日本語版
最新ニュース
ニュースデスク

世界

国際情勢、各国の政治と社会、世界で起きている重要ニュースを日本語でお届けします。

戦時作戦統制権の移管めぐる在韓米軍司令官の発言に韓国与党が反発 世界

戦時作戦統制権の移管めぐる在韓米軍司令官の発言に韓国与党が反発

李在明政権が推進する戦時作戦統制権の早期移管をめぐり、慎重論を唱えたゼイビア・ブランソン在韓米軍司令官の発言に対し、韓国の与党圏から批判が出ている。. ブランソン司令官が示した慎重姿勢と新たな基準 在韓米軍のジェイビア・ブランソン司令官は14日、ワシントンのゴールド国際戦略研究所の行事で、戦時作戦統制権の移管自体には賛成の意を示した。しかし、チョソン・オム(chosunonline.com)の報道によると、「条件が変わり、われわれの計画も変わったため、満たすべき新たな基準がある」と述べ、早期移管に対して慎重な姿勢を崩さなかった。AFPBB Newsの報道では、9月の米韓首脳会談を受けた11月の米韓安保協議で大きな進展が期待されていた韓国側との温度差が浮き彫りになったと指摘されている。ブランソン司令官は13日の米戦略国際問題研究所(CSIS)での対談でも「時間も条件の一つ」と述べ、必要な能力を備えずに移管した場合のリスクを米大統領と国防長官に報告すると強調していた。 写真:聯合ニュース 非武装地帯の管轄権をめぐる与党からの猛反発 ブランソン司令官が同日の行事で「国連軍司令部の観点から見れば、大韓民国は南側の鉄柵線から始まる」と発言したことに対し、韓国の与党から強い反発が起きている。チョソン・オムの報道によると、進歩系与党「共に民主党」所属で国会国防委員長を務める陳聲準議員は16日、フェイスブックでブランソン司令官を「大韓民国の領土主権を否定する国連軍司令官」と批判した。中央日報の報道でも、この発言が「大韓民国の領土を韓半島とその付属島嶼と規定した韓国憲法に反する」との指摘が出ており、非武装地帯(DMZ)に対する韓国の主権をどのように認識しているのか問わざるを得ないとの声が上がっている。 国連軍司令部による釈明と政府内の不満 こうした批判に対し、国連軍司令部は14日、「大韓民国の主権に疑問の余地はない」との声明を発表した。チョソン・オムの報道によれば、司令部は「軍事上・行政上の責任を説明したもので、主権問題を扱う意図はなかった」と釈明している。しかし、韓国国防部のチョン・ビンナ報道官は15日の定例会見で、移管条件が変わる可能性について「ゴールポストを動かし続けるなら、有事作戦統制権の移管は永遠にできない」との立場を示した。聯合ニュースの報道によると、政府内部では米軍事当局が移管の条件を恣意的に変更しているという強い問題意識があるという。 写真:AFPBB News 連合司令部体制の再検討を求める声 与党内からは、米軍指揮官の発言に対する対応だけでなく、同盟の枠組みそのものの見直しを求める意見も出ている。チョソン・オムの報道によると、共に民主党の陳聲準議員は、戦時・平時を問わず韓国軍が作戦統制権を自ら行使する方策を積極的に検討すべきだとし、「未来連合司令部の創設計画も全面的に再検討する必要がある」と述べた。同じく共に民主党の李奇櫶議員も、在韓米軍司令官は政策決定者ではないと指摘し、主権国家の安保主権を揺るがす米軍指揮官の発言を野党が盲目的に擁護していると批判した。 相次ぐ遺憾の表明と米国側への抗議 進歩系野党からも、政府の毅然とした対応を求める声が上がっている。チョソン・オムの報道によると、進歩系野党「祖国革新党」の金峻亨院内代表は「ブランソンの口を塞ぎ、韓国政府が口を開け」と述べ、発言に対する遺憾の意と警告を厳重に示すべきだと主張した。韓国国防部の姜信哲長官は前日の国会国政監査で、米国側にすでに抗議の意を伝えたことを明らかにしている。AFPBB Newsの報道では、米国が対中抑止や在韓米軍の戦略的柔軟性を強化するため、移管問題を交渉材料にしているとの分析も専門家から示されている。 写真:西日本新聞me 今後の安保協議と残された課題 米韓両国は、2015年の安保協議で合意した条件に基づいて移管を推進してきた。連合防衛を主導するために必要な軍事的能力や、北朝鮮の脅威への包括的な対応能力などがその条件となっている。AFPBB Newsの報道によると、韓米が見解の異なる部分を調整するための安保協議は12月に延期される可能性もあるという。米国側が求める新たな基準や能力評価のやり直しをめぐり、双方がどのように意見の隔たりを解消していくのか、今後の動向が注目されている。 関連情報: 韓国国防部、作戦統制権移管条件変更の示唆にゴールポスト動かせば永遠にできないと牽制…

中国の王毅外相、イスラエルにヨルダン川西岸の入植地建設中止を要求 世界

中国の王毅外相、イスラエルにヨルダン川西岸の入植地建設中止を要求

中国外務省は16日、王毅外相がイスラエルのイサク・ヘルツォグ大統領と会談し、イスラエルに対しパレスチナ・ヨルダン川西岸地区における入植地の強制的な建設の中止と行動の撤回を求めたと発表し、王氏はパレスチナ問題を今世紀最大の歴史的不正義と批判した。. 王毅外相がイスラエル大統領に西岸地区の入植地建設中止を要求 中国外務省の発表によると、王毅外相は15日にアゼルバイジャンで開催された会議の傍らで、イスラエルのイサク・ヘルツォグ大統領と会談を行った。王氏はイスラエルに対し、パレスチナ・ヨルダン川西岸地区における入植地の強制的な建設を直ちに中止し、その行動を撤回するよう求めた。その上で、パレスチナ問題は今世紀最大の歴史的不正義であると強調した。中国は長年にわたりパレスチナの主張を支持し、イスラエルとパレスチナ国家が共存する2国家解決こそが正しい方向性だとの立場を崩していない。 イスラエル大統領がXで会談を報告しイランの脅威を強調 イスラエルのヘルツォグ大統領は自身のXへの投稿で、王氏と会えたことをうれしく思うと述べ、会談では両国間の関係と中東情勢に焦点を当てたとした。その一方で、この地域における平和へのイスラエルの願望と、イランとそのテロ組織をはじめとする安全保障に対する戦略的な脅威を強く主張したと書き込んでいる。中国はイランと緊密な関係を維持しており、イラン産原油の最大の買い手でもある。イラン産原油はかつて、イランの核開発計画を理由にアメリカの制裁対象となっていた経緯がある。 ガザの人道危機打開と暫定政府樹立への模索 王外相は今回の会談で、現在の最優先事項はガザへのアクセスを完全に開放し、人道的大惨事の拡大を食い止めることだと述べている。中国は中東における紛争の仲介者としての役割を担おうとしており、ガザでの紛争においてはパレスチナの団結に焦点を当ててきた。2024年には対立するパレスチナの各派閥に、イスラエルとの戦争後に占領下のヨルダン川西岸地区とガザ地区に暫定的な国民和解政府を樹立することで合意させたが、その実現には至っていない。さらに王氏は、関係当事者が対話に戻って紛争の政治的解決を模索するよう、国際社会と協力していく用意があるとも表明した。 停戦から1年が経過したガザ地区の現状と死者数 イスラエルとガザの武装組織ハマスが停戦に合意してから1年が経過したものの、ガザの人々は依然としてイスラエル軍の攻撃、避難、食料安全保障に関して常に脅威にさらされながら生活している。大規模な爆撃は停止したものの、イスラエルはガザ地区への攻撃をほぼ毎日続けている。ハマスが運営するガザの保健省によると、2025年10月に停戦が始まってからの1年間で、イスラエルの攻撃により1400人以上のパレスチナ人が殺された。この数字は国連が信頼できるとみなしているものである。 停戦合意の停滞と2023年からの経緯 米国が仲介した停戦は、2023年10月7日にハマスが主導した集団がイスラエル南部を急襲し、報復としてイスラエルがガザ地区で開始した戦争を終結させる合意の第1段階だった。ハマスによるイスラエル襲撃では約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。しかし、合意の次の段階への進展は停滞しており、イスラエルとハマスが互いに合意条件に違反していると非難し合っている状態が続いている。

伊八潜がドイツ・ブレスト軍港へ到着し最新式電波探知機を受領 世界

伊八潜がドイツ・ブレスト軍港へ到着し最新式電波探知機を受領

第二次世界大戦中、日本海軍の伊八潜は7月24日にドイツ側から初の無線連絡を受け、当初予定されていたロリアン軍港からブレスト軍港へと目的地を変更した。現地ではドイツ製最新式電波探知機の設置が行われ、8月27日にはポルトガルの突端の灯台の光芒が見えてヨーロッパ大陸に到達したと、桑島が回想している。. 敵機の襲来と無線封止の解除 伊八潜水艦は長期間にわたり厳重な無線封止を続けていたが、ドイツ側からの指示に従って無線を発信したところ、直ちに敵機の襲来を受けた。7月24日に初めてドイツ側からの無線連絡が入り、同29日の駐独武官からの電報によって目的地が変更された。安全上の見地から、前回伊三十潜が入港したロリアン軍港ではなく、ビスケー湾を望むブルターニュ半島尖端のブレスト軍港が新たな目的地となった。同時に、赤道を通過する際に会合予定日を報告するよう求められており、電波を発信することの危険性が実証される形となった。 天測航法によるドイツ潜水艦との会合 ペナン出港以来2カ月近く陸地を見ない航海を経た伊八潜は、8月20日にアゾレス諸島西方海面でドイツ潜水艦との会合を果たした。長期間の航行にもかかわらず、天測航法のみによって地球上のピンポイントの位置へ正確にたどり着いた。ドイツ側の連絡将校であるヤーン少尉が指揮を執り、派遣された工作兵の手際よい作業によって、最新式の電波探知機が司令塔へと取り付けられた。この会合地点の設定においても、事前の綿密な無線連絡が重要な役割を果たしていた。 日本製とドイツ製電波探知機の性能差 艦上に設置されたドイツ製の電波探知機は、日本製のそれと比較して圧倒的な性能差を示した。日本で搭載してきた電波探知機は、大きな扇風機状のアンテナを手動で回す方式であり、取り扱いが不便で実用性も乏しかった。これに対し、ドイツ製の装置は鉛筆ほどの太さの真鍮製棒2本で構成されたシンプルな構造で、サイズは日本製の数十分の一にすぎなかった。コンパクトで手間がかからないだけでなく、受信波の線像も非常に鮮明であったため、日本海軍の立場を考慮した乗組員たちは、呉海軍工廠製の旧式探知機を分解して艦内の奥底へと隠した。 ヨーロッパ大陸の接近と灯台の光芒 8月27日、伊八潜の乗組員らはポルトガルの突端にある灯台の光芒を確認した。目前にヨーロッパ大陸が迫っていることを自らの目で捉えた当時の感激について、桑島はのちに回想している。敵のレーダー探知を避けるため、一般漁船に偽装した方が安全であるという判断のもと、あえて陸岸近くの航路が選ばれた。しかし、航行にあたっては現地のトロール船が使用する漁網に艦が引っかからないかという新たな心配もつきまとっていた。 長距離の隠密航海と過酷な洋上会合を乗り越えた伊八潜水艦の動静は、当時の水中作戦における技術的側面と航海技術の限界を物語る貴重な記録となっている。今後も関連する歴史的資料の検証や、当時の乗組員による証言の解析が進められることで、戦時の隠密行動の詳細がさらに明らかにされていく。

中国で再び粛清の嵐?習近平が「五中全会」で狙う政敵の完全排除と4期目の布石 世界

中国で再び粛清の嵐?習近平が「五中全会」で狙う政敵の完全排除と4期目の布石

10月26日から29日まで開催される中国共産党中央委員会全体会議(五中全会)は、習近平国家主席による権力基盤のさらなる強化と政敵排除の場となる見通しだ。JBpressや風伝媒は、党内の「粛清の嵐」が加速し、習氏への忠誠を欠く勢力が徹底的に一掃される可能性があると報じている。 五中全会で総括される「党内統治」の真意 今回の五中全会の主要議題は、「全面的かつ厳格な党内統治」の成果と経験を事実に基づいて総括することにある。公式発表によれば、会議では現在および今後の党建設が直面する情勢と任務が分析され、習近平国家主席を核心とする党中央による「強党・強国」に向けた戦略的配置が示される予定だ。JBpressは、こうした公式表現を咀嚼すれば、習氏がこれまで進めてきた大粛清を総括し、今後の粛清の方向性と人事方針を決定するための布石であると分析している。これは、これまでの中央委員会全体会議で形成されてきた議題の慣例を打ち破る動きとみられている。 「三つの不純」排除が示す粛清のターゲット 台湾メディア・風伝媒の報道によれば、今回の粛清の目標として「三つの不純」を排除することが掲げられている。これは、習近平氏の党中央における核心的な地位や権威を阻むあらゆる害悪を一掃する狙いがある。具体的に排除の対象とされる「三つの不純」は以下の通りである。 思想の不純:指導者である習近平氏への忠誠を欠くこと。 組織の不純:小集団や派閥を形成すること。 行動の不純:親米的で「和平演変」に幻想を抱き、北京にいながら家族を米国や西側に置くような姿勢。 これらの排除を通じて、習氏個人への独裁擁護を促す「二つの擁護」を徹底させる構えだ。 習近平政権4期目を見据えた権力維持の布石 習近平氏は、来年秋に控える党大会での政権4期目継続を目指しているとみられる。JBpressは、今回の五中全会からの一年間が、自身の権力維持を阻害する可能性のある人物を徹底的に排除する期間になると指摘している。最近発生した重慶市の黄奇帆元市長をめぐる粛清事件も、こうした文脈から分析が可能だ。これまで「不死鳥」と称された経済官僚でさえも失脚を免れない現状は、党内における緊張感の高さを示している。習氏にとって、政敵を完全に排除することが、次期党大会に向けた最優先事項となっている。 「強国建設」を掲げる党内の危機意識 公式発表では、今回の会議が「中国式現代化を通じて強国建設と民族復興という偉業を全面的に推進する上で、重大な現実的意義と長期的な指導的意義を有している」と強調されている。全党に対しては、党の執政地位を固めるために、厳格な党内統治を粘り強く推進する重要性と緊急性を深く認識するよう求めている。この表現は、国内の結束を促す一方で、党内における引き締めを正当化する論理として機能している。習氏の権力基盤を揺るがす動きを未然に防ぐため、組織内の監視体制は今後さらに強化される見通しだ。 今後の粛清の範囲と党内人事の行方 五中全会以降、中国共産党内部でどの程度の規模の粛清が実行されるのか、その全容は依然として不透明だ。習近平氏が標榜する「三つの不純」の排除が、中央から地方、あるいは経済界の要人までどこまで波及するのか。来年秋の党大会に向けた人事の刷新において、誰が排除され、誰が登用されるのかという点は、今後の中国政治を占う最大の焦点となっている。習氏が目指す「強党・強国」の道筋において、今後どのような政治的決断が下されるのか、世界がその動向を注視している。

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道 世界

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道

米トランプ政権が、イランとの軍事的な膠着状態を打破するため、通常兵器で最大の破壊力を持つ「MOAB(大規模爆風爆弾)」の使用を検討していることが明らかになりました。CNNが15日報じたもので、政権は核施設への攻撃選択肢の一つとして想定していますが、軍事専門家からはその有効性を疑問視する声も上がっています。 「全爆弾の母」が浮上した背景 CNNが独自に入手した情報によると、トランプ政権はイランに対する軍事作戦の選択肢として、通称「全爆弾の母」と呼ばれるMOABの使用を検討しています。2003年に開発されたこの爆弾は、核兵器を除けば米軍が保有する中で最大の爆発力を持つ通常兵器です。重さは約10トンに及び、戦闘機ではなく輸送機を用いて投下されます。過去の実戦使用は、2017年の第1次トランプ政権下でアフガニスタンの過激派組織「イスラム国」の地下トンネルに対して行われた1回のみとされています。 軍事専門家が指摘する「貫通能力」の限界 MOABの使用検討に対し、兵器の特性からは懐疑的な見方も示されています。明海大学の小谷哲男教授は、テレビ朝日の取材に対し、MOABは「核兵器と同じくらいの破壊力を持っているが、放射線は出ない」と解説しました。一方で、AFPBB Newsは、計画に詳しい情報筋の話として「MOABは地下深くまで貫通するように設計されておらず、地下深くにある施設を破壊する能力はない」と指摘しています。イランの核施設とされるピックアックス山への攻撃計画にこの兵器が盛り込まれているとの報道もありますが、その実効性には疑問符がついています。 写真:Yahoo!ニュース 情報戦としての「リーク」という側面 今回のMOAB使用検討の報じられ方について、専門家は軍事的な攻撃そのものよりも、イランへの心理的圧力を意図した情報戦の側面を強く指摘しています。小谷教授は「MOABの使用を検討しているという情報をあえて流すことで、ホルムズ海峡での船舶攻撃を繰り返すイランを牽制する狙いがあるのではないか」と分析しました。またAFPBB Newsも、情報筋のコメントとして「MOABは巨大な爆発による心理的効果を狙う情報作戦向けの兵器だ」と報じており、イラン側への警告としての役割が強調されています。 「やり過ぎた」発言に見えるトランプ氏の誤算 イラン情勢を巡っては、トランプ大統領自身の発言から、当初の軍事作戦に誤算があった可能性も浮上しています。毎日新聞によると、トランプ氏は10月14日にアリゾナ州で行った集会で、2月に開始した対イラン軍事作戦について「私はやり過ぎたのかもしれない。誰と交渉すればいいのか分からないのだ」と発言しました。かつては最高指導者アリ・ハメネイ師ら要人を殺害し、体制転換を視野に入れていたものの、結果としてイランの体制は維持され、むしろ強硬派の革命防衛隊が力を強める事態となっています。 写真:AFPBB News 中間選挙を控えた膠着状態の行方 イランによるホルムズ海峡の封鎖や、それに伴うガソリン価格の高騰は、11月3日の投開票を控えた中間選挙において、共和党への逆風となっています。AFPBB Newsは、世論調査の結果を引用し、対イラン戦争の長期化がトランプ政権の支持率低下を招いていると分析しました。トランプ氏は現状、選挙前の攻撃再開には否定的な姿勢を示していますが、出口戦略は依然として不透明です。大規模な兵器使用が民間人の犠牲を招く懸念も指摘される中、トランプ政権は選挙を前に、軍事的な圧力と外交的な打開の狭間で難しい舵取りを迫られています。

Forbes JAPAN 世界

ウクライナ軍の「スターシールド」利用制限か ホワイトハウス内部の指示とトランプ氏の思惑

ウクライナ軍が使用する衛星インターネット「スターシールド」に対し、ホワイトハウス内部から利用制限の指示が出されたとロイターが報じた。ドローン作戦における端末の移動速度に上限を設ける措置で、イーロン・マスク氏は最終判断をトランプ氏に委ねている。 ホワイトハウスが指示したスターシールドの通信制限 米国時間2026年10月15日、ロイターはウクライナ軍が活用する軍事向け衛星システム「スターシールド」の利用制限について、ホワイトハウス内部から国防総省へ指示があったと報じました。Yahoo!ニュースでも報じられたこの措置は、ウクライナ軍が前線でのドローン作戦に使用しているスターシールド端末を対象としています。具体的には、ドローンが通信を維持できる移動速度に上限を設けるというものです。ウクライナ政府の高官は、一連の制限についてホワイトハウス、米国務省、米国防総省に照会した結果、ホワイトハウスによる決定であるとの回答を得たとロイターの取材に対して明らかにしています。 トランプ氏による直接指示は米政府高官が否定 ホワイトハウス内部の誰がこの制限を指示したのか、現時点でその人物は特定されていません。一方で、米政府高官は15日、ブルームバーグに対し、ドナルド・トランプ大統領本人がウクライナ軍のスターシールド利用を制限するよう直接指示した事実はないと説明しました。なお、この説明はロイターによるホワイトハウス内部からの指示という報道の前に、ブルームバーグへ行われたものです。スペースXの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏は14日、スターシールドの利用制限に関する最終的な決定権はトランプ氏にあるとの見解を示していました。 ロシアのエネルギー施設攻撃をめぐる対立 スターシールドの制限をめぐる議論の背景には、ウクライナによるロシア国内のエネルギー施設への攻撃再開をめぐるトランプ氏の姿勢があります。トランプ氏は15日夜、ニュースマックスのインタビューに応じ、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領による製油所への攻撃再開を公然と批判しました。トランプ氏は「ゼレンスキーが再び製油所を攻撃しているというなら、世界の原油価格を引き上げているだけだ」と述べ、世界的な燃料価格の高騰を招く行為であると指摘しています。また、同氏は「軽油を生産する製油所を攻撃すれば、米国も世界も必要としている燃料に打撃を与える。それは世界のためになる行為ではない」と語り、攻撃の停止を促す強い姿勢を示しました。 原油価格高騰と軍事支援の現場 ウクライナによるロシア製油所への攻撃や米国とイラン間の紛争の影響、および前線でのドローン運用を支えるスターシールドの通信速度制限を巡る動向について、以下のように報じています。. 写真:西日本新聞me スターシールド:スペースXが提供するスターリンクの軍事転用版システム 主な制限内容:ドローン作戦における端末の移動速度に上限を設定 米政権の姿勢:トランプ氏は製油所攻撃を批判し、燃料価格への影響を懸念 今後の軍事作戦への影響と不透明な制約 現在、スターシールドの制限が具体的にどの程度の範囲で適用され、ウクライナの前線作戦にどのような物理的制約を与えているのか、その詳細は依然として不透明です。ホワイトハウス内部からの指示という報道に対し、具体的な実行責任者や詳細な運用規定は公にされていません。ウクライナ側は通信インフラの制限が戦術に与える影響を注視しつつ、米国政府との調整を続けています。トランプ氏によるロシアの製油所攻撃への批判が続く中、軍事支援のあり方や衛星通信の提供条件が、今後のウクライナの作戦行動を大きく左右する可能性が高まっています。 米「スターリンク」に制限 ウクライナ軍の作戦に影響

ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者が住民を襲撃、取材中の米紙記者も負傷 世界

ヨルダン川西岸でイスラエル人入植者が住民を襲撃、取材中の米紙記者も負傷

ヨルダン川西岸のアブファラで16日、オリーブ収穫中の住民を覆面をしたイスラエル人入植者数十人が襲撃し、取材中の米紙ワシントン・ポストのフォトジャーナリスト、ハイディ・レビン氏を含む少なくとも2人が負傷した。ロイターなどが報じた。 アブファラで発生した入植者による襲撃事件 ヨルダン川西岸のアブファラにおいて16日、オリーブの収穫を行っていたパレスチナ人住民がイスラエル人入植者の集団から襲撃を受けた。ロイターの現場目撃情報によると、約80人の入植者が畑を見下ろす丘から降下し、一部は投石器を使用して住民に石を投げつけた。襲撃のさなか、イスラエル軍のジープが現場一帯を走行し、軍の到着後も暴力行為は継続した。イスラエル兵は逃走する住民に向けて催涙ガスを発射し、現場では実弾の発砲音も確認された。ロイターの写真記者は、武装した入植者が銃を撃つ様子を少なくとも1件目撃している。 写真:Infoseek 負傷したワシントン・ポスト記者と当局の対応 この襲撃により、米紙ワシントン・ポストのフォトジャーナリストであるハイディ・レビン氏が負傷し、病院へ搬送された。ロイターによると、レビン氏は病院での取材に対し、地面に突き倒された上で繰り返し蹴られたと証言。「防弾チョッキとヘルメットを着けていなければ、今ここにいなかったかもしれない」と当時の恐怖を語った。ワシントン・ポストのマット・マレー編集主幹は声明で、レビン氏がジャーナリストであることを示す標章を着用していたと指摘し、当局に徹底的な調査と適切な対応を求めた。 収穫期に多発する入植者による暴力 アブファラでの襲撃に先立つ16日朝には、近隣のトゥルムスアヤ村でも入植者による襲撃が発生した。この際、オリーブを収穫していた農家が襲われ、車両3台が放火されている。イスラエルの入植活動を監視する人権団体「イェシュ・ディン」のデータによれば、ヨルダン川西岸における入植者からパレスチナ人への暴力は急増している。 9月27日のオリーブ収穫開始以降、確認された襲撃件数は少なくとも170件に上る。 イスラエルのネタニヤフ首相は暴力を批判しているものの、取り締まりのための具体的な措置はほとんど講じられていない。 高まる緊張と今後の懸念 オリーブの収穫期に合わせた入植者による襲撃は、占領下のヨルダン川西岸で深刻な安全上の懸念となっている。人権団体が指摘するように暴力件数が高止まりする中、ジャーナリストが標的となる事態も発生しており、現地の緊張は一層高まっている。イスラエル政府による実効的な取り締まり策が講じられない限り、農作業を行う民間人や取材を続ける報道関係者に対する脅威は今後も続くとみられる。

トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延 世界

トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延

月7000ドルの介護費用と高騰する生活負担 パトリシア・デービスさん(76)は7日午後、メリーランド州フレデリックで開かれた高齢者向けイベントを訪れ、介護付き住宅が月7000ドル、訪問介護でも月3000ドルかかる現状にため息をついた。米労働省の8月の消費者物価指数では、「在宅医療・介護」が前年同月比10.6%上昇し、全体の物価上昇率である3.4%を大きく上回っている。認知症の夫を抱えるクリス・キャノンさん(77)は医療保険料が月200〜300ドル値上がりしたと明かし、負担が生活を直接的に圧迫していると訴えた。介護費用の高騰には複数の要因が絡み合っているが、その中核にあるのが深刻な人手不足である。 一時保護資格の打ち切りによる介護現場の混乱 米国では2024年、介護補助職の約3割を移民が占めていた。全米高齢者住宅・ケア投資センターによれば、介護付き住宅の運営費の5割以上を人件費が占めるため、人手不足に伴う賃金上昇がサービス価格を押し上げている。ニューヨーク州の非営利団体「ジャウォニオ」は7月、トランプ政権がハイチ人への「一時保護資格(TPS)」の適用を打ち切ったため、介護職員の7%にあたるハイチ人22人の解雇を迫られた。政治団体「FWD.us」の推計では、約33万人のTPS保有者のうち2万人超が介護・看護に従事しており、広報責任者のダイアナ・ヘス氏は政権側に対して労働力の現実を直視するよう強く求めている。 大規模な取り締まりが引き起こした牛肉出荷の遅延 移民政策の影響は米国民の食卓に直結する牛肉産業にも及び、カンザス州南西部では9月下旬、移民・関税執行局(ICE)が大規模な取り締まりを実施して100人以上を逮捕した。労働者が出勤を控えた結果、カンザス、オクラホマ、テキサスの3州で数千頭の牛の出荷が遅れる事態となった。オクラホマ州境の街リベラルのジャネット・バスケス副市長は、街の工場が移民に支えられてきたと指摘する。3州の畜産関係団体は出荷遅延で数百万ドル規模の損失が生じたと発表し、牛肉価格の高騰に対する懸念を表明した。なお、これら3州はいずれも2024年の大統領選でトランプ氏が勝利した地域である。 建設現場から労働者が消えたテキサス州の現実 読売新聞の報道によると、メキシコ国境に位置する米テキサス州ハーリンゲンでは、昨年夏頃から建設現場で作業員が突然姿を消す異変が起きている。建設会社を営むロニー・カバゾスさんは、ICEの拘束や摘発への恐れから10人以上が現場を去り、かつて10〜15人いた作業員が3〜4人に減少したと語る。米国では滞在資格を持たない不法移民が約1500万人と推計され、過酷な重労働が敬遠される建設業界は彼らの労働力に依存してきた。人員不足により住宅建設の工期は数か月遅れ、地元建設業協会は作業員確保に向けた法整備を連邦議会に要望している。 強まる恐怖心と低下するヒスパニック系からの支持 カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のヒロシ・モトムラ教授は、合法的な移民に対してもICEの強硬な執行が及び始め、政権が地域社会に恐怖心を植え付けて米国を去るよう仕向けていると指摘する。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で造園業を営むマイク・ガルシアさんは、従業員の離職と人手不足によって受注が減少し、経営が傾いていると苦境を明かした。ピュー・リサーチ・センターの調査では、前回の大統領選でトランプ氏に投票したヒスパニックの支持率は下降線をたどり、57%に落ち込んでいる。 写真:読売新聞 中間選挙を見据えた今後の政治的影響 トランプ大統領の看板政策である不法移民の強制送還や厳格な摘発は、与党・共和党にとって、11月3日投開票の米中間選挙に向けた大きな逆風となっている。生活インフラを支えてきた労働者の減少は社会の機能不全を招きかねず、支持層であったヒスパニックの間でも反発が広がっている。連邦議会や地方自治体レベルでの法整備や対応を求める声が強まる中、政権側が労働市場の現実を踏まえて政策をどのように調整するのかが最大の焦点となる。 写真:Yahoo!ニュース トランプ政権 外国人17.5万人超のビザ取り消し 「国民の安全を脅かす」暴力行為や飲酒運転など理由に|TBS NEWS DIG #shorts

米国の飲酒人口が54%で過去最低に、ギャラップ調査で判明した健康リスクへの懸念とライフスタイルの変化 世界

米国の飲酒人口が54%で過去最低に、ギャラップ調査で判明した健康リスクへの懸念とライフスタイルの変化

米国の成人における飲酒人口が54%となり、1939年の調査開始以来の最低値を記録した。世論調査会社ギャラップが発表した最新データによると、健康リスクへの懸念やライフスタイルの変化が背景にあり、かつての「酒は百薬の長」という認識が揺らいでいることが浮き彫りとなった。 飲酒人口は過去最低の54%へ 米国の世論調査会社「ギャラップ」が8月20日に公表した調査結果によると、普段からアルコールを摂取すると回答した18歳以上の成人は全体の54%にとどまりました。これは1939年の調査開始以来、最も低い水準です。2020年に60%を割り込んで以降、2024年には58%、そして直近の調査では54%と、飲酒人口の減少傾向が鮮明になっています。飲酒率が70%を超えていた1975年のピーク時と比較すると、米国社会におけるアルコールとの距離感は大きく変化しました。 「酒は百薬の長」という神話の崩壊 飲酒人口減少の背景には、健康に対する認識の歴史的なシフトがあります。かつて米国では「ワインをグラス1~2杯程度飲むことは健康に良い」という通念が広く信じられてきました。しかし、ギャラップ社の調査では、米国人の過半数(51~53%)が「たとえ少量でも健康を害する」と回答しています。これは2001年調査時の27%から倍増した数字です。Wedge ONLINEによると、回答者の86%が、飲酒ががんや心臓病、精神不安のリスクを高めるという最新の医学研究をニュースで知ったことを理由に挙げています。 写真:Wedge ONLINE 医学界が示す飲酒のリスク 近年、適度な飲酒が健康にプラスであるとする従来の考え方を覆す報告が相次いでいます。WHO(世界保健機関)は2023年の報告書で、「いかなる量のアルコールであっても健康上、安全ではない」と指摘しました。主な根拠は以下の通りです。 アルコールは、アスベストやたばこと同様に「グループ1」の発がん性物質に分類される。 アルコールに起因するがん患者の半数が、週1.5リットル以下の少量飲酒者である。 大腸がんや乳がんなど、7タイプのがんの原因となる。 さらに、米国でも公衆衛生の最高責任者であるSurgeon General(公衆衛生長官)が2025年1月に飲酒とがん発症の相関関係について通達を出しました。連邦保健福祉省所轄のCDC(疫病予防管理センター)も、酒量を減らすことが健康に寄与するとの見解を示しています。 アルコール依存症患者の減少と治療薬の影響 連邦政府の追跡調査においても、12歳以上の「アルコール依存症患者」の割合が2021年の10.6%から2025年には8.9%へ減少していることが確認されています。この現象については、一部で肥満症治療薬「セマグルチド」の服用との関連が議論されています。ただし、常用者は成人の8人に1人に限られるため、医学界全体でその影響を断定する見解には至っていません。また、国際的な互助組織「Alcoholics Anonymous(AA)」においても、会員数は2021年段階で196万人まで減少しており、特に若年層の参加者が減っている点が指摘されています。 健康志向が変える米国の飲酒文化 かつて金曜のランチタイムに同僚と酒を酌み交わす「TGIF!」の文化が象徴していた米国の飲酒習慣は、今や大きな転換点を迎えています。かつてはヘミングウェーやエドワード・ケネディ元上院議員ら著名人も苦しんだアルコール依存症の問題が、社会全体の健康意識の高まりによって公衆衛生上の最優先課題として再定義されました。今後、飲酒人口の減少がどの程度の水準で落ち着くのか、またこの健康志向が米国のライフスタイルにどのような長期的な影響を及ぼすのかについては、引き続き注視が必要です。

ルーマニア沖の黒海でケミカルタンカーがドローン攻撃を受け炎上、乗組員7人が行方不明 世界

ルーマニア沖の黒海でケミカルタンカーがドローン攻撃を受け炎上、乗組員7人が行方不明

ルーマニア沖の黒海で15日朝、サンマリノ船籍のケミカルタンカー「ワイン・トレーダー」がドローンの攻撃を受け炎上し、乗組員12人のうち7人が行方不明となっており、ルーマニア当局が救助活動を続けている。. ワイン・トレーダー号で爆発と火災が発生 15日午前7時ごろ、ルーマニア・スリナのドナウ川河口から東へ13カイリの海上で、サンマリノ船籍のケミカルタンカー「ワイン・トレーダー」がドローンの攻撃を受けた。船内では複数回の爆発と火災が報告され、当時貨物は積んでいなかった。ルーマニア当局はヘリコプター「ブラック・ホーク」2機と救助艇2隻を投入し、乗組員12人のうち生存が確認された4人の救助を最優先に進めており、現場周辺では非常に高い波が報告されている。. 相次ぐ商船へのドローン攻撃とロシアの関与 黒海西岸では商船を狙ったドローン攻撃が相次いでおり、ルーマニアのニクショル・ダン大統領は「ワイン・トレーダー」に加え、14日には同じ海域でコモロ船籍の化学製品タンカー「ヤラJ」もドローン攻撃を受け火災が発生したが、乗組員は全員無事だったと明らかにした。また、13日にはブルガリア沖で商船2隻が攻撃を受け、うち1隻が沈没し乗組員11人が行方不明となっており、ブルガリア当局はロシアの関与が疑われるとしてロシア大使を呼び出した。. 写真:CNN.co.jp NATO加盟国の対応と地域安全保障の危機 相次ぐ民間船舶への攻撃を受け、ルーマニアとブルガリアの首脳は北大西洋条約機構(NATO)条約第4条の発動を視野に入れた協議を予定している。同条は加盟国が領土保全や独立を脅かされた際に協議を行うものだ。Yahoo!ニュースによると、NATOのマルク・ルッテ事務総長は、ルーマニアおよびブルガリアの首脳と会談し、商船に対する攻撃について協議したことをXで明かした。ルッテ事務総長は、NATOが東部戦線沿いの態勢を強化しており、対ドローン能力の向上を含めて対応を調整していく方針を示している。 ウクライナ輸出ルートへの深刻な影響 黒海での民間船舶への攻撃は、世界有数の穀物輸出国であるウクライナの物流にも影を落としている。欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は13日、黒海がウクライナ侵攻による新たな戦線となりつつあり、「容認できない」と強い懸念を表明した。ロシア側は、ウクライナの港に向かう船舶を軍事貨物の運搬船とみなして標的にしていると主張している。一方、ウクライナや欧州各国は穀物や民間貨物を積んだ商船が攻撃されていると反論しており、双方の主張は平行線をたどっている。 黒海における緊張の長期化と今後の見通し 黒海海域では、ロシアがウクライナのソチ港周辺の商船を攻撃したとの主張がある一方、ウクライナ側は民間船への攻撃を非難するなど、緊張状態が続いている。トルコは両国に対し攻撃の停止を求めているが、ロシアは黒海での海上停戦を求める欧米の呼びかけを拒否し続けている。今後、ルーマニアとブルガリアを中心に、NATOが船舶の安全確保に向けた追加装備や監視体制の強化をどのように進めるかが焦点となる。商船の安全が脅かされる状況下で、食料安全保障への影響を含めた国際的な対応が急がれている。

ゼレンスキー氏、米国の情報共有停止と圧力に反発 ロシア製油所への攻撃再開へ 世界

ゼレンスキー氏、米国の情報共有停止と圧力に反発 ロシア製油所への攻撃再開へ

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アメリカがウクライナに圧力をかけて攻撃停止を迫るため、同国との情報共有を停止したと非難した。ロシアが国内の石油精製所を攻撃されたと主張する中、欧州首脳会議でのNATO事務総長との会談や各国の支援姿勢を巡り、緊密な外交と軍事支援の行方が問われている。 ロシア国防省が発表した製油所攻撃の真偽と米国の情報共有停止 ロシアは15日、ウクライナが国内の石油精製所を攻撃したと非難した。これに先立ち、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、アメリカの要請で停止されていた攻撃を再開すると発言していた。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナが14日に製油所を攻撃しようとしたものの大きな被害はなかったと述べているが、ウクライナ側は製油所攻撃を否定している。ゼレンスキー大統領は英紙フィナンシャル・タイムズの取材に対し、ロシアがエネルギーインフラへの攻撃を続ける中で自国は3日間攻撃を制限したが、その制限は終わったと語った。さらに同氏は、アメリカがウクライナに攻撃停止を迫るため情報共有を撤回したと非難している。一方でトランプ大統領は、情報共有を停止したとの疑いを否定している。 衛星通信サービス「スターリンク」の一部機能制限と再開の動向 ウクライナ国防省筋は、同国軍が使う衛星通信サービス「スターリンク」の一部機能が再開したとBBCに明らかにした。軍用サービス「スターシールド」の機能のうち、「移動中の接続維持」が復旧したという。ただし、ウクライナ軍のドローンが接続を維持しながら飛行できる速度について、速度制限が完全に解除されたかは依然として不明である。関係者によると、当局はこれらの制限措置の背景にある理由と状況の解明に引き続き取り組んでいる。スターリンクの通信が13日夜にいきなり制限されたことについて、スペースXを所有する米実業家イーロン・マスク氏は技術的な不具合説を否定し、トランプ政権が関与していると示唆した。ゼレンスキー氏は技術的な問題ではなく意志の問題だったと述べている。 ルーマニア沖での化学品タンカー攻撃とウクライナ各地の被害 ウクライナの海軍当局は、ルーマニア沖で化学品タンカーがドローン攻撃を受けて炎上し、7人が行方不明となったと発表した。これとは別にロシアは、ウクライナ南西部オデーサ港に向かっていた軍事貨物船2隻を攻撃したと発表したが、船名は明らかにしていない。ロシア大統領府は15日未明、モスクワ南部の製油所に大規模な攻撃を試みたと発表し、ロシア国防省によればミサイル4発と数十機のドローンを迎撃したという。落下した破片がリャザンの現場で火災を引き起こした。ウクライナ各地の当局報告によると、14日にはウクライナ全土で少なくとも13人が殺害され、キロヴォフラード州中部では約360機のドローンが飛来するなど、全面侵攻開始以来最大規模の攻撃を受けた。 欧州首脳による支援姿勢とゼレンスキー氏の外交対応 イタリアのグイド・クロゼット国防相はBBCに対し、アメリカがウクライナとの情報共有を制限することは全くの間違いだと述べた。情報共有は根本的な支援形態であり、それを制限すればどの国も自衛の可能性がなくなると指摘している。ゼレンスキー氏は15日、ブリュッセルで始まった欧州首脳会議で北大西洋条約機構のマルク・ルッテ事務総長と会談した。両者はエネルギー停戦実施の重要性とNATO加盟国による継続的な支援について話し合ったとルッテ事務総長は述べている。またゼレンスキー氏は14日、ロンドンの首相官邸でアンディ・バーナム英首相と会談し、イギリス側は兵器供与を加速させると発表した。 【ゼレンスキー氏】トランプ氏との会談前に…欧州首脳らと協議 防空システムと今後の資源を巡る国際的なかけひき ゼレンスキー氏はフィナンシャル・タイムズのインタビューで、アメリカが防空システム「パトリオット」をさらに提供するなら、ロシアの石油インフラへの攻撃を停止すると述べた。ウクライナは、こうした攻撃がロシアの戦争機構への収入源を断つために不可欠であると主張している。トランプ氏が11月3日の中間選挙を前に国内の燃料価格を引き下げようとする中で、ゼレンスキー氏は次のかけひきはガスが対象になるだろうとの見方を示した。ロシアがウクライナ攻撃を続ける中でアメリカからの支援が途絶えたことは偶然ではないと指摘し、ロシアが制裁緩和を利用して圧力をかけようと攻撃をわざと激化させたとの認識を示している。 【ゼレンスキー氏来日】警備「情報共有して準備進めていた」 警察庁 #shorts