海軍将官会議の公式Xは2026年9月29日、アイオワ級戦艦の16インチ砲による着弾時のカラー映像を公開した。ベトナム戦争中のクアンガイ省で撮影されたもので、ニュージャージーによる艦砲射撃の様子が捉えられている。最初の砲弾着弾から全砲門の一斉射撃に至る一連の戦闘記録であり、当時の運用実態を示す貴重な映像資料となっている。
アイオワ級戦艦ニュージャージーが残したクアンガイでの戦闘記録
海軍将官会議の公式Xが2026年9月29日に公開した映像は、ベトナム戦争中にクアンガイ省で実施された艦砲射撃をとらえたものである。砲撃を実施したのはアイオワ級戦艦の2番艦であるニュージャージーであり、現地での砲撃支援を要請・誘導していた観測機から撮影されたとされている。戦闘ではHC(榴弾)が数斉射にわたって使用された。
朝鮮戦争後の退役とベトナム戦争での現役復帰の経緯
アイオワ級戦艦は朝鮮戦争後に4隻すべてが退役し、予備艦隊として将来の有事や需要に備えてモスボール化されていた。しかし、ベトナム戦争の激化を受けて状況は大きく変化する。1968年4月6日、ニュージャージーのみが現役に復帰し、1969年4月まで南ベトナム沿岸などで艦砲射撃の任務を遂行した。
ベトナム戦争の終了後、ニュージャージーは再びモスボール化された。だが、レーガン政権下での海軍戦略の変化により、再び転機を迎える。1982年12月28日のニュージャージーの再就役を皮切りに、1988年10月までにアイオワ級4隻すべてが現役に復帰することになった。
レーガン政権下の全艦再就役から湾岸戦争を経ての退役まで
冷戦期における海軍力の増強に伴い、アイオワ級の4隻は近代化改修を受けて次々と第一線に復帰した。16インチ砲という圧倒的な火力を誇る巨艦は、再び世界の海と紛争地帯でその存在感を示すことになった。1991年に発生した湾岸戦争においても、これらの戦艦は作戦に参加し、艦砲射撃などによる支援を実施している。
しかし、湾岸戦争の終了とともに、巨大戦艦を維持するコストや海軍戦略の再編が課題となった。湾岸戦争を経て、アイオワ級の4隻はすべて退役を迎えることになり、近代海軍における戦艦の歴史は事実上の幕を閉じた。今回公開されたようなカラー映像は、かつて巨砲を主武器とした戦艦が実戦で果たした役割を今に伝える数少ない記録となっている。
歴史的映像の公開が示す軍事史料としての価値と今後の注目点
今回のような公式アカウントによる過去の戦闘記録の公開は、退役から年月を経たアイオワ級戦艦の運用実態を視覚的に裏付けるものである。朝鮮戦争、ベトナム戦争、そして湾岸戦争という激動の時代を駆け抜けた4隻の戦艦は、それぞれの時期において異なる運用環境と戦術に対応してきた。