GMOインターネットは24日、FX取引などに使うクラウドサービスが受けた不正アクセスの問題について、原因となった不正取引による損害を補償する方針を発表した。利用者全員に一律5000円の見舞金を支給するほか、政府に対して能動的サイバー防御の適用を緊急要請したことが、yomiuri.co.jpの報道で分かった。
デスクトップクラウドへの不正アクセスと被害の全容
問題が発生したのは、GMOインターネットが提供する「お名前ドットコム デスクトップクラウド」である。このサービスはFXなどの高速売買の処理に使われる仮想サーバーの貸し出しを行っており、利用者は2万人以上に上る規模となっている。
今回の不正アクセスにより、国内外の70超の証券会社やFX会社などに開設された利用者の取引口座に対する不正操作が行われている可能性があると報じられている。すでに利用者からは、不正アクセスによって数百万円の損害を受けたという声が寄せられている実態が明らかになっている。
同社の発表によると、補償の対象となるのは不正アクセスによる不正取引で生じた損失や手数料であり、間接的な損害などは含まれないとしている。具体的な申請方法や必要書類などは、利用者に対して11月6日までにメールなどで案内される予定である。
金銭要求による脅迫と政府への緊急要請の背景
GMOインターネットは、攻撃者とみられる者から金銭の要求を受けていることを明らかにしている。要求に応じない場合、同社と利用者に関する情報を公開するなどと脅迫されているという。
同社は「攻撃者からの要求には応じない」との姿勢を示しており、すでに利用者に対しても金銭を要求する脅迫などに応じないよう強く呼びかけている。警察の捜査などに協力していく方針も示されている。
こうした事態を受け、同社は政府に対して「能動的サイバー防御」の適用を緊急要請した。能動的サイバー防御は、警察や自衛隊が必要に応じて攻撃元のサーバーに侵入し、攻撃を無害化する措置であり、今月1日に能動的サイバー防御関連法が本格施行されたばかりであった。
利用者への見舞金支給と代替サービスの無償提供
今回の不正アクセスを受けた利用者救済策として、同社は一律5000円の見舞金を支払うことを決定した。これに加えて、希望者に対しては代替のクラウドサービスを6か月間無償で提供する措置も講じられる。
利用者に向けた案内や手続きの詳細は、11月6日までに順次メール等で通知される見通しである。被害を受けた口座の確認や、今後の運用に関する具体的な手順については、企業の対応に注目が集まっている。
捜査の行方と今後のセキュリティ対応
GMOインターネットは警察の捜査に全面的に協力する構えを見せており、攻撃者の特定や被害の全容解明に向けた動きが続いている。国内外の多数の証券・FX口座が標的となった今回のインシデントは、仮想サーバーを利用した金融取引における安全性の確保という大きな課題を突きつけている。
今後、被害を受けた利用者の補償手続きが11月6日からの案内を経て本格化するとともに、政府による能動的サイバー防御の適用判断や警察による捜査の進展が、事件解決に向けた重要な焦点となる。