜、薬物注射による死刑執行が試みられたクリスタ・パイク死刑囚が、執行に失敗して意識不明の重体となり、人工呼吸器を装着して治療を受けていることが明らかになった。弁護団が10月2日に裁判所へ提出した書面で報告した。(AFPBB News、CNN) 薬物投与後も生存し病院へ搬送 パイク死刑囚は9月30日夜、リバーベンド最高警備刑務所の死刑執行室で、麻酔薬ペントバルビタールを2回投与された。しかし、その後も死亡せず、現場から救急車でナッシュビル地域の病院へ搬送された。AFPBB Newsによると、執行に立ち会った記者らは、投与後も同死刑囚が「激しいいびき」をかいている様子や、動いている姿を確認している。弁護人のルーク・アイネン弁護士は、病院到着時の状態について「両腕が腫れ上がり、火傷を負ったようにただれ、水膨れができていた」と説明した。 写真:AFPBB News 1995年の殺人事件と死刑制度の現状 パイク死刑囚は18歳だった1995年、職業訓練施設のクラスメートだったコリーン・スレマーさんを殴り殺した罪で死刑判決を受けた。遺体の胸部に悪魔崇拝の象徴である五芒星が刻まれていたことから、事件は全米の注目を集めた。死刑情報センターによると、1976年に米国で死刑制度が復活して以降、執行された女性死刑囚はわずか18人である。今回、テネシー州で執行されていれば、同州では200年ぶりの女性死刑囚の処刑となるはずだった。 テネシー州知事による検証と執行停止 今回の事態を受け、テネシー州のビル・リー知事は10月1日、第三者による「徹底的かつ包括的な」検証を行う方針を発表した。CNNによると、州当局は係争中の案件であることを理由に詳細なコメントを控えている。この影響は他の死刑囚にも及んでおり、リー知事は12月に予定されていたゲーリー・サットン死刑囚の刑執行も一時的に停止した。テネシー州では過去にも、静脈確保の困難などを理由に死刑執行が断念された経緯がある。 弁護団による証拠保全の緊急申し立て 弁護団は10月2日、ナッシュビルの裁判所に対して緊急の申し立てを行い、今回の執行失敗に関連する全ての証拠を保全するようテネシー州矯正局に命じることを求めた。アイネン弁護士は、事前に静脈確保の難しさや薬物注射のリスクを警告していたと主張している。パイク死刑囚は現在、気管挿管され人工呼吸器を装着した状態で救命治療を受けている。法的な手続きが当面停止される中、州当局による検証結果と今後の司法判断が注目される。

スターバックス、中国・新疆ウイグル自治区に初出店 米議員や人権団体が批判「倫理的に破綻」 世界

スターバックスの新疆ウイグル自治区での初出店に対し米議員や人権団体が倫理的批判

米コーヒーチェーン大手スターバックスが新疆ウイグル自治区で初の店舗を開業したことをめぐり、AFPBB Newsなどの報道によると、米国の下院議員や人権擁護団体から批判の声が上がっている。同社は9月29日に同自治区の首府ウルムチで2店舗を開業しており、これが中国国営メディアで大々的に報じられたことで論争に発展した。.ウルムチでの新規店舗開業と中国国営メディアの報道AFPBB Newsの報道によれば、スターバックスは9月29日、新疆ウイグル自治区の首府であるウルムチに2店舗を新たに開業した。この出店は中国国営メディアによって大々的に報じられ、同地域における同社事業の新たな展開として注目を集めた。しかし、この開業地がイスラム教徒の少数民族ウイグル人に対する広範囲な人権侵害の疑いが指摘されている場所であることから、直ちに国内外の強い反発を招くことになった。米下院委員会委員長による倫理的批判米下院の「中国共産党に関する特別委員会」を率いるジョン・モーレナー委員長は、1日付の声明で今回の出店を「倫理的に破綻している」と強く非難した。AFPBB Newsが伝えたところでは、モーレナー氏は出店について、米国を象徴するブランドを中国共産党によるウイグル人への冷酷非道な弾圧運動と結びつけるものであると厳しく指摘している。政治的な象徴性を持つ米国企業が同自治区に進出したことへの波紋は大きい。 写真:afpbb.com 世界ウイグル会議が示す強制労働への懸念中国から国外に逃れた亡命ウイグル人組織を束ねる人権擁護団体「世界ウイグル会議」も、SNS上の投稿を通じてスターバックスの姿勢を糾弾した。AFPBB Newsによると、同団体は「スターバックスは同区に店舗を開業することで、極めて深刻な人権状況を再び無視することをまたしても選択した」と主張している。さらに、国家による強制労働が依然として深刻な懸念事項となっている場所で、企業はその経済に貢献すべきではないと強く訴えた。国連による人道に対する罪の警告と中国政府の主張背景には、国連が2022年に発表した新疆ウイグル自治区での拘束問題に関する重大な指摘がある。国連は、100万人以上のウイグル人やその他のイスラム教徒少数民族が強制収容所に拘束されている問題について「人道に対する罪」に当たる可能性があると警告を発した。人権団体は現在も同自治区で強制労働を含む重大な人権侵害が続いていると主張している。これに対し、中国政府は一連の疑惑を一貫して否定し、同国の政策は過激主義を根絶し同区に経済発展をもたらすためのものであると主張している。経営再立て直しを模索するスターバックスの中国事業スターバックスは、中国市場における事業の立て直しを急務としており、昨年には同事業の株式の過半数を投資会社の博裕資本(ボーユー・キャピタル)に売却する方針を発表している。今回のウルムチ出店は、そうした事業戦略の転換期において実行されたものであり、経済的な利潤追求と深刻な人権問題をめぐる倫理的な責任のあり方について、企業がどのような判断を下すのかが引き続き問われる状況となっている。

釜山北港親水公園の水路に迷い込んだサメ「プカンイ」、2回目の救助作戦も失敗し自力での脱出を待つ方針へ 世界

釜山北港親水公園の水路に迷い込んだサメ「プカンイ」、2回目の救助作戦も失敗し自力での脱出を待つ方針へ

「釜山市東区の北港親水公園の水路に迷い込んだサメ『プカンイ』を海へ戻すための2回目の救助作戦が2日に行われましたが、水路の出口付近で網が石に引っかかり、作戦は中止されました。国立水産科学院などは、サメが網を障害物と認識し、自ら海へ出るのを待つ方針に切り替えています。」 市民が集まる北港親水公園の現状 プカンイが姿を現して以降、北港親水公園は全国から観光客が訪れる「ホットプレイス」となっています。朝鮮日報日本語版の報道では、今月1日までに累計71万7800人が公園を訪れ、周辺のカフェやコンビニが特需に沸いていることが示されています。2日の救助作業中も、平日の昼間にもかかわらず約400人の市民が周辺に集まりました。市民からは「けがをしないよう慎重にやってほしい」といった声や、水温が下がる前に早く海へ戻ってほしいと心配する声が上がっています。 写真:AFPBB News 水路へ侵入する市民の危険な行動 サメの出現により注目を集める一方で、危険な行動をとる市民も確認されています。AFPBB Newsによると、22日にオンラインコミュニティーへ投稿された動画には、男性が水路に直接入って水中に落としたスマートフォンを回収する様子が収められていました。男性が水路から出た5分後にはサメの背びれが確認されており、ネット上では野生動物に対する危機意識の欠如を指摘する声が噴出しました。国立水産科学院は、このサメを体長3~3.5メートルのオオメジロザメと推定しています。 「プカンイ」の商標権を巡る釜山市の対応 市民から愛称で呼ばれるようになったプカンイに対し、商標権を巡る動きも出ています。Yahoo!ニュースによると、個人が「プカンイ」の名称や図案を特許情報検索サービス(KIPRIS)へ商標出願していることが判明しました。釜山市は、特定の個人による独占を防ぐため、今月中に市が直接商標を出願する方針を固めました。チョン・ジェス市長は「市民と共につくった名前が特定の人の独占に利用されないよう注視する」と述べており、地域社会全体で活用できる環境を整える計画です。 写真:dメニューニュース 今後の救助と見通し 中央日報によると、今回の救助作戦は当初、2004年に米国で孤立したホホジロザメを救助した事例を参考に計画されました。国立水産科学院のキム・ヒョンウ研究官は、プカンイが自力で海へ抜け出せるよう障害物を取り除くなど、環境を調整しながら経過を観察する方針を示しています。プカンイは先月18日に初めて発見されて以来、15日間以上にわたって水路内にとどまり続けています。

ドイツ・ハンブルクでSUV60台が標的に、バルブキャップに異物を仕込み空気を抜く手口で犯行グループが犯行声明 世界

ドイツ・ハンブルクでSUV60台が標的に、バルブキャップに異物を仕込み空気を抜く手口で犯行グループが犯行声明

ドイツ・ハンブルクで、正体不明の集団が夜間にSUVのタイヤの空気を抜くという事件が発生した。アルスター川沿いやヴィンターフーデ地区などで計60台が被害を受けたと報じられており、国家保安局が捜査を引き継いでいる。ナイフなどの凶器を使わず、バルブキャップに小さな異物を仕込むという単純な手口で車両を走行不能に陥らせたことが判明した。 ハンブルクで60台のSUVが標的となった背景 ハンブルク市内において、月曜日の未明に多数のSUVが一時的に走行不能となる事態が発生した。AUTO BILD(autobild.jp)によると、いわゆる「抵抗集団」を名乗るグループが犯行声明を出しており、計60台のタイヤの空気を抜いたと主張している。事件現場はアルスター川沿いやヴィンターフーデ地区など広範囲に及ぶ。警察は月曜日の時点では被害車両の正確な把握作業を継続しており、グループの主張する台数を公式には確認していない。犯行グループは車両にメモを残しており、環境負荷や道路交通におけるSUVの危険性を行動の理由として挙げている。 バルブキャップを悪用した単純な手口 今回の犯行で特に悪質とされているのは、特殊な道具を必要としない極めて単純な手口だ。犯行グループの説明によれば、タイヤのバルブキャップの内側に小さなレンズを差し込み、そのままキャップを締め直すという手法がとられた。これによりレンズがバルブピンを押し込み、バルブが開いたままの状態となって空気が徐々に漏れ出す仕組みだ。捜査当局も、グループが主張するこの手法が実際に用いられたことを確認している。外見上は通常のバルブキャップと区別がつかず、タイヤの空気が抜けて初めて異常に気づくケースが多い。 タイヤ空気圧低下が走行に及ぼす深刻なリスク 操作されたタイヤに気づかずに走行を続けた場合、重大な事故につながる恐れがある。ドイツ自動車連盟(ADAC)のデータによれば、適正空気圧からわずか0.5バール不足しただけでも、車両の走行安定性は著しく損なわれる。制動距離の延長やコーナリング性能の低下を招き、高速走行時にはタイヤ自体が深刻な損傷を受ける危険性もある。すべての車両のタイヤ空気圧監視システムが、停車中に空気圧の低下を即座に検知できるわけではない。センサーで直接測定する方式に対し、転がり挙動から推測する間接測定方式のシステムは反応が遅れる傾向があるため、ドライバー自身の目視確認が重要となる。 ドライバーが不正操作を見抜くための確認手順 自分の車が被害に遭っていないかを確認するには、乗車前の日常的な点検が不可欠だ。タイヤが明らかに柔らかい、あるいはサイドウォールが異常に接地していると感じた場合は、絶対に乗車してはならない。バルブキャップの下に異物が挟まっていないかを確認し、少しでも不安がある場合は全4輪の空気圧をチェックすることが推奨される。指定空気圧は取扱説明書やBピラー、燃料キャップの内側などに記載されている。発進後にタイヤ空気圧警告灯が点灯した場合は、たとえ外見上の異常が見当たらなくても、直ちに安全な場所に停止し空気圧を確認するべきである。 予告されたさらなる行動と今後の警戒 犯行グループは、今週中にハンブルクでさらなる行動を行うと予告している。これを受けて捜査当局は警戒を強めており、市民に対して注意を呼びかけている。2014年11月以降、EU域内では乗用車へのタイヤ空気圧監視システムの搭載が義務付けられているが、ADACはこうした電子システムだけに頼らず、少なくとも2週間ごとに手動で空気圧を確認することを推奨している。現時点では犯人の特定には至っておらず、国家保安局による捜査の進展が今後の焦点となる。

大相撲の狼雅が年上会社員と結婚、九州場所での自己最高位更新へ決意 世界

大相撲の狼雅が年上会社員と結婚、九州場所での自己最高位更新へ決意

大相撲の幕内・狼雅が年上会社員と結婚したことがスポーツ報知の報道で明らかになった。知人の紹介で知り合い、約1年間の交際を経て婚姻届を提出したという。今月以降に同居を予定しており、愛妻の献身的な支えを受けながら、11月8日初日の九州場所で自己最高位の更新に挑む。 知人の紹介で出会い1年の交際を経て婚姻届を提出 二子山部屋に所属する幕内・狼雅が、自身の結婚を秋場所後に明かした。お相手は年上の会社員の女性である。二人は知人の紹介を通じて知り合い、約1年間の交際期間を経て夫婦となることを決意した。すでに婚姻届けの提出を済ませており、今月以降には新生活を始めるための同居を予定している。 妻となった女性について、狼雅は非常に真面目な人柄であると語っている。自身の相撲道や日常生活をしっかりとサポートしてくれる存在であり、家庭を持ったことによる精神的な安定やモチベーションの向上につながっているという。 料理面での手厚いサポートが番付向上を後押し 結婚生活における大きな支えとなっているのが、妻による食事面の管理である。狼雅はこれまで番付を上げるための課題として増量に取り組んできたが、現在は妻が摂取するたんぱく質の量を正確に計算したうえで日々の食事を作っている。 「自分が肉が好きなのでいろいろな料理を作ってくれる」と、狼雅は妻の献身的な手料理に感謝を示している。計算された栄養管理と好みに合わせたバラエティ豊かな食事の提供が、体作りを重要な要素とする力士としてのパフォーマンスを裏から支えている形だ。 ロシア出身から異例の相撲留学を経て関取へ 本名アマルトゥブシン・アマルサナー、ロシア・トゥヴァ共和国出身の狼雅は1999年3月2日生まれの27歳である。少年時代にモンゴルに移り住んだ経歴を持ち、相撲留学した鳥取城北高時代には外国人として初となる高校横綱に輝いた実績を持つ。 二子山親方(元大関・雅山)が2018年に部屋を創設して以来、同部屋初となる関取として後輩力士たちを引っ張ってきた。2018年九州場所での初土俵から着実に番付を上げ、2022年九州場所で新十両に昇進している。体格は身長185センチ、体重159キロで、得意手は右四つ、寄りである。私生活では読書家の一面も持ち合わせている。 自己最高位更新を狙う九州場所への新たな決意 愛妻の支えを得た狼雅は、今年の夏場所、名古屋場所と連続で勝ち越しを記録した。その勢いに乗り、直近の秋場所では自己最高位となる前頭5枚目に躍進を果たした。秋場所自体は6勝9敗と負け越しに終わったものの、大関・琴桜を激しく攻め立てるなど随所で見せ場を作った。 来る11月8日に初日を迎える福岡国際センターでの九州場所に向けて、狼雅は再び自己最高位の更新を狙う。「(奥さんの存在は)いろんな意味でモチベーションになっている。守る人が増えたので、一層頑張りたい」と、家庭を持った責任感を力に変えて土俵に上がる構えだ。

ピュー調査:SNSが民主主義に有害との否定的見方が日本などで増加 世界

ピュー調査:SNSが民主主義に有害との否定的見方が日本などで増加

米国の調査機関ピュー・リサーチ・センターは2025年12月1日に調査結果を発表し、ソーシャルメディアが人々の考えを誘導し分断を深めて民主主義に悪影響を及ぼしていると考える人が世界的に増加していることが明らかになった。カナダや英国、日本などの裕福な国々で否定的な見方が急増する一方、ガーナやケニアなどでは比較的影響が低いと評価されるなど、国による意識の差が鮮明になっている。 37カ国で実施されたピュー・リサーチ・センターの大規模調査 ロイターおよびニューズウィーク日本版の報道によると、米調査機関ピュー・リサーチ・センターは37カ国において4万5000人余りを対象とした大規模な意識調査を実施した。同機関が1日に発表した調査結果では、回答者の過半数がSNSについて、人々に情報を提供し政治に意見を表明する機会を与えていると評価する一方で、民主主義にとって「悪いもの」と見なす割合が2022年と比べて幅広い国で上昇していることが示された。SNSの運営企業を巡っては、利用者に損害を与えたとしてメタやスナップ、TikTokなどのプラットフォーム企業に対し数千件の訴訟が起こされ、多額の和解費用が支払われている実態もある。 裕福な国で際立つSNSへの強い懸念 調査では、国や地域によってSNSが民主主義に与える影響に対する受け止め方に大きな違いがあることが判明した。米国、カナダ、英国といった裕福な国々の人々は、ガーナ、ケニア、ナイジェリアなど一人当たり国内総生産が低い国の人々に比べ、SNSが民主主義に悪影響を及ぼしていると考える傾向がより強かった。過去のデータと比較可能な26カ国のうち16カ国で、SNSを否定的に捉える割合が上昇している。ロイターの報道によれば、カナダでは2022年の47パーセントから55パーセントへ、英国では48パーセントから56パーセントへと増加した。 写真:ニューズウィーク日本版 日本における急激な意識の変化 ニューズウィーク日本版の報道によると、日本国内においてもSNSを民主主義にとって有害とみなす人々の割合が急激に高まっている。過去データと比較可能な国の一つである日本では、2022年時点では23パーセントにとどまっていた割合が、今回の調査では43パーセントへと倍増に近い急増を記録した。一方、米国においては64パーセントで横ばいとなっており、主要先進国全体でプラットフォームの影響に対する警戒感が強まっている現状が浮き彫りになっている。人々の考えを誘導するアルゴリズムの仕組みや情報空間の分断が、各国の世論形成に深刻な影を落としている。 世界初の16歳未満利用禁止に踏み切るオーストラリア 各国政府は国民のプライバシーを確実に保護し、未成年を守るための具体的な規制手法の模索を急いでいる。オーストラリアは世界で初めて16歳未満の子どものSNS利用を禁止する法整備をおこなったほか、アルゴリズムによる推奨投稿の表示を利用者が拒否できるようにする新しい規則を提案した。ピュー・リサーチ・センターの調査では、こうした政府の措置に対してオーストラリアの成人の82パーセントが強い支持を寄せていることが確認されており、プラットフォームに対する法規制の強化は広範な世論に支えられている。 今後の規制動向とプラットフォームの責任 ソーシャルメディアがもたらす社会的分断や民主主義への悪影響に対する懸念が世界的な広がりを見せる中、今後は各国政府による法規制の動きがさらに加速する見通しである。オーストラリアに追随して未成年者の利用制限やアルゴリズムの透明化を義務付ける国が現れるのかどうか、そして巨大IT企業がどのような対応策を迫られるのかが引き続きの焦点となる。

米中間選挙控え郵便投票始まる、トランプ氏の不正主張で透明性確保へ奔走 世界

米中間選挙控え郵便投票始まる、トランプ氏の不正主張で透明性確保へ奔走

米中間選挙を1か月後に控え、各州で郵便投票が始まっている中、対面で行われない投票を巡って憲法論争や透明性の確保に向けた動きが活発化している。トランプ大統領が郵便投票を「不正の温床」とみなして連邦政府による管理強化を図る一方、各州の選挙管理当局は追跡システムの導入を進め、疑念の払拭に当たっていると、yomiuri.co.jpが報じた。 バージニア州の選挙管理事務所における追跡システムの導入 9月30日、バージニア州アーリントン郡の選挙管理事務所には、投票用紙の入った郵便封筒が有権者から続々と届いた。封筒には追跡用のバーコードが印刷されており、到着がシステムに正確に記録される仕組みになっている。投票用紙の配布から投票、受理までの各段階で記録が残るため、有権者はオンラインで自身の投票状況を確認することが可能だ。選挙登録責任者のグレッチェン・ライネマイヤーさんは、「投票用紙が今どこにあるのか、把握する仕組みは欠かせない」と語る。各州によると、近年は全米でこうした追跡システムの導入が急速に広がっている。 コロナ禍で拡大した郵便投票と支持層の偏り 米国における郵便投票の大規模な拡大は、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなった。トランプ氏が敗北した2020年大統領選では、投票者に占める郵便投票の割合が43%に達し、2016年選挙の21%から大幅に上昇した。マサチューセッツ工科大学の研究グループの調査によると、2020年選挙で郵便投票を利用した共和党支持者は32%だったのに対し、民主党支持者は60%に上った。民主党支持者の利用率が圧倒的に高い状況について、トランプ大統領は2日の演説で「郵便投票の結果がこれだけ偏っているとは驚きだ。合法的な票を数えれば、私は楽に勝てる」と述べ、不正があったとの主張を展開した。 連邦政府による管理強化と州の自治を巡る憲法論争 24年大統領選では郵便投票の割合が29%に下がったものの、今回の中間選挙でも民主党支持者が多く利用する傾向は続くとみられている。こうした状況を受けて、トランプ氏は今年3月、投票資格を持つ有権者のリストを連邦政府が作成するとの大統領令に署名し、郵便投票への管理強化を試みた。しかし合衆国憲法は連邦選挙の実施方法を決める権限を州に与えており、バージニア州などは4月、大統領令による選挙手続き変更は違憲だとして連邦政府を提訴した。連邦最高裁が9月に暫定的な判断を下し、今回の中間選挙では従来の仕組みで郵便投票が行われることになっている。 全米で異なる実施方法と処理の遅れという課題 米国で導入されている郵便投票の仕組みは州によって大きく異なっており、首都ワシントンとカリフォルニアなど8州では全有権者に投票用紙が届けられる。バージニアなど29州では申請すれば理由を問わずに利用できる一方、テキサスなど13州では病気などの理由が必要となる。日本の郵便投票制度が身体に重度の障害がある人などに限定され、2021年衆院選での利用率が1%に満たなかったのとは対照的だ。一方で、米国では処理に時間がかかることが結果判明の遅れを招いており、24年の連邦議会下院選では最後の議席判明に約1か月を要した。連邦最高裁は6月、投票日までの消印があれば締め切り後に届いた票も有効と判断しており、各地の選管は正確性と迅速性の両立を迫られている。

トランプ米大統領が中間選挙に向け遊説を開始、共和党に逆風と各紙報道 世界

トランプ米大統領が中間選挙に向け遊説を開始、共和党に逆風と各紙報道

米国のドナルド・トランプ大統領は1日、オクラホマ州デュラントやテキサス州で演説を行い、11月3日に迫った中間選挙に向けた本格的な遊説を開始したと、yomiuri.co.jpが報じた。政権運営への不満から与党・共和党への逆風が強まる中、残り約1か月の間に全米各地で週5〜7回の集会を予定し、自らが先頭に立って局面打開を図る構えを見せている。 オクラホマ州の集会でトランプ大統領が示した弾劾への危機感 トランプ氏は1日にオクラホマ州で開催された集会で、共和党支持者を前に「私が出馬していると思ってほしい。もし我々が勝てなければ、民主党は私を弾劾するだろう」と訴えた。さらに、民主党が議会で多数を握れば3度目の弾劾訴追を受け、増税が行われて「大恐慌が訪れる」と危機感をあおったと、yomiuri.co.jpが伝えている。オクラホマ州は2024年の大統領選で州内全77郡をトランプ氏が制した「レッド・ステート」であり、雨の中会場前には5時間以上前から長蛇の列ができるなど熱気を見せた。 世論調査で浮き彫りになる記録的な支持率低迷と経済への強い不満 その熱気とは裏腹に、政権への逆風は強い。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによる9月の世論調査で、トランプ氏の支持率は37%となり、1990年以降同紙の調査では中間選挙前における大統領として過去最低を記録したとyomiuri.co.jpが報じている。また、朝日新聞の報道によれば、世論調査の平均を示すリアル・クリア・ポリティクスが9月30日時点で実施した調査では、連邦議会選で民主党候補に投票すると答えた人が50.6%に達し、共和党の42.3%に8.3ポイントの差をつけた。対イラン軍事作戦の長期化に伴うエネルギー価格の急騰や、関税政策による物価高への不満が背景にあり、ロイター通信とイプソスが9月中旬に行った調査では、トランプ氏の生活費への対応を評価する人が17%にとどまったことが朝日新聞により示されている。 上下両院の多数派維持に黄信号がともる選挙情勢 今回の米国中間選挙は、下院の全435議席と上院100議席のうち約3分の1にあたる35議席が改選される。現在は共和党が上下両院で多数を握るものの、選挙分析専門のクック・ポリティカル・リポートが9月25日に15選挙区の評価を民主党有利へと一斉に変更し、下院で共和党が過半数を失うと予測したと朝日新聞が伝えた。民主党は多数派奪還のために3議席の上積みで足りる状況にある。一方、上院の多数派争いについても、クックは9月23日に「完全な五分五分」だと分析しており、上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務が数カ月前より「かなり楽観的だ」と語っていることを朝日新聞が報じている。 与党の公約に対する有権者の冷ややかな反応と今後の見通し トランプ氏は9月の共和党大会で、両院の多数派を維持すれば全米の成人に5000ドルを支給すると公約に掲げたが、テキサス州の会場外には「5000ドルで票は買えない」と書かれたプラカードが掲げられたとyomiuri.co.jpが伝えている。民主党が勝てば3度目の弾劾があるとするトランプ氏の訴えに対し、野党側は過去のイラク戦争への不満をバネに上下両院の奪還を狙っており、改選35議席を巡る攻防が今後どのように結末を迎えるのかは依然として不透明なままである。

イスラエル、批判を回避するため欧州極右勢力と急速に接近 世界

イスラエル、批判を回避するため欧州極右勢力と急速に接近

パレスチナ自治区ガザ地区での軍事作戦をめぐり国際社会で孤立を深めるイスラエルは、過去の反ユダヤ主義の負の遺産が一部に残る欧州の極右勢力と急速に接近している。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権は、同国の振る舞いを批判する外国政治家をユダヤ人憎悪の煽動者とみなす一方、支持を表明する政治家については過去やイデオロギーを問わず受け入れていると、10月2日までの報道で明らかになっている。 フランス極右政党党首をイスラエル閣僚が擁護 フランスの調査報道サイトが9月28日、極右政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首が10代の頃にユダヤ人を侮辱するような発言をしたと報じた。これに対し、イスラエルのアミハイ・シクリ・ディアスポラ・反ユダヤ主義闘争相がバルデラ氏を公に擁護する事態に発展している。シクリ氏は、来年のフランス大統領選の世論調査で支持率トップを走るマリーヌ・ルペン氏が勝利した場合に首相就任が有力視されるバルデラ氏について、イスラム組織ハマスに対抗する欧州において最も毅然とした声を上げる人物の一人だと評価した。 音楽フェスティバルの現場訪問と連帯の表明 シクリ氏が明らかにしたところによると、バルデラ氏は2023年10月7日にハマスの襲撃を受けた音楽フェスティバル「スーパーノバ」の現場や、同日に蹂躙されたイスラエル南部のガザ地区との境界周辺のコミュニティーを訪問したという。バルデラ氏は現地でサバイバーらと面会し、エルサレムで反ユダヤ主義と闘う姿勢を訴えたとされる。イスラエル政府はガザでの戦闘を巡る国際的な批判には厳しく反発する姿勢を見せる一方で、こうした現地訪問や支持表明を行う欧州の極右政治家に対しては積極的に評価を与える姿勢を鮮明にしている。 オーストリア極右政党との関係正常化 イスラエルはかつて、極右勢力に対して厳しい外交姿勢をとっていた歴史がある。2000年にオーストリアで元ナチス党員らによって設立された極右政党「自由党」を含む連立政権が発足した際には、駐オーストリア大使を本国に召還し、同国に対する国際的なさらし上げ運動を支持した経緯が存在する。しかし、現在のネタニヤフ政権はその自由党との関係正常化にかじを切っている。 歴史的転換点と称賛される自由党の綱領表明 シクリ氏は今年9月、オーストリア自由党のヘルベルト・キクル党首が政権を獲得した際の政策綱領に反ユダヤ主義および反シオニズムとの闘いを盛り込むと表明したことを受け、これを歴史的転換点だと称賛した。かつては徹底して距離を置いていた欧州の極右政党が掲げる政策や歩み寄りの姿勢を、現在のイスラエル政府は外交上の重要な支持基盤として受け入れる構えを見せている。 孤立回避に向けた欧州極右との連携の行方 ガザ地区での軍事作戦をめぐる国際社会からの批判や孤立が深まる中、イスラエル政府が欧州の極右政治家や政党との関係強化をどこまで推し進めるのかが注目されている。批判的な外国政府や政治家に対する強硬な姿勢と、自国を支持する極右勢力への接近というネタニヤフ政権の選択は、今後の国際的な外交関係において新たな論点となりつつある。

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フランス、サウジアラビアのヤンブー施設防衛へ人員やレーダーを派遣とマクロン大統領が表明

サウジアラビア政府は2026年9月、1990年のイラクによるクウェート侵攻以来最も危うい戦略的状況に直面している。イエメンの国際承認政府がイランを後ろ盾とする反政府組織フーシに西部の紅海沿岸から駆逐された結果、石油輸出ルートが脅かされ、首都リヤドやメッカへの攻撃が相次いでいると、フォーブス ジャパン編集部が報じた。 フーシによる紅海沿岸の支配とエネルギーインフラへの脅威 サウジが支援するイエメン政府が紅海沿岸から駆逐されたことで、封鎖状態にあるホルムズ海峡に代わる貴重な石油輸出ルートが直接的な危機にさらされている。反政府組織フーシはサウジのエネルギーインフラや軍事基地を標的としたドローン攻撃やミサイル攻撃を継続しており、発表によれば首都リヤドへの弾道ミサイル攻撃や、イスラム教の最も神聖な都市であるメッカに対するドローン攻撃も試みられた。 フランスによるヤンブー施設防衛と軍事資源の派遣 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は9月24日、サウジの紅海側主要港湾都市であるヤンブーの施設を守るため、軍事資源や人員、レーダー、防衛システムを派遣すると表明した。マクロン大統領は、紛争に関与するためではなく、あくまで施設を守るための措置であると強調し、数週間にわたってフーシの攻撃を受けている同地の防衛に乗り出す姿勢を示した。 配備が検討される追加レーダーと防空システムの詳細 フランス軍が現地に展開させる具体的な装備について、マクロン大統領は明言していない。しかし、サウジの領空監視能力を高める追加レーダーや、フーシのドローンに対処する地上配備型の短距離防空システムであるミストラル対空ミサイルの配備が可能性として考えられている。さらに、より高性能な地対空・中距離用のSAMP/T防空システムがサウジのミサイル防衛を支援するために投入される見通しも浮上している。 求められる軍事支援と多国籍軍との規模の違い サウジ政府は外国からの軍事支援を求めており、複数の同盟国やパートナー国が支援の意向を示している。もっとも、現在集まりつつある援軍の規模は、36年前のサダム・フセイン大統領率いるイラクに立ち向かうためにサウジの砂漠地帯に集結した多国籍軍の大兵力とは比較にならないほど小規模にとどまっている。 今後の安全保障動向と防衛体制のゆくえ サウジは国家の死活に関わるエネルギーインフラや主要港湾の防衛を巡り、フランスなどのパートナー国による限定的な防衛支援を受け入れつつ、自国の安全保障体制の立て直しを急ぐ構えである。フーシによる継続的な攻撃への対処と紅海沿岸の制海権を巡る情勢は、今後の同地域の安定を左右する最大の焦点として推移している。

南アフリカで衣服を脱がされた女性の遺体、11人目…「国家の恥」ついに大統領が対策に乗り出す 世界

南アフリカのラマポーザ大統領、未解決の女性殺人事件の全件調査を指示

南アフリカ共和国で女性の遺体が相次いで発見され、治安悪化への懸念が高まる中、シリル・ラマポーザ大統領は2026年9月29日の国民向け演説で、女性や子どもが被害に遭った未解決事件の全件調査と捜査再開を警察と検察に指示したと、メール・アンド・ガーディアンなどの現地メディアが伝えた。 女性殺害の急増と相次ぐ未解決事件の現状 南アフリカの最大都市ヨハネスブルクに隣接するエクルレニでは、直近の2カ月間で女性の遺体が相次いで見つかり、連続殺人への恐怖が広がっているとBBCニュースが報じた。7月末から8月初めにかけて半径7キロ以内で女性3人の遺体が見つかったのに続き、先月初めにはわずか10日間で6人の遺体が発見された。さらに先月26日から27日にかけても2人の遺体が見つかり、確認された犠牲者は少なくとも11人に達している。警察の調べでは、犠牲者は全員が20代または30代の女性であり、多くは全裸や衣服を脱がされた状態で主要道路近くの空き地に遺棄され、暴行を受けた痕跡もあった。 写真:BBC 大統領による緊急対策と警察の捜査状況 シリル・ラマポーザ大統領は国民向け演説の中で、政府のこれまでのジェンダーに基づく暴力への対応は「十分ではなかった」と認め、警察と検察に対し、女性や子どもが被害に遭った殺人や性的暴行に関する未解決事件を60日以内に全件調査するよう命じた。さらに90日以内に各事件の優先順位を定めて捜査再開計画を策定し、人員増強や装備充実のための財政支援計画も60日以内にまとめるよう求めている。BBCニュースによると、一連の事件に関連して3件で容疑者4人が逮捕され、ほかの事件でも警察が一部の容疑者を特定したとされるが、警察は同一犯または同一グループによる犯行を示す決定的な証拠はまだ確保できていない。 地方自治体による実態調査と酒類規制の強化 全国の地方政府に対しては、女性の安全に関する実態調査が指示された。Yahoo!ニュース(AP通信)によると、この安全監査には街灯が故障している場所、放置された建物、防犯対策が手薄な公園や墓地などの危険な場所を特定することが含まれており、60日以内の完了が予定されている。また、ラマポーザ大統領は、有害な飲酒が対人暴力を悪化させる大きな要因であるとして、無許可の酒類販売店の取り締まりなど酒類関連法の執行強化も求めた。 市民による抗議デモと治安全般の課題 南アフリカのダーバンでは9月30日、ジェンダーに基づく暴力に抗議する大規模なデモ行進が行われたとYahoo!ニュース(AP通信)が伝えた。デモの指導者を務めたジャシンタ・ンゴベセ=ズマは、政府にはフェミサイドの危機に対する有効な解決策がなく、口先だけの議論に聞こえると批判した。現地警察の統計によると、今年4月から6月までの3カ月間に発生した殺人事件は計5427件に上り、1日平均で約60人が殺害されて世界最高水準の殺人率を記録している。しかし、その中で解決される事件は10件に1件程度にとどまっている。

プーチン大統領、カリーニングラードへの直接攻撃なら「あらゆる兵器を使用」と警告 世界

プーチン大統領、カリーニングラードへの直接攻撃なら「あらゆる兵器を使用」と警告

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は1日、飛び地領土カリーニングラードが直接攻撃を受けた場合、利用可能なあらゆる兵器を使用すると表明したと、欧州デジタル編集長のポール・カービー氏とアリス・デイヴィス記者が報じ、西側の指導者による戦争準備発言への返答だとしている。. カリーニングラードを巡る緊張とロシアの核使用の警告 カリーニングラードはバルト海に面し、リトアニアおよびポーランドと国境を接するロシアの飛び地領土である。ロシア側はこのところ、北大西洋条約機構(NATO)がこの飛び地を封鎖する準備を進めていると強く非難している。西側諸国がカリーニングラードをロシア本土から切り離すならば、核兵器の使用も辞さないという姿勢を崩していない。 これに対しNATO側は事態の沈静化を図っており、自らが防衛同盟であることを強調しながら、ロシアに対して核による脅しをやめるよう繰り返し促している。しかし、NATOの欧州加盟国は、ロシアによるものとされるハイブリッド攻撃の急増に直面しているのが現実だ。こうした非軍事手段と軍事手段を組み合わせた事案は、ポーランドやエストニア、ラトヴィア、リトアニアのバルト三国で特に頻発している。 相次ぐ領空侵犯とハイブリッド攻撃の現実 先週にはポーランドが、カリーニングラードに隣接する自国領空へロシアのヘリコプターが侵入したと発表した。リトアニアも、ドローンが領空に侵入するなどの理由から、国民がロシアから絶えず脅威を感じていると訴えている。ハイブリッド攻撃にはサイバー攻撃や破壊工作、偽情報などが含まれており、国境周辺の緊張を一層高める要因となっている。 プーチン大統領は1日のヴァルダイ外交政策フォーラムでの演説で、国際紛争は今後も続く可能性が高いと指摘した。一方で、西側の覇権が弱まるにつれて状況は改善すると主張している。さらに、2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始した責任については、西側諸国が侵略を誘発したと改めて非難し、自衛のためだったと正当化した。 経済施設への攻撃とウクライナの国内総生産への影響 ロシアによるウクライナの経済施設への攻撃は、ウクライナが黒海でロシアの石油精製施設や船舶を攻撃したことへの直接的な報復であるとプーチン氏は主張した。「今、あらゆる方面からやめようという電話がかかっている。だが、始めたのは彼らだ」と述べ、西側の関与を牽制している。 一方でプーチン氏は、ウクライナが製油所への攻撃で一定の成果を上げ、ロシアの国内総生産(GDP)の約1%が失われた事実を認めた。ウクライナ側は、ロシアの石油インフラが軍の資金調達を助けているとして攻撃を続けている。ロシアも2022年の侵攻開始以来、冬の訪れとともにウクライナのエネルギーインフラや民間施設への攻撃を強化してきた。 NATOの海軍演習に対するロシアの強い反発 プーチン大統領は、NATOがバルト海で実施している海軍演習についても、カリーニングラードに対する深刻な脅威であると非難した。ロシア連邦への直接攻撃があれば、ロシアが保有するあらゆる兵器の使用が必然的かつ直ちに議題に上がると警告している。英仏などの核能力を認識しつつも、ロシアの保有する兵器は比類のないものだと強調した。 「我々は誰かを脅迫しているわけではない」とプーチン氏は述べ、2029年や2030年に誰かを攻撃するつもりはないと弁明した。しかし、侵略に遭遇すれば対応せざるを得ないと述べ、欧州諸国の市民に向けて警戒を呼びかけている。 今後の見通し ロシアとNATOの対立が先鋭化する中、カリーニングラードの安全保障環境は依然として不安定な状態が続いている。西側諸国による封鎖の動きやバルト海での軍事演習が今後どのように展開されるかによって、ロシア側が警告する兵器使用の現実味も大きく左右される見通しだ。 関連情報: プーチン大統領、欧州のウクライナ部隊派遣はロシアとの戦争を意味すると警告 · ロシア軍がウクライナに大規模ドローン攻撃、プーチン氏とゼレンスキー氏が強硬警告

ロシア最新ジェット型ドローンを分解、東芝や米英中の部品が確認 世界

ロシア最新ジェット型ドローンを分解、東芝や米英中の部品が確認

ウクライナで2026年5月から攻撃に投入されているロシア軍の最新型ジェット推進式自爆型ドローン「ゲラン4」の内部から、中国製に加え、米半導体や日本メーカーのコンデンサーなどの外国製電子部品が多数確認された。国際報道機関RFE/RLが2026年9月24日に分解映像を公開し、ウクライナ国防省情報総局(HUR)のデータベースでもその実態が明らかになっている。 ウクライナ攻撃で急増するジェット推進式ドローン ウクライナ空軍の集計によると、ロシア軍が使用するジェット推進式の自爆型ドローンは投入数が急増している。2026年7月に使用された同型機は前月の約5倍に達した。さらに8月下旬には、4日間に飛来した1500機以上のうち800機以上がジェット推進型だったとされている。ニューズウィーク日本版の報道では、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が9月26日に、防空部隊による同型ドローンの迎撃成功率が55%にとどまっていることを明らかにした。従来のプロペラ推進型であるゲラン2から数年でジェット化が進み、最高速度は最大500km/hに達することから、ウクライナの防空網にとって新たな脅威となっている。 分解映像で判明した外国製部品の実態 RFE/RLが公開した分解映像では、全長約3.5m、翼幅約3mのゲラン4の内部からターボジェットエンジン、カメラ、通信装置、航法装置などが次々と取り出された。HURが公開しているデータベースによると、機体には中国Telefly製のターボジェットエンジンや中国製通信機器のほか、米Texas Instruments製半導体、英国Raspberry Piのコンピューターが搭載されていた。さらに日本メーカーの部品も確認されており、東芝製フォトトランジスターやニチコン製コンデンサーが掲載されている。特殊な軍用部品のみで構成されていると見られがちだった最新鋭の軍用ドローンだが、その実態は多数の民間向け外国製電子部品に依存していることが示されている。 写真:ニューズウィーク日本版 パトリオット迎撃ミサイルの量産と調達の遅れ ニューズウィーク日本版の報道によると、ゼレンスキー大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領と、防空システム「パトリオット」の迎撃ミサイルをウクライナ国内で生産するライセンス供与で合意したことを明らかにしている。しかしホワイトハウスはまだこれを正式に確認していない。仮に今すぐライセンスが供与されたとしても、国内生産品の最初のミサイルが生産ラインから出てくるまでには時間がかかり、ロシアのミサイルや高速ドローンの量産スピードに追いつかない懸念がある。ウクライナ軍は、ロシアの弾道ミサイルや高速ドローンの物量に対して確実な迎撃が困難になる中、防空戦略の転換を迫られている。 AI誘導式機関銃による迎撃手法の導入 乗りものニュースの報道によると、ウクライナ国防省は2026年9月22日、AI誘導式の遠隔操作式機関銃砲塔「Khyzhak(ヒジャク)」をヘリコプターに搭載し、自爆ドローンを撃墜する映像を公開した。ヒジャクは7.62mm弾薬を使用する機関銃を安定化機構付きの銃架に搭載し、AIによる目標認識・追跡機能を備えたモジュール式システムである。公開された動画では、ヘリコプターの側面付近に設置されたとみられる同システムがシャヘド136タイプと思われる自爆ドローンを正確に捕捉し、撃墜する様子が収められている。ウクライナ軍はミサイル不足を補うため、こうした「飛ぶ前に叩く」戦略や、航空機からの機関銃による迎撃など、多様な対抗手段の運用を急ピッチで進めている。 ロシア軍によるジェット推進式ドローンの大規模な飛来と高速化が進む中、ウクライナ側はパトリオット迎撃ミサイルの国内生産やAI誘導式機関銃といった新たな迎撃手段の確立を急いでいる。今後、物量で優位に立つロシアの攻勢に対し、ウクライナの防空網や迎撃戦術がどのように適応していくのかが焦点となる。 関連情報: ロシア軍、ジェット推進ドローンを投入し高高度飛行でウクライナ防空網を回避

ウクライナ軍の第93旅団、水陸両用地上ドローンで40km超の補給任務に成功と発表 世界

ウクライナ軍の第93旅団、水陸両用地上ドローンで40km超の補給任務に成功と発表

2026年9月、ウクライナ軍は東部ドネツク州での攻勢作戦や前線への物資輸送において、地上ドローン(UGV)を活用した新たな無人機戦術を展開している。陸路と水路を移動する長距離輸送や、ロケット弾発射機の搭載と自爆による陣地攻撃に成功したと、ウクライナの防衛技術支援組織や軍部隊がそれぞれ発表した。 水陸両用の地上ドローンが40km以上の補給任務を達成 ウクライナの防衛技術支援組織「ブレイブ1」は2026年9月29日、水陸両用UGVによる長距離輸送任務が成功したと発表した。ブレイブ1によると、これは史上初のことである。実行したのはウクライナ陸軍第93独立機械化旅団のUGV部隊「アルター・エゴ」大隊であり、輸送任務は陸上と水上あわせて40km以上という長距離を移動し、前線部隊に弾薬と物資を補給した。公開された映像では陸上から水上へシームレスに移動する様子が映し出されており、この任務に先立ちUGVの改修と試験に数か月を要したとブレイブ1は述べている。第93旅団はすべてはこれまで不可能だった場所にも補給を届けるためであると説明している。 ウクライナ陸軍部隊による前例のない突撃作戦の実行 ウクライナ軍は長距離輸送にとどまらず、地上ドローンによる新たな突撃作戦も成功させている。「乗りものニュース」が報じたところによると、東部ウクライナのドネツク州で現在進行している攻勢作戦「ヴィヴァルディ」において、ウクライナ陸軍第3軍団が2026年9月27日にSNSへ投稿した。同軍団の無人機部隊「NC13」が、ブルガリア製「ブルスパイク」携行ロケット弾発射機を2基搭載したUGVにより敵陣地を攻撃するとともに、車両そのものを陣地に突入・自爆させることでこれを粉砕する戦果をあげた。第3軍団は、攻撃し心理的圧迫を加えそして陣地を掃討するという3つの任務をUGVだけで歩兵を危険に晒すことなく実行したと説明し、戦争の歴史上かつてない戦術であると誇っている。 世界初のUGV打撃専門部隊と空中機動作戦の展開 NC13は2025年9月に第3独立強襲旅団隷下で設立された実験的なUGV中隊であり、自らを世界初のUGV打撃専門部隊であるとしている。「乗りものニュース」の報道によれば、今回の「ヴィヴァルディ」作戦では重爆撃型飛行ドローンにより敵後方にUGVを空中輸送するという世界初の無人機だけの空中機動作戦も実行された。「ヴィヴァルディ」作戦は空陸の無人機を前面に押し立てた世界で初めての攻勢作戦として大きな注目を集めており、第3軍団によれば9月下旬までに最大125平方キロメートルの領土を奪還したとのことである。 危険な有人補給を補う無人機兵站支援の急速な拡大 ウクライナの前線ではドローンの普及により有人による補給がますます危険になっており、無人のUGVによる兵站支援が急速に広がっている。ウクライナは河川や湿地も多く、そうした地形はUGVにとって大きな障害となっていた。水陸両用UGVが本格的に配備されれば、ウクライナ陸軍の兵站はさらに強固なものとなるだろう。 関連情報: ウクライナ第3軍団、年内に前線部隊の約3分の1を無人地上車両(UGV)に置き換えへ

インドネシアの高速鉄道ウーシュが資金難に陥り中国からの建設費返済が困難に 世界

インドネシアの高速鉄道ウーシュが資金難に陥り中国からの建設費返済が困難に

中国の習近平国家主席による3年ぶりの訪米や米中覇権争いが注目を集める中、インドネシアのジャカルタとバンドンを結ぶ高速鉄道「Whoosh(ウーシュ)」が深刻な資金難に陥っていると、プレジデントオンラインが報じた。開業から2年が経過し、運賃収入の伸び悩みから中国からの建設費の利払いも困難になり、インドネシア政府は政府系ファンドを通じた債務の再編交渉という事実上の公的救済に乗り出している。 インドネシア高速鉄道が直面する資金難と事実上の公的救済 東南アジア初の高速鉄道として鳴り物入りで開業したウーシュ事業は、甘い需要予測に基づいた投資計画のツケを払わされている。プレジデントオンラインの報道によると、インドネシア政府はこれまで「国家予算は使わない」との立場を維持してきたが、現在の資金繰りの悪化により方針転換を余儀なくされた。中国から借り入れた建設費の返済が進まないことで、プロジェクトを主導した中国側の投資計画の甘さが浮き彫りとなっている。 中国軍元幹部が「真の脅威」と認めた海上自衛隊の潜水艦 日本周辺の安全保障環境においては、自衛隊の防衛力に対する中国側の評価が分かれている。プレジデントオンラインの分析では、「自衛隊は人民解放軍に後れを取っている」とする中国軍元幹部が存在する一方で、技術面で優位性のある日本の潜水艦だけは「真の脅威」として警戒されていることが示されている。台湾有事への懸念が高まる中、海外メディアも含めて日本の高い反撃能力に注目が集まっている。 南シナ海の要衝をめぐる日本とインドネシアの防衛協力 こうした中、日本とインドネシアの関係強化に対して中国側は強い警戒感を示している。香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」の報道によると、日本政府は政府開発援助(ODA)を活用し、南シナ海の主権を主張する中国の「九段線」の南端に位置するインドネシアのナトゥナ諸島周辺の漁港改修を支援する計画を進めている。さらに米メディア「ディプロマット」は、日本の「あさぎり型」護衛艦の輸出に向けた協議が開始され、新型の「もがみ型」フリゲート艦や潜水艦の導入可能性を含む防衛協力協定も締結されたと伝えている。 「羊の皮をかぶった狼」と日本を警戒する中国側の反応 日本の東南アジアへの安全保障支援やインフラ関与に対し、中国メディアは猛反発している。サウス・チャイナ・モーニング・ポストが取り上げた中国国営紙「環球時報」の論評では、日本の動きを「インドネシアのような国を南シナ海での対立の最前線に押し出し、陰に隠れて『代理人の指し手』を画策している」と批判し、ASEAN諸国に対して「羊の皮をかぶった狼」の企みに警戒するよう呼びかけている。また、中国南海研究院の研究員であるチェン・シャンミャオは、日本が東南アジアへの支援を利用して「東シナ海から圧力を減らし、注意を逸らそうとしている」と分析している。 孫子の兵法を実装した中国の戦略と日本がとるべき姿勢 米国の制裁や関税の圧力を逆手にとる中国の戦略の背景には、『孫子』の中核思想が忠実に反映されていると、日本工業大学大学院教授の田中道昭氏はプレジデントオンラインで指摘している。米国が鞭を振るうたびに中国の影響力が強まる構造がある一方で、インフラ事業の債務問題や周辺国との海域をめぐる摩擦など、戦略の背後にある脆弱性も表面化している。地政学的リスクが深刻化するアジア太平洋地域において、日本は経済と安全保障の両面で確実な対応を求められている。 関連情報: インドネシアの高速鉄道「ウーシュ」中国向け債務の返済期間が80年に延長、赤字運行続く中で利息負担の軽減を図る

韓国の李大統領、北朝鮮兵移送の公表めぐりウクライナに謝罪要求 世界

韓国の李大統領、北朝鮮兵移送の公表めぐりウクライナに謝罪要求

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が国連総会で北朝鮮兵捕虜の移送を公表した問題をめぐり、韓国の李在明大統領は2日、ウクライナが公式に謝罪しない場合は追加措置を講じると警告した。この対立は韓国国民と国家の尊厳に関わる問題として、両国間の新たな外交的火種となっている。 ゼレンスキー大統領による国連総会での捕虜移送公表 ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は先月23日の国連総会での演説で、韓国との1年以上にわたる協議を経て、北朝鮮の捕虜2人を韓国のソウルに移送したと公表した。ゼレンスキー氏はその際、生け捕りにするのは容易ではなかったと述べている。韓国政府は、この移送について秘密裏に進めるという合意を破ったとして、ゼレンスキー氏を厳しく非難した。ウクライナのアンドリー・シビハ外相は1日に外交上の誤解であると釈明し、ウクライナ政府として解決に向けて取り組んでいると表明した。しかし、李在明大統領はソーシャルメディアへの投稿で、シビハ外相の説明は受け入れられないと断言している。 韓国大統領府とウクライナ側の秘密保持をめぐる対立 韓国大統領府は先週の声明で、非公開の合意には北朝鮮兵の家族を守る目的があったと説明している。さらに、ウクライナ人捕虜と交換する機会を放棄したとの批判を避けるため、ウクライナ側も移送の秘密保持を望んでいたと付け加えた。これに対し、ウクライナ大統領府は北朝鮮人捕虜の移送について秘密保持の合意は存在しなかったと反論し、両者の主張は真っ向から対立している。ゼレンスキー氏が移送を公表したことで、韓国国内では李大統領が厳しく批判される事態となった。韓国の野党は、李大統領が北朝鮮への配慮から移送を隠蔽しようとしたと非難を強めている。 シビハ外相による早期解決への期待とウクライナ側の姿勢 ウクライナのシビハ外相は1日にウクライナ・メディアに対し、今回の状況がごく近い将来に解決されることを願っていると述べた。外相は、ウクライナはそのために取り組んでおり、韓国は重要な国であると強調した。さらに、韓国との間で真に達成しつつある勢いや継続が、具体的な成果につながることを心から願っていると語っている。これに対し、韓国の李在明大統領は、ウクライナ政府が朝鮮半島に戦争をもたらそうとしていると強く非難した。李氏はソーシャルメディアへの投稿で、合意の事実を認めて謝罪するのではなく南北間で軍事衝突が差し迫っているかのような話をしていることに深い遺憾の意を表明した。 ロシア侵攻以降の韓国によるウクライナ支援の方針 ロシアがウクライナを本格侵攻して以来、韓国は一貫してウクライナに対して同情的な姿勢を示してきた。人道支援や国際社会での協調を進める一方で、戦争状態にある国には殺傷能力のある兵器を提供しないという韓国の長年の方針を変えることは拒否し続けている。今回の北朝鮮兵捕虜移送をめぐる対立は、従来の慎重な外交姿勢とウクライナ側との思惑のズレを浮き彫りにした形となった。非公開合意の有無や事後対応をめぐる両政府の溝は深く、今後の二国間関係に影を落としている。 今後の外交折衝と両国関係の行方 ウクライナ側が早期の事態収拾を模索する一方で、韓国側は国家の尊厳と公式な謝罪を求めており、事態の収束は見通せない状況にある。追加措置の詳細が明らかにされていない中、両国が外交ルートを通じてどのような妥協点を見出すのかが注目される。韓国国民と国家の尊厳に関わるこの問題において、ウクライナ政府がどのような対応をとるのか、今後の動向が厳しく注視されている。 関連情報: 韓国政府、北朝鮮兵捕虜の移送公表を巡りウクライナに謝罪と説明要求 · 韓国の李在明大統領が北朝鮮兵の引き渡し公表に不快感、ウクライナと溝

海軍将官会議がアイオワ級戦艦ニュージャージーの砲撃映像を公開 世界

海軍将官会議がアイオワ級戦艦ニュージャージーの砲撃映像を公開

海軍将官会議の公式Xは2026年9月29日、アイオワ級戦艦の16インチ砲による着弾時のカラー映像を公開した。ベトナム戦争中のクアンガイ省で撮影されたもので、ニュージャージーによる艦砲射撃の様子が捉えられている。最初の砲弾着弾から全砲門の一斉射撃に至る一連の戦闘記録であり、当時の運用実態を示す貴重な映像資料となっている。 アイオワ級戦艦ニュージャージーが残したクアンガイでの戦闘記録 海軍将官会議の公式Xが2026年9月29日に公開した映像は、ベトナム戦争中にクアンガイ省で実施された艦砲射撃をとらえたものである。砲撃を実施したのはアイオワ級戦艦の2番艦であるニュージャージーであり、現地での砲撃支援を要請・誘導していた観測機から撮影されたとされている。戦闘ではHC(榴弾)が数斉射にわたって使用された。 朝鮮戦争後の退役とベトナム戦争での現役復帰の経緯 アイオワ級戦艦は朝鮮戦争後に4隻すべてが退役し、予備艦隊として将来の有事や需要に備えてモスボール化されていた。しかし、ベトナム戦争の激化を受けて状況は大きく変化する。1968年4月6日、ニュージャージーのみが現役に復帰し、1969年4月まで南ベトナム沿岸などで艦砲射撃の任務を遂行した。 ベトナム戦争の終了後、ニュージャージーは再びモスボール化された。だが、レーガン政権下での海軍戦略の変化により、再び転機を迎える。1982年12月28日のニュージャージーの再就役を皮切りに、1988年10月までにアイオワ級4隻すべてが現役に復帰することになった。 レーガン政権下の全艦再就役から湾岸戦争を経ての退役まで 冷戦期における海軍力の増強に伴い、アイオワ級の4隻は近代化改修を受けて次々と第一線に復帰した。16インチ砲という圧倒的な火力を誇る巨艦は、再び世界の海と紛争地帯でその存在感を示すことになった。1991年に発生した湾岸戦争においても、これらの戦艦は作戦に参加し、艦砲射撃などによる支援を実施している。 しかし、湾岸戦争の終了とともに、巨大戦艦を維持するコストや海軍戦略の再編が課題となった。湾岸戦争を経て、アイオワ級の4隻はすべて退役を迎えることになり、近代海軍における戦艦の歴史は事実上の幕を閉じた。今回公開されたようなカラー映像は、かつて巨砲を主武器とした戦艦が実戦で果たした役割を今に伝える数少ない記録となっている。 歴史的映像の公開が示す軍事史料としての価値と今後の注目点 今回のような公式アカウントによる過去の戦闘記録の公開は、退役から年月を経たアイオワ級戦艦の運用実態を視覚的に裏付けるものである。朝鮮戦争、ベトナム戦争、そして湾岸戦争という激動の時代を駆け抜けた4隻の戦艦は、それぞれの時期において異なる運用環境と戦術に対応してきた。

米テネシー州、女性死刑囚の死刑執行失敗し病院搬送 知事が年内停止命令 世界

米テネシー州、女性死刑囚の死刑執行失敗し病院搬送 知事が年内停止命令

米テネシー州ナッシュヴィルのリヴァーベンド最高警備刑務所で1日、クリスタ・パイク死刑囚(50)に対する薬物注射による死刑執行が試みられたが失敗し、同死刑囚は病院に搬送され重体となっている。弁護団やAFPBB Newsなどの報道で明らかになった。この事態を受け、同州のビル・リー知事は年内に予定されていたすべての死刑執行の一時停止を命じた。 テネシー州リヴァーベンド最高警備刑務所での経緯 死刑執行は30日午後8時ごろに始まった。AP通信によると、麻酔薬ペントバルビタールが2回投与されたが、証人室のカーテンは2回閉じられ、立ち会っていた報道関係者らは途中で退室を求められた。弁護団のランディ・スパイヴィー弁護士は1日、刑執行チームが1時間にわたり静脈への注射を試み、左腕だけで少なくとも7本の針が使われたと明らかにした。注射に失敗して腕から抜かれた際に曲がったとみられる針もあったという。 写真:AFPBB News 弁護団による緊急の申し立てと現在の健康状態 死刑執行のさなか、弁護団は執行停止を求める緊急の申し立てを行った。スパイヴィー弁護士は、パイク死刑囚が意識を失いながらも心臓が動き、いびきの音を立てていたと主張した。2回目の薬物投与後も、カーテンの向こう側で呼吸が続いているのが確認されたという。パイク死刑囚は現在、近くの病院で救命治療を受けており、弁護団は今後の健康状態や見通しについての最新情報はほとんどないとしている。 1996年の殺人事件と裁判をめぐる背景 パイク死刑囚は1996年、コリーン・スレマーさんを殺害した罪で死刑判決を受けた。当時18歳だったパイク死刑囚は、恋人だったタダリル・シップ受刑者と共に、問題のある10代向け職業訓練キャンプで知り合った19歳のスレマーさんを殴打、拷問の末に殺害したとされる。AFPBB Newsによると、遺体の胸部に悪魔崇拝のシンボルである五芒星が刻まれていたことから全米の注目を集めた。死刑情報センターのデータでは、1976年の死刑制度復活以降、米国で死刑を執行された女性死刑囚はわずか18人にとどまる。 ビル・リー知事による独立調査の命令と今後の見通し 事態を重く見たテネシー州のビル・リー知事は1日、今回の死刑執行の失敗に関する独立調査を徹底的に行うよう命じた。知事は、多くの疑問に対して州民が回答を得る権利があると指摘し、調査には時間がかかると述べている。担当者は現時点で明らかにされていない。今回の混乱を受けてリー知事は、12月3日に予定されていたギャリー・サットン死刑囚の刑執行を含む、年内のすべての死刑執行の一時停止を決定した。 関連情報: 米テネシー州で女性死刑囚への薬物注射による死刑執行が失敗、心臓が動き続け病院搬送 · テネシー州の死刑執行失敗を受けビル・リー知事が年内の執行停止と調査を命令