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トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延

月7000ドルの介護費用と高騰する生活負担 パトリシア・デービスさん(76)は7日午後、メリーランド州フレデリックで開かれた高齢者向けイベントを訪れ、介護付き住宅が月7000ドル、訪問介護でも月3000ドルかかる現状にため息をついた。米労働省の8月の消費者物価指数では、「在宅医療・介護」が前年同月比10.6%上昇し、全体の物価上昇率である3.4%を大きく上回っている。認知症の夫を抱えるクリス・キャノンさん(77)は医療保険料が月200〜300ドル値上がりしたと明かし、負担が生活を直接的に圧迫していると訴えた。介護費用の高騰には複数の要因が絡み合っているが、その中核にあるのが深刻な人手不足である。 一時保護資格の打ち切りによる介護現場の混乱 米国では2024年、介護補助職の約3割を移民が占めていた。全米高齢者住宅・ケア投資センターによれば、介護付き住宅の運営費の5割以上を人件費が占めるため、人手不足に伴う賃金上昇がサービス価格を押し上げている。ニューヨーク州の非営利団体「ジャウォニオ」は7月、トランプ政権がハイチ人への「一時保護資格(TPS)」の適用を打ち切ったため、介護職員の7%にあたるハイチ人22人の解雇を迫られた。政治団体「FWD.us」の推計では、約33万人のTPS保有者のうち2万人超が介護・看護に従事しており、広報責任者のダイアナ・ヘス氏は政権側に対して労働力の現実を直視するよう強く求めている。 大規模な取り締まりが引き起こした牛肉出荷の遅延 移民政策の影響は米国民の食卓に直結する牛肉産業にも及び、カンザス州南西部では9月下旬、移民・関税執行局(ICE)が大規模な取り締まりを実施して100人以上を逮捕した。労働者が出勤を控えた結果、カンザス、オクラホマ、テキサスの3州で数千頭の牛の出荷が遅れる事態となった。オクラホマ州境の街リベラルのジャネット・バスケス副市長は、街の工場が移民に支えられてきたと指摘する。3州の畜産関係団体は出荷遅延で数百万ドル規模の損失が生じたと発表し、牛肉価格の高騰に対する懸念を表明した。なお、これら3州はいずれも2024年の大統領選でトランプ氏が勝利した地域である。 建設現場から労働者が消えたテキサス州の現実 読売新聞の報道によると、メキシコ国境に位置する米テキサス州ハーリンゲンでは、昨年夏頃から建設現場で作業員が突然姿を消す異変が起きている。建設会社を営むロニー・カバゾスさんは、ICEの拘束や摘発への恐れから10人以上が現場を去り、かつて10〜15人いた作業員が3〜4人に減少したと語る。米国では滞在資格を持たない不法移民が約1500万人と推計され、過酷な重労働が敬遠される建設業界は彼らの労働力に依存してきた。人員不足により住宅建設の工期は数か月遅れ、地元建設業協会は作業員確保に向けた法整備を連邦議会に要望している。 強まる恐怖心と低下するヒスパニック系からの支持 カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のヒロシ・モトムラ教授は、合法的な移民に対してもICEの強硬な執行が及び始め、政権が地域社会に恐怖心を植え付けて米国を去るよう仕向けていると指摘する。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で造園業を営むマイク・ガルシアさんは、従業員の離職と人手不足によって受注が減少し、経営が傾いていると苦境を明かした。ピュー・リサーチ・センターの調査では、前回の大統領選でトランプ氏に投票したヒスパニックの支持率は下降線をたどり、57%に落ち込んでいる。 写真:読売新聞 中間選挙を見据えた今後の政治的影響 トランプ大統領の看板政策である不法移民の強制送還や厳格な摘発は、与党・共和党にとって、11月3日投開票の米中間選挙に向けた大きな逆風となっている。生活インフラを支えてきた労働者の減少は社会の機能不全を招きかねず、支持層であったヒスパニックの間でも反発が広がっている。連邦議会や地方自治体レベルでの法整備や対応を求める声が強まる中、政権側が労働市場の現実を踏まえて政策をどのように調整するのかが最大の焦点となる。 写真:Yahoo!ニュース トランプ政権 外国人17.5万人超のビザ取り消し 「国民の安全を脅かす」暴力行為や飲酒運転など理由に|TBS NEWS DIG #shorts

トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延

月7000ドルの介護費用と高騰する生活負担

パトリシア・デービスさん(76)は7日午後、メリーランド州フレデリックで開かれた高齢者向けイベントを訪れ、介護付き住宅が月7000ドル、訪問介護でも月3000ドルかかる現状にため息をついた。米労働省の8月の消費者物価指数では、「在宅医療・介護」が前年同月比10.6%上昇し、全体の物価上昇率である3.4%を大きく上回っている。認知症の夫を抱えるクリス・キャノンさん(77)は医療保険料が月200〜300ドル値上がりしたと明かし、負担が生活を直接的に圧迫していると訴えた。介護費用の高騰には複数の要因が絡み合っているが、その中核にあるのが深刻な人手不足である。

一時保護資格の打ち切りによる介護現場の混乱

米国では2024年、介護補助職の約3割を移民が占めていた。全米高齢者住宅・ケア投資センターによれば、介護付き住宅の運営費の5割以上を人件費が占めるため、人手不足に伴う賃金上昇がサービス価格を押し上げている。ニューヨーク州の非営利団体「ジャウォニオ」は7月、トランプ政権がハイチ人への「一時保護資格(TPS)」の適用を打ち切ったため、介護職員の7%にあたるハイチ人22人の解雇を迫られた。政治団体「FWD.us」の推計では、約33万人のTPS保有者のうち2万人超が介護・看護に従事しており、広報責任者のダイアナ・ヘス氏は政権側に対して労働力の現実を直視するよう強く求めている。

大規模な取り締まりが引き起こした牛肉出荷の遅延

移民政策の影響は米国民の食卓に直結する牛肉産業にも及び、カンザス州南西部では9月下旬、移民・関税執行局(ICE)が大規模な取り締まりを実施して100人以上を逮捕した。労働者が出勤を控えた結果、カンザス、オクラホマ、テキサスの3州で数千頭の牛の出荷が遅れる事態となった。オクラホマ州境の街リベラルのジャネット・バスケス副市長は、街の工場が移民に支えられてきたと指摘する。3州の畜産関係団体は出荷遅延で数百万ドル規模の損失が生じたと発表し、牛肉価格の高騰に対する懸念を表明した。なお、これら3州はいずれも2024年の大統領選でトランプ氏が勝利した地域である。

建設現場から労働者が消えたテキサス州の現実

読売新聞の報道によると、メキシコ国境に位置する米テキサス州ハーリンゲンでは、昨年夏頃から建設現場で作業員が突然姿を消す異変が起きている。建設会社を営むロニー・カバゾスさんは、ICEの拘束や摘発への恐れから10人以上が現場を去り、かつて10〜15人いた作業員が3〜4人に減少したと語る。米国では滞在資格を持たない不法移民が約1500万人と推計され、過酷な重労働が敬遠される建設業界は彼らの労働力に依存してきた。人員不足により住宅建設の工期は数か月遅れ、地元建設業協会は作業員確保に向けた法整備を連邦議会に要望している。

強まる恐怖心と低下するヒスパニック系からの支持

カリフォルニア大ロサンゼルス校(UCLA)のヒロシ・モトムラ教授は、合法的な移民に対してもICEの強硬な執行が及び始め、政権が地域社会に恐怖心を植え付けて米国を去るよう仕向けていると指摘する。カリフォルニア州ロサンゼルス近郊で造園業を営むマイク・ガルシアさんは、従業員の離職と人手不足によって受注が減少し、経営が傾いていると苦境を明かした。ピュー・リサーチ・センターの調査では、前回の大統領選でトランプ氏に投票したヒスパニックの支持率は下降線をたどり、57%に落ち込んでいる。

トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延
写真:読売新聞

中間選挙を見据えた今後の政治的影響

トランプ大統領の看板政策である不法移民の強制送還や厳格な摘発は、与党・共和党にとって、11月3日投開票の米中間選挙に向けた大きな逆風となっている。生活インフラを支えてきた労働者の減少は社会の機能不全を招きかねず、支持層であったヒスパニックの間でも反発が広がっている。連邦議会や地方自治体レベルでの法整備や対応を求める声が強まる中、政権側が労働市場の現実を踏まえて政策をどのように調整するのかが最大の焦点となる。

トランプ政権の移民政策が招く人手不足と介護費高騰、牛肉出荷遅延
写真:Yahoo!ニュース
トランプ政権 外国人17.5万人超のビザ取り消し 「国民の安全を脅かす」暴力行為や飲酒運転など理由に|TBS NEWS DIG #shorts
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