ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は1日、飛び地領土カリーニングラードが直接攻撃を受けた場合、利用可能なあらゆる兵器を使用すると表明したと、欧州デジタル編集長のポール・カービー氏とアリス・デイヴィス記者が報じ、西側の指導者による戦争準備発言への返答だとしている。.
カリーニングラードを巡る緊張とロシアの核使用の警告
カリーニングラードはバルト海に面し、リトアニアおよびポーランドと国境を接するロシアの飛び地領土である。ロシア側はこのところ、北大西洋条約機構(NATO)がこの飛び地を封鎖する準備を進めていると強く非難している。西側諸国がカリーニングラードをロシア本土から切り離すならば、核兵器の使用も辞さないという姿勢を崩していない。
これに対しNATO側は事態の沈静化を図っており、自らが防衛同盟であることを強調しながら、ロシアに対して核による脅しをやめるよう繰り返し促している。しかし、NATOの欧州加盟国は、ロシアによるものとされるハイブリッド攻撃の急増に直面しているのが現実だ。こうした非軍事手段と軍事手段を組み合わせた事案は、ポーランドやエストニア、ラトヴィア、リトアニアのバルト三国で特に頻発している。
相次ぐ領空侵犯とハイブリッド攻撃の現実
先週にはポーランドが、カリーニングラードに隣接する自国領空へロシアのヘリコプターが侵入したと発表した。リトアニアも、ドローンが領空に侵入するなどの理由から、国民がロシアから絶えず脅威を感じていると訴えている。ハイブリッド攻撃にはサイバー攻撃や破壊工作、偽情報などが含まれており、国境周辺の緊張を一層高める要因となっている。
プーチン大統領は1日のヴァルダイ外交政策フォーラムでの演説で、国際紛争は今後も続く可能性が高いと指摘した。一方で、西側の覇権が弱まるにつれて状況は改善すると主張している。さらに、2022年2月にウクライナへの全面侵攻を開始した責任については、西側諸国が侵略を誘発したと改めて非難し、自衛のためだったと正当化した。
経済施設への攻撃とウクライナの国内総生産への影響
ロシアによるウクライナの経済施設への攻撃は、ウクライナが黒海でロシアの石油精製施設や船舶を攻撃したことへの直接的な報復であるとプーチン氏は主張した。「今、あらゆる方面からやめようという電話がかかっている。だが、始めたのは彼らだ」と述べ、西側の関与を牽制している。
一方でプーチン氏は、ウクライナが製油所への攻撃で一定の成果を上げ、ロシアの国内総生産(GDP)の約1%が失われた事実を認めた。ウクライナ側は、ロシアの石油インフラが軍の資金調達を助けているとして攻撃を続けている。ロシアも2022年の侵攻開始以来、冬の訪れとともにウクライナのエネルギーインフラや民間施設への攻撃を強化してきた。
NATOの海軍演習に対するロシアの強い反発
プーチン大統領は、NATOがバルト海で実施している海軍演習についても、カリーニングラードに対する深刻な脅威であると非難した。ロシア連邦への直接攻撃があれば、ロシアが保有するあらゆる兵器の使用が必然的かつ直ちに議題に上がると警告している。英仏などの核能力を認識しつつも、ロシアの保有する兵器は比類のないものだと強調した。
「我々は誰かを脅迫しているわけではない」とプーチン氏は述べ、2029年や2030年に誰かを攻撃するつもりはないと弁明した。しかし、侵略に遭遇すれば対応せざるを得ないと述べ、欧州諸国の市民に向けて警戒を呼びかけている。
今後の見通し
ロシアとNATOの対立が先鋭化する中、カリーニングラードの安全保障環境は依然として不安定な状態が続いている。西側諸国による封鎖の動きやバルト海での軍事演習が今後どのように展開されるかによって、ロシア側が警告する兵器使用の現実味も大きく左右される見通しだ。