米国のドナルド・トランプ大統領は1日、オクラホマ州デュラントやテキサス州で演説を行い、11月3日に迫った中間選挙に向けた本格的な遊説を開始したと、yomiuri.co.jpが報じた。政権運営への不満から与党・共和党への逆風が強まる中、残り約1か月の間に全米各地で週5〜7回の集会を予定し、自らが先頭に立って局面打開を図る構えを見せている。
オクラホマ州の集会でトランプ大統領が示した弾劾への危機感
トランプ氏は1日にオクラホマ州で開催された集会で、共和党支持者を前に「私が出馬していると思ってほしい。もし我々が勝てなければ、民主党は私を弾劾するだろう」と訴えた。さらに、民主党が議会で多数を握れば3度目の弾劾訴追を受け、増税が行われて「大恐慌が訪れる」と危機感をあおったと、yomiuri.co.jpが伝えている。オクラホマ州は2024年の大統領選で州内全77郡をトランプ氏が制した「レッド・ステート」であり、雨の中会場前には5時間以上前から長蛇の列ができるなど熱気を見せた。
世論調査で浮き彫りになる記録的な支持率低迷と経済への強い不満
その熱気とは裏腹に、政権への逆風は強い。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによる9月の世論調査で、トランプ氏の支持率は37%となり、1990年以降同紙の調査では中間選挙前における大統領として過去最低を記録したとyomiuri.co.jpが報じている。また、朝日新聞の報道によれば、世論調査の平均を示すリアル・クリア・ポリティクスが9月30日時点で実施した調査では、連邦議会選で民主党候補に投票すると答えた人が50.6%に達し、共和党の42.3%に8.3ポイントの差をつけた。対イラン軍事作戦の長期化に伴うエネルギー価格の急騰や、関税政策による物価高への不満が背景にあり、ロイター通信とイプソスが9月中旬に行った調査では、トランプ氏の生活費への対応を評価する人が17%にとどまったことが朝日新聞により示されている。
上下両院の多数派維持に黄信号がともる選挙情勢
今回の米国中間選挙は、下院の全435議席と上院100議席のうち約3分の1にあたる35議席が改選される。現在は共和党が上下両院で多数を握るものの、選挙分析専門のクック・ポリティカル・リポートが9月25日に15選挙区の評価を民主党有利へと一斉に変更し、下院で共和党が過半数を失うと予測したと朝日新聞が伝えた。民主党は多数派奪還のために3議席の上積みで足りる状況にある。一方、上院の多数派争いについても、クックは9月23日に「完全な五分五分」だと分析しており、上院民主党トップのチャック・シューマー院内総務が数カ月前より「かなり楽観的だ」と語っていることを朝日新聞が報じている。
与党の公約に対する有権者の冷ややかな反応と今後の見通し
トランプ氏は9月の共和党大会で、両院の多数派を維持すれば全米の成人に5000ドルを支給すると公約に掲げたが、テキサス州の会場外には「5000ドルで票は買えない」と書かれたプラカードが掲げられたとyomiuri.co.jpが伝えている。民主党が勝てば3度目の弾劾があるとするトランプ氏の訴えに対し、野党側は過去のイラク戦争への不満をバネに上下両院の奪還を狙っており、改選35議席を巡る攻防が今後どのように結末を迎えるのかは依然として不透明なままである。