日本語版
最新ニュース
世界

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道

米トランプ政権が、イランとの軍事的な膠着状態を打破するため、通常兵器で最大の破壊力を持つ「MOAB(大規模爆風爆弾)」の使用を検討していることが明らかになりました。CNNが15日報じたもので、政権は核施設への攻撃選択肢の一つとして想定していますが、軍事専門家からはその有効性を疑問視する声も上がっています。 「全爆弾の母」が浮上した背景 CNNが独自に入手した情報によると、トランプ政権はイランに対する軍事作戦の選択肢として、通称「全爆弾の母」と呼ばれるMOABの使用を検討しています。2003年に開発されたこの爆弾は、核兵器を除けば米軍が保有する中で最大の爆発力を持つ通常兵器です。重さは約10トンに及び、戦闘機ではなく輸送機を用いて投下されます。過去の実戦使用は、2017年の第1次トランプ政権下でアフガニスタンの過激派組織「イスラム国」の地下トンネルに対して行われた1回のみとされています。 軍事専門家が指摘する「貫通能力」の限界 MOABの使用検討に対し、兵器の特性からは懐疑的な見方も示されています。明海大学の小谷哲男教授は、テレビ朝日の取材に対し、MOABは「核兵器と同じくらいの破壊力を持っているが、放射線は出ない」と解説しました。一方で、AFPBB Newsは、計画に詳しい情報筋の話として「MOABは地下深くまで貫通するように設計されておらず、地下深くにある施設を破壊する能力はない」と指摘しています。イランの核施設とされるピックアックス山への攻撃計画にこの兵器が盛り込まれているとの報道もありますが、その実効性には疑問符がついています。 写真:Yahoo!ニュース 情報戦としての「リーク」という側面 今回のMOAB使用検討の報じられ方について、専門家は軍事的な攻撃そのものよりも、イランへの心理的圧力を意図した情報戦の側面を強く指摘しています。小谷教授は「MOABの使用を検討しているという情報をあえて流すことで、ホルムズ海峡での船舶攻撃を繰り返すイランを牽制する狙いがあるのではないか」と分析しました。またAFPBB Newsも、情報筋のコメントとして「MOABは巨大な爆発による心理的効果を狙う情報作戦向けの兵器だ」と報じており、イラン側への警告としての役割が強調されています。 「やり過ぎた」発言に見えるトランプ氏の誤算 イラン情勢を巡っては、トランプ大統領自身の発言から、当初の軍事作戦に誤算があった可能性も浮上しています。毎日新聞によると、トランプ氏は10月14日にアリゾナ州で行った集会で、2月に開始した対イラン軍事作戦について「私はやり過ぎたのかもしれない。誰と交渉すればいいのか分からないのだ」と発言しました。かつては最高指導者アリ・ハメネイ師ら要人を殺害し、体制転換を視野に入れていたものの、結果としてイランの体制は維持され、むしろ強硬派の革命防衛隊が力を強める事態となっています。 写真:AFPBB News 中間選挙を控えた膠着状態の行方 イランによるホルムズ海峡の封鎖や、それに伴うガソリン価格の高騰は、11月3日の投開票を控えた中間選挙において、共和党への逆風となっています。AFPBB Newsは、世論調査の結果を引用し、対イラン戦争の長期化がトランプ政権の支持率低下を招いていると分析しました。トランプ氏は現状、選挙前の攻撃再開には否定的な姿勢を示していますが、出口戦略は依然として不透明です。大規模な兵器使用が民間人の犠牲を招く懸念も指摘される中、トランプ政権は選挙を前に、軍事的な圧力と外交的な打開の狭間で難しい舵取りを迫られています。

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道

米トランプ政権が、イランとの軍事的な膠着状態を打破するため、通常兵器で最大の破壊力を持つ「MOAB(大規模爆風爆弾)」の使用を検討していることが明らかになりました。CNNが15日報じたもので、政権は核施設への攻撃選択肢の一つとして想定していますが、軍事専門家からはその有効性を疑問視する声も上がっています。

「全爆弾の母」が浮上した背景

CNNが独自に入手した情報によると、トランプ政権はイランに対する軍事作戦の選択肢として、通称「全爆弾の母」と呼ばれるMOABの使用を検討しています。2003年に開発されたこの爆弾は、核兵器を除けば米軍が保有する中で最大の爆発力を持つ通常兵器です。重さは約10トンに及び、戦闘機ではなく輸送機を用いて投下されます。過去の実戦使用は、2017年の第1次トランプ政権下でアフガニスタンの過激派組織「イスラム国」の地下トンネルに対して行われた1回のみとされています。

軍事専門家が指摘する「貫通能力」の限界

MOABの使用検討に対し、兵器の特性からは懐疑的な見方も示されています。明海大学の小谷哲男教授は、テレビ朝日の取材に対し、MOABは「核兵器と同じくらいの破壊力を持っているが、放射線は出ない」と解説しました。一方で、AFPBB Newsは、計画に詳しい情報筋の話として「MOABは地下深くまで貫通するように設計されておらず、地下深くにある施設を破壊する能力はない」と指摘しています。イランの核施設とされるピックアックス山への攻撃計画にこの兵器が盛り込まれているとの報道もありますが、その実効性には疑問符がついています。

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道
写真:Yahoo!ニュース

情報戦としての「リーク」という側面

今回のMOAB使用検討の報じられ方について、専門家は軍事的な攻撃そのものよりも、イランへの心理的圧力を意図した情報戦の側面を強く指摘しています。小谷教授は「MOABの使用を検討しているという情報をあえて流すことで、ホルムズ海峡での船舶攻撃を繰り返すイランを牽制する狙いがあるのではないか」と分析しました。またAFPBB Newsも、情報筋のコメントとして「MOABは巨大な爆発による心理的効果を狙う情報作戦向けの兵器だ」と報じており、イラン側への警告としての役割が強調されています。

「やり過ぎた」発言に見えるトランプ氏の誤算

イラン情勢を巡っては、トランプ大統領自身の発言から、当初の軍事作戦に誤算があった可能性も浮上しています。毎日新聞によると、トランプ氏は10月14日にアリゾナ州で行った集会で、2月に開始した対イラン軍事作戦について「私はやり過ぎたのかもしれない。誰と交渉すればいいのか分からないのだ」と発言しました。かつては最高指導者アリ・ハメネイ師ら要人を殺害し、体制転換を視野に入れていたものの、結果としてイランの体制は維持され、むしろ強硬派の革命防衛隊が力を強める事態となっています。

米トランプ政権がイランの核施設攻撃で「MOAB」使用を検討とCNN報道
写真:AFPBB News

中間選挙を控えた膠着状態の行方

イランによるホルムズ海峡の封鎖や、それに伴うガソリン価格の高騰は、11月3日の投開票を控えた中間選挙において、共和党への逆風となっています。AFPBB Newsは、世論調査の結果を引用し、対イラン戦争の長期化がトランプ政権の支持率低下を招いていると分析しました。トランプ氏は現状、選挙前の攻撃再開には否定的な姿勢を示していますが、出口戦略は依然として不透明です。大規模な兵器使用が民間人の犠牲を招く懸念も指摘される中、トランプ政権は選挙を前に、軍事的な圧力と外交的な打開の狭間で難しい舵取りを迫られています。

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。