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トランプ政権とウクライナの亀裂、ゼレンスキーとの対立継続 世界

トランプ政権とウクライナの亀裂、ゼレンスキーとの対立継続

ドナルド・トランプ米大統領の特使スティーヴ・ウィトコフ氏が20日、オスロでウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談した。しかし、両国間の関係には深い亀裂が生じており、ウクライナに対するアメリカ政府の現在の方針をめぐり、ゼレンスキー氏の懸念が払拭された可能性は低い。. ウィトコフ特使とゼレンスキー大統領の抱擁が意味するもの 20日午後、オスロでウィトコフ特使とゼレンスキー大統領が抱擁を交わす姿が動画で公開された。bbc.comによると、ゼレンスキー氏はソーシャルメディアに「ウクライナは平和のために努力している。パートナーたちの支援に感謝する!」と投稿した。しかし、この親密さを演出するような場面の裏で、両国関係はかつてないほど悪化している。トランプ氏は先週、ニュースマックスに対しゼレンスキー氏を「付き合う相手として良くない」と酷評し、19日には「自分が何を言っているのか分かっていない」と攻撃した。個人的な感情が外交に持ち込まれるトランプ氏の強引な手法は、ウクライナ側を困惑させている。 写真:Yahoo!ニュース 軍事支援の停滞と「パトリオット」の枯渇 ウクライナの戦況は、アメリカによる支援の遅れで深刻さを増している。ワシントン・ポストの報道によると、ウクライナ国内の米製防空ミサイル「パトリオット」の備蓄は「わずか数発」にまで減少した。同盟国が備蓄の提供を試みているものの、トランプ政権がその承認を遅らせていると指摘されている。bbc.comは、2025年2月にトランプ氏が支援を一時停止した際と同様の緊張状態にあると分析する。情報共有の制限も続いており、ウクライナ政府はロシアによる弾道ミサイル攻撃の際に必要な事前警告を受け取れなかったと主張している。 米露のディーゼル燃料取引とグレアム法の撤回 トランプ政権とロシアの接近は、ウクライナにとって決定的な打撃となっている。10月、米マイアミでの会談中、トランプ氏がロシア製ディーゼル燃料の輸入で合意したというニュースが飛び込んだ。さらにトランプ氏は16日、ロシアに対する広範な制裁措置を盛り込んだ「グレアム法」の適用を、発効の2日前に撤回した。元駐ウクライナ米大使のウィリアム・テイラー氏はbbc.comに対し、「トランプ政権がやっているのは、ロシアにニンジンを与え、ウクライナにはムチを振りかざすことだ」と批判した。 「和平合意」を急ぐトランプ政権の思惑 ロイター通信によると、トランプ大統領は20日、ウクライナに対してロシアとの戦争を終結させるための和平合意に応じるよう求めた。北海道大学の服部倫卓教授はYahoo!ニュースへの寄稿で、トランプ政権の態度は戦況や政権内の力学で変化しつつも、現在は米中間選挙を意識した内政上の要因が強いと指摘する。原則的な支援よりも、早期の停戦を優先するトランプ氏の焦りが、外交の非対称性を生んでいる。プーチン大統領という内政制約の少ない相手に対し、任期や選挙を抱えるトランプ政権が交渉を急ぐ構図は、過去の失敗例を想起させるものだ。 スターリンク制限と深まる不信感 アメリカとウクライナの信頼関係をむしばんでいるのは、軍事インフラへの介入疑惑だ。ウクライナ軍が前線で使用するイーロン・マスク氏の衛星通信サービス「スターリンク」が制限され、端末の高速接続が困難になっているとの報告が相次いでいる。ロイター通信はホワイトハウスが関与したと報じたが、マルコ・ルビオ国務長官は関与を否定している。こうした不透明な対応は、トランプ氏が抱くウクライナへの長年の不信感と重なり、現場の指揮官や当局者を疲弊させている。 オスロ会談後の不透明な展望 オスロでの会談後、ウィトコフ特使は改訂された提案を携えてロシアのサンクトペテルブルクへと向かった。ノルウェーのヨナス・ガール・ストーレ首相は、オスロでの会談が「いくつかの問題を解決するのに役立った」と一定の評価を示したが、今後の交渉が実を結ぶかは不透明だ。ゼレンスキー氏は、早期警戒システムの問題については解決に向かっているとし、パトリオットやスターリンクに関しても楽観的な姿勢を見せている。しかし、トランプ氏との個人的な亀裂が修復されない限り、ウクライナが求める安定的な支援が保証される保証はない。

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千葉・印旛沼の堤防決壊で被害拡大、田畑に侵入した「地球上最悪」の特定外来生物ナガエツルノゲイトウの脅威
日本

千葉・印旛沼の堤防決壊で被害拡大、田畑に侵入した「地球上最悪」の特定外来生物ナガエツルノゲイトウの脅威

台風25号による記録的な大雨で千葉県印旛沼の堤防が決壊してから1か月が経過しました。浸水した農地では、特定外来生物「ナガエツルノゲイトウ」が繁殖し、農家が深刻な被害を受けています。県は復旧に向けた有識者会議を設置し、支援策を講じています。 印旛沼周辺の農地で広がる「最悪」の外来種 台風25号による記録的な大雨で印旛沼の堤防が決壊してから1か月が経ち、千葉県成田市のコメ農家、山崎康孝さんは自身の田んぼに外来種「ナガエツルノゲイトウ」が流れ着き、大繁殖している現状を明かしています。この植物は南米原産で、生態系に悪影響を及ぼすとして環境省から「特定外来生物」に指定されています。浸水した倉庫ではフォークリフトなどの機械が泥にまみれ、山崎さんは被害総額が約3000万円に上る見込みだと語りました。「まさかこんなことになるとは思わなかった」と、今年8月に完成したばかりの倉庫も被害を受けた無念さを口にしています。. 千葉の住宅地で“冠水”相次ぐ 印旛沼の堤防決壊で被害拡大 台風25号の影響続く【スーパーJチャンネル】(2026年9月23日) 地球上で最も駆除が難しいと言われる繁殖力 なぜこの植物が農家を悩ませているのでしょうか。東洋大学生命科学部の廣津直樹教授は、ナガエツルノゲイトウを「地球最強最悪な侵略的植物」と評します。実験映像では、種がなくても茎の節から次々と根や茎を伸ばし、わずか2週間で8センチも成長する様子が確認されました。印旛沼土地改良区の小倉経之さんは、表面が茶色く枯れて見えても植物自体は生きており、駆除が極めて困難であると指摘します。山崎さんも「来年、再来年も田んぼの中に生き残っている」と危機感を抱いており、水害後の農業経営にとって大きな足かせとなっています。 千葉県が設置した二つの有識者会議と復旧計画 台風25号から1か月を迎えた21日、千葉県は8月豪雨と今回の台風被害を一体的に検証するため、二つの有識者会議を設置しました。一つは「都市型水害に強く強靱(きょうじん)な県づくり検討会議」、もう一つは「印旛沼堤防調査委員会」です。熊谷俊人知事は定例会見で、被害の検証を深め、実現可能な対策から具体化していく方針を示しています。また、国や県の支援制度の対象外となる半壊世帯に対しては、県独自の特別支援金として20万円を支給する考えも明らかにしました。この支援金は、12月の補正予算案に盛り込まれる予定です。. 写真:dメニューニュース 総額108億円規模の補正予算と今後の対応 被災地の復旧に向けた動きは加速しています。千葉県はインフラの復旧や応急仮設住宅の借り上げ費用など、総額108億6200万円の補正予算を専決処分しました。今回想定される半壊世帯は約4190棟に上ります。県は「被災地の生活・なりわいの再建」を緊急対応の柱に据え、房総半島の交通ネットワークの強靱化や、印旛沼流域における抜本的な治水対策など10項目を重点方針として掲げています。 今後の焦点は、決壊した堤防の抜本的な復旧工法と、農地を覆い尽くす特定外来生物への具体的な駆除対策です。印旛沼堤防調査委員会には国土交通省や水資源機構もオブザーバーとして参加しており、決壊メカニズムの解明が急がれています。しかし、一度定着した外来種の根絶は容易ではなく、農家が再び安心してコメ作りを再開できる環境をいつ取り戻せるのか、その見通しは依然として不透明なままです。 関連情報 千葉・印旛沼の堤防決壊を受け、国が緊急復旧のためテック・フォースを派遣(2026年9月23日) 【印旛沼の堤防“決壊”】千葉・印旛沼周辺で浸水続く、周辺で火事も 台風26号が発生…発達しながら西へ 千葉県 印旛沼の堤防の一部が決壊 県など排水作業進める 台風25号の大雨で(2026年9月23日)

警察署にいた男性にニセ警察官から電話 本物の警察官との"直接対決"で詐欺師が逃走
日本

警察署にいた男性にニセ警察官から電話 本物の警察官との”直接対決”で詐欺師が逃走

10月上旬、福井県警を訪れていた男性の元に「警視庁捜査二課」を名乗る男から詐欺の電話がかかりました。男性は警察署内にいた利点を活かし、本物の警察官と連携して対応。問い詰められた偽の警察官は、最終的に電話を切りました。Yahoo!ニュースなどが報じています。 警察署内で受けた「警視庁」からの不審な入電 10月上旬、仕事で福井県警を訪れていた男性の携帯電話に、警視庁捜査二課を名乗る男から連絡が入りました。男は「福岡県警から捜査依頼を受けた」と告げ、男性に接触を図りました。しかし、男性はこれが典型的な「ニセ警察官詐欺」であると即座に見抜きました。男性が電話を受けた場所は、まさにその時仕事で訪れていた福井県警の庁舎内でした。男性はすぐさまその場にいた本物の警察官に相談し、だまされたふりをして通話を継続する連携プレーを選択しました。 「20日間の勾留」を盾に揺さぶる偽の警察官 電話を続けていた男は、男性に対し「このまま何もせず放置して捜査が進むと、最悪の場合、逮捕・起訴されてもおかしくない」と不安を煽るような言葉を並べました。さらに、電話は「福岡県警捜査二課のヨコタ」と名乗る別の人物へと引き継がれました。この人物は「今回、20日間勾留をさせていただいて、取り調べを受けていただく」と述べ、男性に福岡県警へ出頭するよう強く促しました。男性が「それは逮捕ではなく任意ですか」と問い返すと、男は「強制力はない」と回答するなど、論理の矛盾が露呈し始めました。 写真:fnn.jp 本物の警察官による追及で露見した嘘 会話の終盤、男性は福井県警の本物の警察官に電話を代わりました。本物の警察官が「どこの警察署の人か」と問い詰めると、男は「福岡県警の捜査二課のヨコタ・ケンスケ」と名乗りました。これに対し、福井県警の警察官は「そんな人(ヨコタ)は福岡県警にはいない」と即座に指摘しました。男は「福岡県警の方に電話して確認してください」と食い下がりましたが、本物の警察官から「なんで俺が電話しないといけないの」と強く言い返されると、問いに答えることなく電話を切りました。 「090」から始まる番号への警戒 今回の詐欺未遂事件で使用された電話番号は、「090」から始まるごく一般的な携帯電話の番号でした。警察組織が捜査の過程で、個人の携帯電話番号から直接連絡してくることは通常考えにくいケースです。FNNプライムオンラインの報道によると、今回のケースのように、警察官を名乗る人物から犯罪の嫌疑をかけられるような電話があった場合、警察は「すぐに電話を切ること」を強く推奨しています。 警察への即時相談の重要性 今回の事案では、男性がたまたま警察署を訪れていたという特殊な状況が功を奏しましたが、通常は被害に遭うリスクが非常に高い手口です。不審な電話を受けた場合は、その場で回答せず、すぐに電話を切断した上で、最寄りの警察署や警察相談専用電話へ連絡することが重要です。警察庁などは、身に覚えのない捜査依頼や勾留の話が出た時点で、個人情報を教えたり指示に従ったりすることのないよう、広く注意を呼びかけています。

朝日新聞
日本

横浜高の織田翔希が米球界挑戦を表明、ドラフト会議を前に山梨学院・菰田陽生ら注目株へ関心高まる

22日に開催されるプロ野球ドラフト会議を前に、目玉候補の一人だった最速157キロ右腕、横浜高の織田翔希が15日に米球界挑戦を表明した。これを受け、ドラフト戦線の注目は山梨学院の菰田陽生ら、次世代の才能へと移っている。朝日新聞社が報じた。 米挑戦表明でドラフト戦線に変化 プロ野球ドラフト会議の開催を直前に控え、横浜高の織田翔希が15日に米球界への挑戦を表明したことで、各球団の指名戦略に影響を与える可能性がある。. パワーと技術を兼ね備える山梨学院・菰田陽生 織田の表明後、ドラフトの注目株として筆頭に挙がるのが山梨学院の右腕、菰田陽生だ。身長195センチの恵まれた体格から繰り出されるパワーは「怪物級」と評されている。今夏の甲子園出場こそ逃したものの、最速152キロを計測する直球に加え、高校通算39本塁打という長打力も魅力だ。投打の両面で世代屈指の潜在能力を持つ菰田は、「二刀流」でのプロ入りを熱望している。 今夏甲子園を沸かせた実力派投手たち 今夏の全国選手権に出場した投手の中にも、プロ注目の好素材が並ぶ。大分商の右腕・平田玲翔は、188センチの長身から最速152キロの直球を投げ込む。また、昨夏に全国制覇を経験した沖縄尚学の左腕・末吉良丞は、打者を圧倒する指先の感覚に優れた直球が武器だ。花咲徳栄(埼玉)の黒川凌大は、柔道アジア選手権覇者の母を持ち、ピンチでも動じないマウンドさばきが高く評価されている。中京(岐阜)の鈴木悠悟は、U18日本代表にも選出されたスライダーの切れが光る。 甲子園未出場の「隠れた好素材」 甲子園の舞台に立てなかった投手の中にも、指名候補となる実力者がそろう。特に評価が高いのは、高岡第一(富山)の左腕・前田侑大だ。富山大会で最速156キロをマークし、無安打無得点試合も達成している。また、選抜大会で準優勝に貢献した智弁学園(奈良)の左腕・杉本真滉も有力だ。最速149キロの直球と鋭いスライダーを操る杉本は、U18代表にも名を連ねた実績を持つ。 大型投手と野手の注目株 将来性を秘めた大型投手もドラフトの鍵を握る。190センチ前後の長身を誇る投手たちが、プロのスカウトの目を引いている。 林晃成(桐光学園・神奈川):191センチ 保西雅則(日本航空石川):189センチ 新城楓雅(奈良大付):190センチ 丹羽涼介(市和歌山):184センチ 野手では走攻守がそろう遊撃手の池田聖摩(横浜)や、打撃に定評がある田山纏(仙台育英)や田中皐晴(日南学園)が注目され、捕手では内藤蒼(浦和学院)や田中諒(日大三)が逸材として期待される中、22日のドラフト会議で各球団がどのような指名方針をとるのか注目が集まる。.

ザイFX!の読者が選ぶFX会社ランキング2026年10月版:総合1位はGMOクリック証券「FXネオ」
世界

ザイFX!の読者が選ぶFX会社ランキング2026年10月版:総合1位はGMOクリック証券「FXネオ」

2026年10月、ザイFX!の読者が選ぶおすすめFX会社トップ3が公開された。総合1位にはGMOクリック証券「FXネオ」が選ばれ、高い機能性を持つ取引ツールや優れたスマホアプリの操作性が多くのトレーダーから支持を集めている。 GMOクリック証券「FXネオ」が総合1位を獲得した理由 ザイFX!が公開した最新のランキングにおいて、GMOクリック証券「FXネオ」が総合1位に輝いた。米ドル/円のスプレッドは0.2銭原則固定(9-27時・例外あり)、ユーロ/米ドルは0.3pips原則固定(9-27時・例外あり)となっており、最低取引単位は1000通貨、通貨ペア数は24ペアを備えている。 多くのトレーダーから支持を集める最大の理由は、機能性に優れた取引ツールにある。特にスマートフォンアプリの操作性が非常に優れていると評価されている。スプレッドやスワップポイントなどのスペック面も申し分なく、あらゆるスタイルのトレーダーにおすすめできる口座だ。取引環境の良さをFX口座選びで優先するならば、選択肢から外せないFX口座と言える。 SBI FXトレードは1通貨単位の少額取引に対応 総合2位に選ばれたのはSBI FXトレードである。主なスペックとして、米ドル/円のスプレッドが0.18銭、ユーロ/米ドルが0.3pips、最低取引単位が1通貨、通貨ペア数が34ペアとなっている。 すべての通貨ペアを1通貨単位、一般的なFX口座の1000分の1の規模から取引できる点が最大の特徴である。これからFXを始める人や、少額取引ができるFX口座を探している人にとって絶対にチェックしておきたいFX会社だと言える。スプレッドの狭さにも定評があり、1回の取引で1000万通貨まで注文が出せるため、取引量が増えて稼げるようになってからも長く使い続けられる。 外為どっとコム「外貨ネクストネオ」の充実した学習コンテンツ 総合3位には外為どっとコムの「外貨ネクストネオ」がランクインした。米ドル/円のスプレッドは0.2銭原則固定(9-27時・例外あり)、ユーロ/米ドルは0.3pips原則固定(9-27時・例外あり)、最低取引単位は1000通貨、通貨ペア数は42ペアである。 業界最狭水準のスプレッドと豊富な情報量が多くのトレーダーに支持されている理由だ。FX取引が初めての初心者からスキル向上を目指す中・上級者向けまで、各自のレベルにあわせて受講できる学習コンテンツも魅力となっている。比較チャートや相場の先行きを予測してくれる機能など、取引をサポートしてくれるツールも充実している。 2026年10月時点におけるFX口座選びの基準 今回のランキングデータは2026年10月1日時点のものであり、スプレッドはいずれも例外がある。最新の情報とは異なっている場合があるため、正確な数値を確認する際はザイFX!の「FX会社おすすめ比較」や各社の公式サイトを参照する必要がある。 トレーダーが自身の取引スタイルや資金量に合わせて最適な口座を選ぶ傾向は、今後もFX市場において重要な判断基準となり続ける。

北朝鮮が軍事境界線で要塞化を進行、韓国軍は偶発的な武力衝突の恐れを指摘
世界

北朝鮮が軍事境界線で要塞化を進行、韓国軍は偶発的な武力衝突の恐れを指摘

北朝鮮が韓国との軍事境界線沿いで道路造成や地雷埋設などの要塞化を進めている。2024年4月に始まったこの動きは、金正恩総書記による韓国の「敵対国」認定に伴うものだ。韓国軍は緊張の高まりを警戒し、偶発的な衝突のリスクを注視している。 軍事境界線で進む北朝鮮の要塞化工事 北朝鮮が南北軍事境界線に沿って、軍事物資や兵員を迅速に移動するための道路造成を急いでいる。読売新聞の取材によると、韓国北西部の江華島から対岸の北朝鮮側を観測した際、軍服姿の兵士らが道路造成作業に従事する様子が確認された。造成の手順は、草地を爆破した後に整地を行い、道路を敷設するというものだ。韓国政府関係者は、これが軍用車両が通行する「戦術道路」や、徒歩移動用の「機動路」であると説明している。北朝鮮は、この約250キロメートルに及ぶ境界線一帯の要塞化を2028年までに完了させる見通しであると韓国軍は分析している。 江華島の住民が目撃した爆発の衝撃 境界線から約2キロメートル離れた江華島では、住民が繰り返される爆発音に不安を募らせている。江華島で生まれ育った50歳代の女性は、9月後半から10月前半にかけて、対岸で何度も爆発が起き、白煙が上がる光景を目撃したと証言した。この女性は「初めてのことで、とても恐ろしかった」と当時の心境を語っている。読売新聞の報道によれば、境界線付近での活動は北朝鮮が国境線化を図り、脱北を阻止する狙いがあるとみられている。地雷の埋設や鉄柵の設置も並行して進められており、居住地域のすぐそばで軍事的な緊張が物理的に高まっている現状が浮き彫りとなった。 急増する軍事境界線の侵犯回数 北朝鮮軍の活動活発化に伴い、境界線付近での事案は増加傾向にある。韓国軍のデータによると、軍事境界線を越える北朝鮮軍の侵犯は、2024年に9回、2025年に17回だったが、今年はすでに50回を超えた。9月には韓国軍将兵が北朝鮮側の埋設した地雷を踏んで負傷する事故が発生し、南北双方が互いを激しく非難する事態となった。これに対し、韓国軍も境界線以南に設置された地雷の処理に乗り出すなど、双方の軍事活動が連鎖的に活発化している。 北朝鮮幹部による強硬姿勢の示唆 北朝鮮側は、一連の要塞化を正当化し、韓国への対決姿勢を強めている。朝鮮中央通信の報道によれば、北朝鮮の朴正天国防省顧問は、金正恩総書記の妹である金与正党総務部長とともに要塞化の現場を視察した。朴氏は「敵の妄動に圧倒的な軍事行動で対応しなければならない」と主張した。また、金与正氏は19日の談話で、韓国軍が警告放送や警告射撃を行っていることに反発し、戦術的攻撃手段の増強配備を検討していると言及した。 写真:Yahoo!ニュース 高まる偶発的武力衝突への懸念 南北間の緊張状態について、専門家からは偶発的な衝突を危惧する声が上がっている。韓国国会国防委員会の庾龍源議員は読売新聞の取材に対し、韓国軍の警告射撃に対して北朝鮮軍が対応射撃を行った場合、予期せぬ武力衝突へ発展する恐れがあると指摘した。物理的な障壁の建設と軍事的な示威行動が重なることで、現場の緊張はかつてないほど高まっている。双方の軍事的な動きが今後どのように推移するのか、予断を許さない状況が続いている。 【北朝鮮】金与正氏 軍事境界線付近の“要塞化”工事現場を視察 北朝鮮側で複数の爆発も

欧州でインフレ抗議デモや左右ポピュリズムが台頭し分断が深刻化
世界

欧州でインフレ抗議デモや左右ポピュリズムが台頭し分断が深刻化

欧州各地で生活費の急騰や教育環境の悪化に抗議するデモが広がり、イタリア・ミラノでは治安部隊との衝突や店舗の略奪が発生して警察が271人を連行するなど、社会的な分断と混乱が深まっている。. パリの共和国広場を包んだ白い煙と急進左派の台頭 パリの共和国広場は17日、教育環境の改善などを求めるデモで発生した白い煙に包まれたと、読売新聞オンラインが報じた。共和国の象徴であるマリアンヌ像によじ登って気勢を上げる若者らに向け、治安部隊は催涙弾を発射した。広場の真横では黒服の集団が石を投げつけるなど緊迫した空気が漂う中、大通りを練り歩くデモ隊から「大統領、大統領!」というシュプレヒコールがわき上がった。来春の大統領選の有力候補で、急進左派「不服従のフランス」を率いるジャンリュック・メランション氏が姿を見せたためである。左派ポピュリストの代表として知られるメランション氏は、デモを主導する若年層を支持層としている。現実的な財源を示さないまま食品や燃料への上限価格導入といった公約を並べ、デモでは「公立校にお金を」と書かれたプラカードを配っていた。公務員のロバンさん(25)は同氏について、「貧富の格差や人種差別に反対し、常に人民の側に立っている」と絶賛している。 イタリア・ミラノで広がった生活費抗議デモと深刻な略奪被害 フランスでの抗議デモはインフレや光熱費・燃料費の高騰に対する不満に火をつけ、全国規模の生活費危機デモへと急拡大した。JBpressが英紙ガーディアンの報道として伝えたところによると、10月17日にはイタリア、ベルギー、ポルトガルでもそれぞれの社会的・経済的背景を持つ抗議デモが行われた。特にイタリアのミラノでは、17日と18日の両日にわたって平和的に行われていた生活費高騰への抗議デモに覆面姿の若者らが加わり、ごみ箱に火を付けたり店舗の窓ガラスを割ったりするなどの暴動に発展した。シャネル、ティファニー、ディオールなどの高級ブランド店は略奪を警戒してショーウインドウから商品を撤去し、スポーツ用品店やアウトドアブランド、携帯電話大手の店舗も襲撃を受けた。警察は催涙ガスや放水車で鎮圧にあたり、271人を連行してそのうち32人を逮捕した。連行された者のうち220人が未成年者であったことが判明している。ジョルジャ・メローニ伊首相は19日に治安当局と会議を開催し、アントニオ・タヤーニ副首相兼外相は「国家に対する攻撃には断固として対応する」と表明した。 写真:JBpress ドイツの議会選で起きた首都ベルリンの衝撃と左派党の躍進 ドイツ全土では排他的な主張を強める強硬右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が勢力を拡大する一方、9月にベルリンで行われた議会選では旧東独の共産主義政党の流れをくむ「左派党」が初めて第1党となり首都に衝撃を与えたと、読売新聞オンラインが伝えている。左派党は家賃の高騰を争点に据え、民間住宅を公有化して家賃を抑制する公約を打ち出して若年層の支持を集めた。公共放送ARDによると、16〜34歳の有権者の4割以上が左派党に投票し、これまで投票したことのない有権者約7万5000人も同党を支持した。皮肉にもAfDの伸長が左派党の追い風となっており、大学生のカロル・シェルムリーさん(20)は、ナチスの歴史を持つドイツに強硬右派はそぐわないと信じ、「AfDのファシストたちに対抗できる『左派の選択肢』が必要だ」と力説している。 先細る中道勢力と左右のポピュリズムによる激しい分断 戦後の欧州政界はファシズムの台頭が第2次大戦を招いたことの反省に立ち、極端な主張を排除した中道路線が主流だった。しかし50年以上の時を経て中道勢力の先細りは止まらず、ニュースサイト・ポリティコの集計によると、フランスのマクロン大統領率いる中道勢力の支持率は2020年の26%から25年には15%まで落ち込んだ。ドイツでも左右の中道2大政党の支持率合計は32%で、AfDの支持率とほぼ変わらない水準となっている。中道政権が移民や経済格差といった問題で有効な処方箋を示せない中、有権者は右派と左派それぞれのポピュリズム的主張に引き寄せられてきた。英国でも9月上旬に開かれた右派ポピュリスト政党「改革党」の党大会で、ナイジェル・ファラージ党首が不法移民を100日間でゼロにすると宣言して熱狂を呼んだが、さらに過激な新興右派政党「復興党」に支持者を奪われるなど、より過激な勢力への移行が加速している。 写真:Yahoo!ニュース 深まる欧州の分断と残された懸念 元仏大統領のジスカールデスタン氏は1980年、中道路線を堅持することが国民を団結させフランスを引き裂かないために不可欠だと演説していた。しかし、その願いもむなしく欧州は現在も分断を深めている。2月には仏南東部リヨンで急進左派に対する抗議集会を支援していた右派の大学生が、急進左派の集団に暴行されて死亡する事件も起きた。イタリアのメローニ政権が予防拘禁の拡大や若者ギャングの取り締まり強化など未成年者による暴力の抑止策を検討する中、各国の既成政党は激化する暴動とポピュリズムのうねりに対して有効な歯止めをかけられずにいる。