ウクライナで2026年5月から攻撃に投入されているロシア軍の最新型ジェット推進式自爆型ドローン「ゲラン4」の内部から、中国製に加え、米半導体や日本メーカーのコンデンサーなどの外国製電子部品が多数確認された。国際報道機関RFE/RLが2026年9月24日に分解映像を公開し、ウクライナ国防省情報総局(HUR)のデータベースでもその実態が明らかになっている。
ウクライナ攻撃で急増するジェット推進式ドローン
ウクライナ空軍の集計によると、ロシア軍が使用するジェット推進式の自爆型ドローンは投入数が急増している。2026年7月に使用された同型機は前月の約5倍に達した。さらに8月下旬には、4日間に飛来した1500機以上のうち800機以上がジェット推進型だったとされている。ニューズウィーク日本版の報道では、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が9月26日に、防空部隊による同型ドローンの迎撃成功率が55%にとどまっていることを明らかにした。従来のプロペラ推進型であるゲラン2から数年でジェット化が進み、最高速度は最大500km/hに達することから、ウクライナの防空網にとって新たな脅威となっている。
分解映像で判明した外国製部品の実態
RFE/RLが公開した分解映像では、全長約3.5m、翼幅約3mのゲラン4の内部からターボジェットエンジン、カメラ、通信装置、航法装置などが次々と取り出された。HURが公開しているデータベースによると、機体には中国Telefly製のターボジェットエンジンや中国製通信機器のほか、米Texas Instruments製半導体、英国Raspberry Piのコンピューターが搭載されていた。さらに日本メーカーの部品も確認されており、東芝製フォトトランジスターやニチコン製コンデンサーが掲載されている。特殊な軍用部品のみで構成されていると見られがちだった最新鋭の軍用ドローンだが、その実態は多数の民間向け外国製電子部品に依存していることが示されている。

パトリオット迎撃ミサイルの量産と調達の遅れ
ニューズウィーク日本版の報道によると、ゼレンスキー大統領はアメリカのドナルド・トランプ大統領と、防空システム「パトリオット」の迎撃ミサイルをウクライナ国内で生産するライセンス供与で合意したことを明らかにしている。しかしホワイトハウスはまだこれを正式に確認していない。仮に今すぐライセンスが供与されたとしても、国内生産品の最初のミサイルが生産ラインから出てくるまでには時間がかかり、ロシアのミサイルや高速ドローンの量産スピードに追いつかない懸念がある。ウクライナ軍は、ロシアの弾道ミサイルや高速ドローンの物量に対して確実な迎撃が困難になる中、防空戦略の転換を迫られている。
AI誘導式機関銃による迎撃手法の導入
乗りものニュースの報道によると、ウクライナ国防省は2026年9月22日、AI誘導式の遠隔操作式機関銃砲塔「Khyzhak(ヒジャク)」をヘリコプターに搭載し、自爆ドローンを撃墜する映像を公開した。ヒジャクは7.62mm弾薬を使用する機関銃を安定化機構付きの銃架に搭載し、AIによる目標認識・追跡機能を備えたモジュール式システムである。公開された動画では、ヘリコプターの側面付近に設置されたとみられる同システムがシャヘド136タイプと思われる自爆ドローンを正確に捕捉し、撃墜する様子が収められている。ウクライナ軍はミサイル不足を補うため、こうした「飛ぶ前に叩く」戦略や、航空機からの機関銃による迎撃など、多様な対抗手段の運用を急ピッチで進めている。
ロシア軍によるジェット推進式ドローンの大規模な飛来と高速化が進む中、ウクライナ側はパトリオット迎撃ミサイルの国内生産やAI誘導式機関銃といった新たな迎撃手段の確立を急いでいる。今後、物量で優位に立つロシアの攻勢に対し、ウクライナの防空網や迎撃戦術がどのように適応していくのかが焦点となる。