世界
米国のトランプ大統領は2025年2月27日、米国の交渉担当者が今週イランとの協議を継続する見通しだと明らかにした。米主要ニュースサイトのアクシオスのインタビューに答えたもので、早ければ28日にも仲介国・カタールを通じた協議が行われる見込みである。しかし、米イラン間の主張の隔たりは大きく、交渉が進展するかどうかは不透明な情勢となっている。 カタールを通じた米イラン間協議の行方 報道によると、仲介国であるカタールの関係者が、米国のスティーブン・ウィトコフ中東担当特使と、イランのアッバス・アラグチ外相と個別に会談する見通しとなっている。米イランの直接的な対話ではなく、カタールを挟んだ間接的な調整が進められる形だ。トランプ氏はアクシオスのインタビューに対し、イラン側について「合意をしたがっているが、私が望む合意ではない」と述べた。さらに、イランは過去の交渉において「強気に出過ぎた」と強い不満を示している。 トランプ大統領が示したホルムズ海峡開放の拒否 トランプ氏は26日、米国の海上封鎖解除などを条件にホルムズ海峡を7日以内に開放するとしたイラン側の提案を拒否する方針を鮮明にしていた。イラン側が提示した条件付きの海峡開放案を米国が即座に退けたことで、両国の溝はさらに深まっている。トランプ氏は攻撃再開についても「常に考えている」と発言し、軍事行動の可能性をちらつかせることでイラン側を強くけん制した。強硬姿勢を崩さない米国の態度が、今後の交渉にどのような影響を与えるのか注目される。 外交交渉に応じる構えを見せるイランの外相 こうした米国の動きに対し、イランのアラグチ外相は27日に米NBCニュースのインタビューに応じた。その中で同氏は、「我々は外交交渉に応じる用意がある。最終的な選択はトランプ氏次第だ」と述べ、米国側にボールを投げ出す姿勢を示している。イランとしては外交的な解決の余地を残しつつも、実際の合意条件を巡っては米国との激しい駆け引きが続いている状況だ。 ホルムズ海峡で米軍の無人潜水機を捕獲 外交交渉の模索が続く一方で、現地では軍事的な緊張を高める重大な事件も発生している。イランの精鋭軍事組織である革命防衛隊は27日、ホルムズ海峡で米軍の自律型無人潜水機を捕獲したとする声明を発表し、その映像を公表した。今月8日にも無人潜水艇を捕獲したと発表したばかりであり、米イラン間の軍事的摩擦が再び表面化した形だ。革命防衛隊は、イランの専門家がこの潜水機のデータを解析し、海峡での米軍の偵察行動などを突き止める方針だと主張している。 捕獲された米軍偵察用潜水機リーマス600の現状 革命防衛隊の発表によれば、今回捕獲されたのは水深600メートルでの潜水航行が可能な偵察用の自律型無人潜水機「リーマス600」である。ホルムズ海峡の戦略的要衝において、米軍の無人兵器がイラン側に拿捕・回収される事態は、両国の海上における安全保障上の大きな火種となっている。米軍側は、イラン時間の28日未明の時点では公式な反応を示しておらず、今後の対応が注視されている。 協議継続と軍事緊張が交錯する今後の見通し 米イラン両国はカタールを通じた協議継続の道を探っているものの、ホルムズ海峡を巡る軍事的な衝突や無人潜水機の捕獲劇が水面下の外交に影を落としている。トランプ氏が軍事行動の可能性を言及し続ける中、早ければ28日にも予定されるカタール仲介の個別会談が実質的な成果を生むのか、あるいはさらなる緊張激化へと向かうのか、予断を許さない状況が続いている。
2026年9月28日
世界
ウクライナ国防省は2026年9月25日、F-16戦闘機がジェット推進型の自爆ドローンを撃墜した瞬間の画像を公開した。ロシア軍が導入した新型機は従来のプロペラ機を上回る速度で飛行しており、首都周辺の防空任務における新たな脅威となっている。 ロシア軍が実戦投入したジェット推進型自爆ドローンの性能とは ロシア軍はこれまで、イラン製のシャヘド136や、ロシア国内で生産されたゲラン2など、プロペラ推進の自律飛行型自爆ドローンを長距離攻撃に使用してきた。しかし、2026年に入ってからはゲラン4やゲラン5といったジェット推進式の機体を生産し、実戦に投入している。特にもともとジェット推進型として設計されたゲラン5は8月頃から本格的に使用され始めており、インフラ破壊において大きな脅威となっている。この機体は最大950kmの航続距離を持ち、巡航速度は450から600km/hに達するとされている。 F-16戦闘機と迎撃兵器を巡る課題 ジェット推進型ドローンの速度は、従来のプロペラ推進型用の迎撃ドローンでは迎撃がかなり困難な水準である。そのため、もともと首都周辺の防空任務でシャヘドの撃墜などに使用されていたウクライナ軍のF-16などが、迎撃に活用されている。しかし、自爆ドローンに対してF-16が搭載する空対空ミサイルのAIM-9サイドワインダーを使用して撃墜するのは、費用対効果が非常に悪いと考えられている。このため、もともとは対地攻撃用だった無誘導ロケット弾ハイドラ70をレーザー誘導化した精密誘導兵器であるAPKWSが無人機の迎撃任務などにも使用されてきた。ただし、今回の標的はジェット推進型であるため、APKWSが有効であるかについては現状で公式な発表はない。 新型迎撃ドローンの開発と対策の現状 ジェット推進型の自爆ドローンに対抗するため、新たにジェット推進型の迎撃ドローンなどの生産と配備も進められている。新型の迎撃手段は2026年9月19日に初めて撃墜を記録した。しかし、まだ数が揃っていないのが実情である。急速に近代化が進むロシア軍の無人機攻勢に対し、ウクライナ側におけるジェット推進型ドローンへの対策は、現状では後手に回っているとされている。 実戦空間における防空のゆくえ ウクライナ空軍が運用するF-16による今回の迎撃成功は、高速化する無人機脅威に対する現場の対応を示す貴重な事例となった。一方で、費用対効果の高い迎撃手段の確立や、不足するジェット推進型迎撃ドローンの量産化は急務である。今後、戦場における防空体制がどのように適応していくのかが注目される。
2026年9月28日
世界
世界最速の有人ジェット機として知られる偵察機SR-71「ブラックバード」が再び飛行するのではないかという憶測が、海外の航空メディアやインターネット上で広がっている。最後の飛行から時間が経過した今、NASAの公式プレゼンテーションと機体の移動という二つの事実が重なり、航空ファンの間で様々な議論を呼んでいる。 NASA長官のプレゼンに現れた黒い機体の影 憶測の発端となったのは、2026年9月にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたビジネス・テクノロジー系カンファレンス「オールイン・サミット」である。NASAのジャレッド・アイザックマン長官が登壇し、同局の航空分野における取り組みについて説明を行った。アイザックマン長官はXプレーンの機隊を再構築していると述べ、新技術の検証を進める姿勢を強調した。そのプレゼンテーションの最中、スクリーンに投影された黒い航空機のイメージ画像がSR-71を思わせるものだったことから、会場やネット上で注目を集めた。 講演後の曖昧な受け答えと高まる期待感 講演の終了後、参加者から表示された機体について質問を受けたアイザックマン長官は、「本当にあれがブラックバードだと思う?」と逆に問い返す形で応じた。長官自身が「戦闘機を買って飛ばす人」という背景を持つこともあり、この含みを持たせた発言がさらなる憶測を呼ぶ要因となった。結局、画像の機体が実際に何であるのかは明らかにされず、その正体は謎に包まれたままとなっている。 アームストロング飛行研究センターから消えた実機 長官の講演と並行して、もう一つの重要な事実が航空専門メディアによって報じられた。アメリカの「Aviation Week」の記事によると、NASAアームストロング飛行研究センターで保存されていたSR-71が、従来の展示場所から姿を消しているという。この機体はSR-71の中で最後に製造されたものであり、1999年10月9日に最後の飛行を行った記念すべき機体である。関係者の話として、2026年初めに点検作業のため格納庫へ移動した可能性があると伝えられている。 展示場所からの移動とプレゼン画像の合致 少なくとも2026年5月中旬以降、現地ではこの最後のSR-71が通常の展示場所で確認できなくなっている。保存機の移動という物理的な事実と、長官のプレゼンテーションに登場した謎の機体という二つの要素が結びついたことで、「NASAはブラックバードを再び飛ばすつもりではないか」という見方が強まった。長年飛ばなかった伝説の機体が再び大空へ戻る日は来るのか、今後の動向から目が離せない。
2026年9月28日
世界
24日に開催された米国ホワイトハウスの国賓晩餐会において、中国の習近平国家主席や蔡奇中央政治局常務委員、王毅外相らが出席の際に「人民服」をお揃いで着用したことが分かった。香港のサウスチャイナ・モーニング・ポスト紙の報道によると、習主席は主要な外交行事で中山服を度々着用してきたが、同行する高官らが通常は洋式スーツを着用していたという点で異例の対応となった。 ホワイトハウス晩餐会で高官らが一斉に選んだ人民服 米中のコミュニケーションが続けられる重要な公式の場において、中国の政治家たちが団体で人民服を選択したことについては、中国の政治的アイデンティティを対外的に強く浮き彫りにしようとする意図があったという解釈が出ている。人民服は、折り下げられた襟とフラップ付きの4つのポケット、前面の5つのボタンが外見上の大きな特徴となっている。20世紀初頭にこのスタイルを大衆化した孫文の号にちなんで、現地では中山服とも呼ばれている。 歴史的背景を持つマオ・スーツの外交的メッセージ 歴史を振り返ると、毛沢東も1949年10月1日の時点で人民服姿で北京の天安門城楼に上がり、中華人民共和国の成立を宣言した経緯がある。その後、毛沢東が好んで着用したことで、欧米圏ではマオ・スーツという名称でも広く知られるようになった。今回の晩餐会における服装の選択について、中国政治専門家のジョセフ・トリジアン氏はウォール・ストリート・ジャーナル紙の取材に対し、中国が米国の歓待を受けたとしても自国の体制とアイデンティティを変えることはないというメッセージが込められている可能性があると分析している。 1979年の鄧小平の装いとは対照的な演出 今回の服装戦略は、過去の指導者による外交演出とも明確な対比を見せている。ジョセフ・トリジアン氏が指摘したところによると、1979年に米国を訪問した鄧小平がテキサス州でカウボーイハットを被り、欧米社会への歩み寄る姿勢を積極的に演出した場面とは対照的なアプローチとなっている。米国における歓待の形式に迎合するのではなく、独自の伝統衣装をあえて前面に出すことで、国家としての独自性を厳格に保持する姿勢を視覚的に示した形だ。 彭麗媛夫人が貫く伝統的デザインのドレスコード 国家指導者の服装と同様に、習近平主席の配偶者である彭麗媛夫人の装いも国家のアイデンティティを明確に伝える手段として機能している。彭夫人は、中国の伝統的な服飾デザインをドレスに積極的に取り入れてきた。23日に米国へ到着した際に着用したグレーのドレスには、中国式の襟と旗袍を連想させるスリットが施されていた。さらに、24日にメラニア・トランプ夫人と共にスミソニアン国立アジア芸術博物館を訪れた際には、洋風のシルエットをベースにしつつ、中国式の襟と旗袍の雰囲気を加えた濃いネイビーのベルベットドレスをまとって登場した。 ファッションを国家アイデンティティとして活用する手法 彭麗媛夫人のこうした一連の衣装選びについて、VOGUE誌は、同夫人が10年以上にわたり中国式の襟や旗袍、そして中国製のオーダーメイド服を活用してきたと伝えている。ファッションという手段を単なる装飾ではなく、国家のアイデンティティや文化的誇りを示すための重要な外交ツールとして一貫して使用してきた実態が浮き彫りになっている。首脳夫妻によるトータルでの装いの選択は、今回の米国訪問における最大の視覚的メッセージの一つとして記録されることになった。
2026年9月28日
世界
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが25日に報じたところによると、ウクライナの無人機攻撃が拡大する中でロシア企業が自社防衛の責任を負わされており、ロシア大統領府は先月の大統領令で対策を怠る企業の資産を一時的に没収すると警告した。 高まるドローン攻撃とロシア産業界の負担 ウクライナの無人機による攻撃はロシア国内のインフラを標的にして激化している。ポーランドの軍事分析会社ロチャン・コンサルティングのデータによると、3月以降にウクライナの無人機がロシア国内の製油所を約200回攻撃した。ロシア最大手のオンライン小売企業であるオゾンやワイルドベリーズの物流センターを含む、少なくとも36カ所の物流施設も攻撃を受けている。こうした状況下で、ロシア企業は防衛関連企業からの防空システムの借り入れや、独自装備の製作を強いられている。タス通信の報道では、今年上半期にロシア企業が対ドローンシステムの運用に費やした額は前年同期の7倍に跳ね上がり、4億4000万ルーブル(約8億2000万円)に達した。 民間企業に広がる独自の防衛策と警備員の採用 自社を守るための動きは予算の支出だけに留まらず、人員の確保にも及んでいる。ロシアの求人サイトには、企業の施設を巡回して上空を監視し、無人機を発見した際に撃墜できる警備員の募集広告が相次いで掲載されている。さらにロシア政府は今月初め、郵便職員がドローンを撃墜できるよう武器や弾薬の所持を認める大統領令を出した。民間部門を総動員して防衛体制を構築する背景には、広範なインフラ被害を食い止める狙いがある。だが、現場の企業にとっては防衛や復旧に伴う経済的および実務的な負担が重くのしかかっている。 政府による財政支援と税制優遇措置の実施 民間企業へのしわ寄せが深刻化する中、ロシア政府側も対応に乗り出している。ロシア財務省は今月、民間企業がドローン攻撃に対する防衛や攻撃後の復旧に要した費用を補塡できるようにするための税制優遇措置を設けると発表した。また、ロシア中央銀行も、相次ぐ無人機攻撃によって保険金請求が急増している事態に対応するため、主要な再保険会社に対して20億ドル(約3150億円)を投入する方針を明らかにしている。政府によるこれらの資金投入は、防衛費用の増大にあえぐ産業界を支える狙いがあるものの、戦争の長期化に伴う根本的な負担の解消には至っていない。 国連演説で強調された安全保障の維持と継続姿勢 経済的な負担や国内の混乱にもかかわらず、ロシア政府はウクライナでの作戦を継続する姿勢を崩していない。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は26日の国連総会演説で、「ロシアの安全保障に対する脅威を取り除き、平穏な暮らしを取り戻す」と述べ、従来の立場を改めて強調した。同日にはドイツのヨハン・ワーデフール外相とも会談を行っている。両国の外相会談は2022年2月のウクライナ戦争勃発後では初めての実施となった。ドイツの外交当局者がAFP通信に語ったところによると、ワーデフール外相はこの会談で、ロシアがドイツや欧州に対して行っている緊張を高める危険な行動をやめるよう求めたという。 民間防衛の義務化と今後の見通し 政府による資産没収の警告や税制優遇といった措置が、ロシア企業の防衛体制や今後の経済活動にどのような影響を与えるのかは不透明なままである。ウクライナによる無人機攻撃が今後も継続し、インフラや物流施設への圧力がさらに高まれば、民間部門を動員した防衛体制の維持には限界が生じる可能性もある。欧州諸国との外交的な緊張が続く中で、ロシア政府が国内の産業界をどのように統制しつつ戦争を継続していくのか、その動向に国内外の視線が集まっている。 ウクライナ防空に「民間」の力、防衛企業がロシアのドローンを追撃
2026年9月28日
世界
イエメンの フーシ派保健省は、7人が タイズ県の市場にある商店が襲撃され、数人が死亡、40人が負傷した。標的については複数の情報が錯綜しており、国際的に承認されている政府は、自軍が同じ場所にある軍事キャンプを攻撃したと主張している。…
2026年9月28日
世界
タイの首都バンコク一帯で24日から27日にかけて330ミリを超える記録的な集中豪雨が降り、都心の各地で大規模な冠水が発生した。この水害により、これまでに5万2000世帯が被害を受け、4900人が学校や寺院など200カ所以上の避難所に身を寄せている。タイ政府はバンコクやノンタブリー県、サムットプラカーン県などを災害地域に指定し、交通渋滞を緩和するため28日から29日までの2日間、同地域の本庁勤務などの公務員に特別休暇を命じた。生活必需品の買い占めも起き、首相府が自制を求めている。 バンコク一帯の豪雨禍で5万2000世帯が被災 タイ政府の発表によると、24日から27日にかけてバンコク一帯を襲った330ミリを超える豪雨は、市内全域に深刻な浸水被害をもたらした。住宅地や道路網が水に浸かり、これまでに確認された被災世帯数は5万2000世帯にのぼる。家屋からの避難を余儀なくされた4900人は、地域の学校や寺院に開設された200カ所以上の避難所へ移動した。週末にかけて被害が拡大したことで、バンコク各地の小売店では生活必需品の買い占め現象が発生し、一部店舗の商品棚が空になる事態となった。これを受けてタイ首相府は、市民に対して過度な買い占めを控えるよう強く要請している。 スワンナプーム国際空港で韓国人乗客らが14時間足止め 激しい洪水は航空網の運行にも大きな混乱を引き起こした。一部の航空会社では、乗務員らが冠水や道路の交通難によって時間通りに出勤できなくなり、前日から旅客機の出発が相次いで遅延した。特にタイ国際航空を利用して韓国へ帰国しようとしていた数百人の韓国人乗客が、前夜からスワンナプーム国際空港で14時間以上にわたり足止めされる事態となった。家族8人とともに帰国予定だった韓国人のキムさん(37)は、出発時刻が何度も変更されたと証言している。深夜の出発予定が午前1時40分、午前3時、午前4時、午前6時10分へと繰り返し延期され、空港のゲートには航空会社の職員が一人もおらず、運航遅延に関する案内も一切なかったという。 タイ国際航空の遅延と乗客が直面した情報の空白 長時間の足止めを受けた韓国人乗客らは、現地の混乱と情報不足に翻弄された。キムさんはタイ国際航空のラウンジに直接出向いて状況を問い合わせ、大雨の影響で職員が出勤できていないとの回答を得た。前日の午後11時35分にスワンナプーム空港を出発する予定だった別のタイ国際航空便も同様に運航が遅延した。バンコクでの大雨を懸念して午後6時ごろに空港へ早めに入っていた乗客らは、14時間以上にわたってまともな案内を受けられないまま待機を強いられた。空港内のサービスやサポート体制が機能不全に陥った背景には、主要道路の冠水による職員の通勤難がある。 チョンブリー県パタヤ近郊で韓国人男性と推定される遺体を発見 洪水の波紋は交通やインフラにとどまらず、人命にも及んでいる。現地メディアのパタヤ・メールによると、24日にタイ中部チョンブリー県パタヤ近郊のノンプルー地域で、洪水に流されて行方不明になっていた韓国人男性と推定される遺体が27日午後6時ごろに発見された。現地の漁師が発見した当時、遺体は激しく腐敗した状態にあった。しかし、着用していた服装が行方不明当時に韓国人男性が着ていたものと酷似していたという。タイ当局は、遺体の正確な身元と死亡原因を特定するため、今後司法解剖を実施する方針を固めている。 Heavy Rain Hits Bangkok 🇹🇭 Causes Flooding in On Nut | 4K HDR…
2026年9月28日
世界
セルビアのアレクサンダル・ヴチッチ大統領は9月27日、10月25日に予定されている早期議会選挙で首相候補として出馬するため、大統領職を辞任すると発表した。2024年11月のノヴィ・サドでの駅舎崩落事故以降、反汚職デモが激化する中で、政権の正当性を問う選挙戦に臨む。…
2026年9月28日
世界
ロシアへ派兵されウクライナ軍に拘束された北朝鮮軍の兵士2人が、最近韓国へ送還された。この2人はウクライナでの拘束期間中にうつ症状や肥満を訴えていたことが27日までに判明した。送還交渉の長期化と外部接触の制限がその背景にあると伝えられている。 北朝鮮軍捕虜2人の現状と健康状態 ロシアのクルスク地域に派兵され、昨年1月にウクライナ軍に生け捕りにされたのは、リさん(27)とペクさん(22)の2人である。彼らは韓国への送還までウクライナで管理されていたが、その過程で心身に不調をきたした。ある外交筋によると、拘束当初と比べると体重が目立って増加しており、一部では憂鬱そうな様子も見られたという。ただし、これらの症状が医学的に診断されたものか、あるいはウクライナ側による管理強化が直接的な原因であるかは現時点で確認されていない。 ウクライナ政府による厳格な管理の背景 捕虜たちの健康状態に影響を与えたとされる背景には、複雑な外交交渉がある。彼らの存在がメディアで報じられた後、CNNをはじめとする海外メディアからインタビュー要請がウクライナ政府に殺到した。しかし、ウクライナ大統領府が直接担当し、捕虜の処遇を核心的課題として扱ったため、外部との接触は厳しく制限された。ある外交筋は、散歩などの活動もまともにできない状況が相当期間続いていたと証言している。北朝鮮とロシアからの送還圧力も強まる中、ウクライナ政府は彼らの露出を最小限に抑える方針をとった。 国家情報院による保護と今後の調査 現在、リさんとペクさんは韓国の国家情報院(国情院)の保護下にある。通常の脱北者は国情院の調査を経て統一部が管理するが、今回のような北朝鮮軍捕虜の場合、国情院が単独で保護対象とする可能性が高いとみられる。彼らに対する尋問や調査が今後本格化する見通しだが、その過程で北朝鮮軍の派兵実態や拘束時の詳細が明らかになる可能性がある。国家機密に関わる人物として、当面は厳重な監視下で保護されることになりそうだ。 北朝鮮軍捕虜の発生は極めて異例 ロシア・ウクライナ戦争に派兵された北朝鮮軍の規模は1万5000人と推計されているが、ウクライナ軍に捕らえられた北朝鮮捕虜は、今回の2人以外には確認されていない。保守系最大野党「国民の力」の庾竜源議員は、今年2月にウクライナを訪れた際、情報総局の関係者から「追加の捕虜はいない」との説明を受けた。その理由として、北朝鮮軍兵士は生け捕りにされそうになると手榴弾などで自ら命を絶つ傾向があることが挙げられている。
2026年9月28日
世界
米政権が中間選挙直前に税金投入のテレビCMを開始、野党や監視団体から批判 米政権は11月の中間選挙を1カ月余りに控えた中、税金を原資とした新たなテレビCMの放映を開始しました。トランプ大統領本人が出演し、「これが最後の戦いだ」と訴える内容となっており、ホワイトハウスは公共広告の一環であると主張していますが、政府監視団体からは公的資金の私物化を懸念する声が上がっています。 トランプ大統領本人が語る「最後の戦い」 今回放映されたCMの中で、トランプ大統領はホワイトハウス内を歩く姿とともに、「これが最後の戦いだ」と力強く語っています。音声は2023年の退役軍人の日に行った演説から引用されたもので、「共産主義者、マルクス主義者、ファシストを追放する」「我が国を憎む病んだ政治階級を振り払う」といった過激な言葉が並びます。さらに、「偽ニュースメディアを駆逐し、こうした悪党から米国を完全に解放する」と述べ、自身の政治的姿勢を強調しました。この広告は27日、米プロフットボールNFLの少なくとも2試合の中継で放映され、多くの視聴者の目に触れることとなりました。 政府資金による広告はすでに3本目 広告データの追跡を行う「アドインパクト」によると、政府資金が投入された広告の放映は今回で3本目となります。23日から放映が始まった1本目のCMでは、素早く切り替わるトランプ大統領の写真や映像に、共産主義や社会主義を非難する本人の音声が重ねられていました。画面上には「米国の製造業を再活性化」といった政権の実績を強調する文言も表示されており、政策アピールとしての側面が色濃く出ています。これら一連の広告は、短期間のうちに集中的に展開されており、選挙戦の重要な局面での露出を狙ったものと見られています。 ホワイトハウスは「選挙運動ではない」と反論 政府による税金を使った広告展開に対し、ホワイトハウスは声明を発表し、その正当性を訴えています。過去の政権がメディケアやオバマケア、新型コロナワクチンの接種を促す公共広告を流してきた実例を挙げ、「今回のCMが選挙運動の広告ではないことは極めて明白だ」と主張しました。あくまで国民の誇りを促す「公共広告」であるとの立場を崩しておらず、最初の広告の資金源に関する詳細な説明は避けています。しかし、政府の公式な立場と、個人の政治的主張が混在する内容については、依然として議論が続いています。 監視団体が指摘する「プロパガンダ」の懸念 政府のこの動きに対し、政府監視団体「コモンコーズ」は強い懸念を示しています。同団体は、税金を「プロパガンダ」のために使用することは規則違反となる可能性があると指摘しました。コモンコーズで政策担当副代表を務めるキャロル・エバンス氏は、CNNの取材に対し「選挙が間近に迫ったこの時期に、なぜ大統領が自身のイメージを売り込むために税金を使う必要があるのか、法律の専門家でなくても誰もが疑問に思うだろう」と批判しています。公的資金の公平な運用が問われる中、政治的な宣伝活動への流用は大きな論争の火種となっています。 Trump lanza este Nuevo Anuncio DEVASTADOR que expone la Demencia de Biden…
2026年9月28日
世界
地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が掲げる「1・5度目標」の達成が、極めて困難な状況に直面しています。国連環境計画(UNEP)は9月の最新報告書で、産業革命前からの気温上昇が数年以内に1・5度を超えるとの見通しを示しました。専門家は、現状のままでは今世紀末までに2・6度上昇する可能性を指摘しており、気候変動への対策は重大な転換点を迎えています。 1・5度目標を巡る科学と政治の乖離 2015年に採択されたパリ協定は、世界の平均気温上昇を「2度より十分低く保ち、できれば1・5度に抑える」ことを国際的な目標として定めました。その後、0・5度の差が生態系や人々の生活に及ぼす影響の大きさから、1・5度が対策の中心的な基準となりました。東京大学の江守正多教授(気候科学)は、この目標について「深刻な被害を受ける脆弱な国を見捨てないという決意の表れ」と解説します。しかし、長期的な気温上昇はすでに1・4度に迫っており、目標の超過は避けられない現実として突きつけられています。 現状維持では今世紀末に2・6度の上昇 報告書が提示する予測は、温暖化の抑制がどれほど厳しい状況にあるかを浮き彫りにしています。現状のペースで二酸化炭素(CO2)が排出され続けた場合、今世紀末までには2・6度の上昇が見込まれます。各国が現在掲げているCO2削減目標をすべて達成したとしても、最も楽観的な推計で1・8度前後に達する見通しです。千葉県佐倉市で発生した9月22日の大雨による冠水被害のように、猛烈な雨の頻度が増えている現状は、温暖化がすでに私たちの生活圏へ深刻な影響を与えている証拠です。 排出実質ゼロ達成への高い壁 気温上昇を食い止めるための「最善の選択肢」として、UNEPは世界全体での「排出実質ゼロ」の早期達成を挙げています。これは森林による吸収などを含め、CO2の排出量と除去量を差し引きゼロにするという道筋です。江守教授は「理論的には可能」としつつも、その実現には極めて高いハードルがあると指摘します。世界の年間CO2排出量は依然として過去最高を更新し続けており、排出実質ゼロを達成すること自体が極めて困難な課題であるためです。 今後の見通しと気候変動対策の行方 1・5度目標の超過が現実味を帯びる中、国際社会には排出削減のさらなる加速が求められています。報告書が示す通り、気温上昇のピークを可能な限り小さく抑えることは、被害を最小限に留めるための生命線となります。今後は、既存の削減目標の達成だけでなく、大気中からのCO2除去技術の導入スピードが、地球の未来を左右する重要な鍵となるでしょう。気候科学者らが警鐘を鳴らす中、各国の政治的決断と具体的な行動がより一層重要度を増しています。
2026年9月28日
世界
トランプ政権で国土安全保障長官を務め、3月に解雇されたクリスティ・ノーム氏が9月21日にInstagramへ投稿した狩猟写真が、インターネット上で激しい物議を醸している。血を流すヘラジカのそばで笑顔を見せる姿や「めちゃくちゃ楽しい」という表現に対し、過去の動物殺処分問題なども相まって批判と擁護の意見が真っ向から対立している。 クリスティ・ノーム氏が投稿したヘラジカ狩りの内容と「不適切なコンテンツ」の警告 クリスティ・ノーム氏は9月21日、仲間とアーチェリーでヘラジカを仕留めた際の写真を自身のInstagramアカウントに公開した。当該の投稿にはInstagram側から「不適切なコンテンツ」という警告が表示されており、血が流れ出ているヘラジカのそばで同行者とともに笑顔でポーズを取る同氏の姿が捉えられている。ノーム氏はキャプションに「ようやく少し時間ができたので、アーチェリーで仕留めたヘラジカの写真を何枚か投稿します。めちゃくちゃ楽しい狩りでした」と書き込んでおり、この投稿には手柄を称えるコメントが寄せられる一方で、多くの批判も集まる事態となった。 サウスダコタ州知事時代の回顧録に記された生後14カ月の犬の射殺問題 今回の大規模な批判を招いた背景には、ノーム氏がこれまでに示した物議を醸す言動が存在している。ノーム氏はサウスダコタ州知事だった2024年に出版した自らの回顧録の中で、過去に生後14カ月の犬であるクリケットを自ら射殺したことを赤裸々に明かしていた。同氏は当時、この犬について狩猟犬としての価値がなく、別の家で飼われていた家畜の鶏を襲ったために処分せざるを得なかったと自らの行動を徹底的に擁護していた。こうした動物を巡る過去の経緯が、今回の楽しげな狩猟報告に対する一般市民の反発をさらに強める要因となっている。 ミネソタ州ミネアポリスでの連邦捜査官によるアメリカ市民銃撃事件 動物を巡る問題だけでなく、同氏が政府高官として権限を行使していた時期の出来事も改めて視線を集めている。ノーム氏が国土安全保障長官に在任していた期間には、ミネソタ州ミネアポリスにおいて、アメリカ市民であるルネー・グッド氏とアレックス・プレッティ氏が連邦捜査官に銃撃されて死亡するという重大な事件が発生していた。公的な職務における治安対応と、今回のプライベートな狩猟で見せた娯楽としての側面の双方が、元長官としての資質を問う議論の文脈で結びつけて語られる遠因となっている。 「動物を戦利品のように扱うな」と相次ぐSNS上の批判的な反応 今回の狩猟写真の公開を受け、SNS上では一般ユーザーから厳しい声が相次いで噴出している。「誰も見たくはない」「動物がスポーツハンティングのために命を落とすのを見るのは胸が痛む。野生動物を戦利品のように扱うものではない」といった投稿が多数を占め、命を奪う行為を娯楽として楽しむ姿勢に対して強い拒絶反応が示されている。政治的な立場を超えて、野生動物との向き合い方や生命の扱い方を巡る倫理観が改めて厳しく問われる状況が形成されている。 「自然の管理」を主張するノーム氏の反論とさらなる論争の行方 こうした世論からの集中砲火に対し、ノーム氏は「無知で、何も知らないまま批判する人たちへ」と題した反論のコメントを自身の投稿に追記した。「もちろん、私はこの美しい動物を家族や多くの人たちとシェアして食べます。この雄大で素晴らしい生き物について、私は父から多くを学び、父や兄弟らと山で思い出を作り、今では友人たちともそうしています」「神は私たちに、自然を管理する責任を与えました。それを踏みにじる人は、恥を知るべきです。店に行って収穫されていないものを買おうとしてみてください。棚は空で、あなたの家族は飢えることになるでしょう」と自らの正当性を強く主張している。しかし、この説明に対しても「殺すことを『めちゃくちゃ楽しい』と書いておきながら、『自然の管理』と主張するのはむちゃくちゃだ」という批判がさらに巻き起こっており、元閣僚の発信端を発したモラル論争は今後も収束する気配を見せていない。 Photo: article.auone.jp
2026年9月28日
世界
米国北東部は2025年9月26日、非常に強力な暴風雨ノーイースターに直結され、大雨と強風によって数百便が欠航し、数万世帯が停電するなどの甚大な被害が発生しました。米国立気象局による警戒の呼びかけが行われる中、ニューヨークやボストンなどの主要都市で都市機能への影響が広がっています。 ノーイースター直撃で北東部沿岸に広がる大規模な停電被害 米国の停電情報追跡サイトpoweroutage.comによると、26日午後3時時点でニューヨーク、ニュージャージー、コネティカット、マサチューセッツ、ロードアイランド、ペンシルベニアの各州で計9万5000件以上の停電が確認されました。北東からの強風を伴うことから名づけられたこの気象現象は、地域一帯の送電網に深刻な打撃を与えています。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は記者会見で、非常に危険な状態であると指摘し、今週末に水辺に近づく者は命を懸けるようなものですと強い警戒を促しました。ロングアイランドなどでは最大150ミリの降水量や最大6メートルの高波が予想されており、行政機関は住民に対して厳重な警戒を呼びかけています。 不要不急の外出制限とニューヨーク市内の厳戒態勢 強風による電線の切断や倒木被害が相次ぐ中、ニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長は住民に対して注意を呼びかけました。マムダニ市長は不要不急の外出を控えてほしいと訴え、市民の安全確保を最優先にする姿勢を示しています。米国立気象局は週末にかけて中部大西洋沿岸で大規模な高潮や浸水、道路の冠水が予想されるとして警戒を続けており、各自治体は救助体制を強化しています。風雨がさらに強まるおそれがあることから、沿岸部の低地を中心に住民への避難誘導や危険箇所の立ち入り規制が進められています。 ローガン国際空港などで数百便が相次ぎ発生した大規模欠航 荒天の影響は空の便にも直撃し、航空網の混乱が拡大しています。航空情報サイトフライトアウェアによると、ボストンのローガン国際空港で253便が欠航するなど、合計で数百便に及ぶ運航中止や遅延が発生しました。視界不良と強風により離着陸が困難になったためであり、航空各社は運行スケジュールの変更や払い戻しの対応に追われています。旅行客や出張客の足が大きく乱れたことで、主要ターミナルでは混乱が見られました。気象条件の改善が見込まれるまでの間、各航空会社は最新の運行情報の確認を求めています。 ボストンを襲った記録的豪雨と相次ぐ大型イベントの中止 ボストン周辺では1か月分以上に相当する約130ミリの降水量と秒速約31メートルの暴風が観測されました。この悪天候により、予定されていた英歌手エド・シーランのライブが中止されるなど、文化行事やエンターテインメント業界にも大きな影を落としています。さらに、ニューヨークのセントラルパークで予定されていた大規模な音楽フェスグローバル・シチズンや、メリーランド州のオーシャンズ・コーリングなども中止を余儀なくされました。週末に集客を予定していた大型イベント主催者らは、安全上の理由から苦渋の決断を下しています。 年間を通じて発生するノーイースターの気候特性と警戒の背景 ノーイースターは年間を通じて発生する可能性がある気象現象ですが、特に秋から初春にかけて頻発する傾向があります。北からの冷たい空気と大西洋の暖かい湿った空気がぶつかることで発達し、記録的な大雨や大雪、そして激しい強風をもたらすことが多いのが特徴です。今回の暴風雨もその典型的なメカニズムによって急激に勢力を強め、広範囲にわたって都市機能を麻痺させました。過去にも同様の嵐が地域に大きな爪痕を残しており、専門機関は気象情報のこまめな確認と防災意識の徹底を改めて求めています。 週末にかけて続く荒天と今後の気象見通し 週末にかけても中部大西洋沿岸を中心に厳しい気象条件が続く見通しであり、関係機関は警戒を解いていません。高潮や浸水のリスクが依然として高いため、自治体は沿岸部での安全確保を最優先に対応にあたっています。電線の復旧作業や交通網の正常化には時間を要する見込みであり、住民生活への影響はしばらく継続するとみられています。気象当局は今後の進路や雨雲の動向を注視し、新たな警報や注意報の発表を通じて被害の拡大防止に全力を挙げています。
2026年9月28日
世界
ベネズエラの野党指導者マリア・コリナ・マチャド氏の安全な帰国と大統領選挙の実施を求め、数百人の支持者が首都カラカスなどでデモ行進を実施しました。亡命生活が続く中、政権側との対立や帰国を巡る動きが続いています。…
2026年9月28日
世界
中国の駐シドニー大使館で管理職として監視や情報収集業務に携わり、2005年にオーストラリアへ亡命した元外交官の陳用林氏が、2026年8月にキャンベラで取材に応じ、中国外交の現実を証言した。習近平体制下の政治学習による徹底した服従の強制が、西側諸国に好戦的な言動をとる戦狼外交を生み出している実態が明らかになった。 天安門事件世代の元外交官が明かす中国組織の内部 陳用林氏は1968年生まれで、1989年の天安門事件当時は北京の外交学院で学んでいた。当時の同僚には大使や総領事に出世した人物が多く、2023年7月に失脚した元外交部長の秦剛とも若いころに同じ部署で働いていたという。秦剛の失脚理由について陳氏は、ロケット軍の資料漏洩や周囲からの妬みなどを指摘する一方、不倫問題については中国の官僚なら誰でもやっていることであり、他に事情があると分析している。組織の内部事情に通じた元外交官の証言は、ベテラン世代のキャリアと権力闘争の構図を浮き彫りにする。 戦狼外交を生む週半ばの政治学習と絶対的な忠誠 駐大阪総領事の薛剣や、外交部副部長の華春瑩らは陳氏とほぼ同世代にあたる。西側諸国で挑発的な言動を繰り返すこれらの外交官について、陳氏は党中央の全体方針に従った結果であると説明する。外交部では毎週半日間の政治学習が義務付けられており、現在は習近平のイデオロギーに基づき、党中央と一致を保つことが徹底されている。中央党校の講師によれば、政治学習の目的は党の言うことを何でも聞く状態を作ることにある。服従こそが精神をつかんだとみなされ、この体制から戦狼外交が生まれた。 発言の逸脱が許される構造と忠誠の証明 忠誠という政治的な方向性が確実であれば、具体的な発言で多少の失敗をしても重大な処分は受けないと陳氏は指摘する。2025年11月に高市総理への舌禍事件を起こした薛剣のような事例も、忠誠を示すためにあえて発言したとみなされるため、組織内で必ずしも咎められない仕組みがある。王毅や華春瑩、薛剣といった面々が党の方針を忠実に体現しているのは、この徹底した服従のシステムによるものだ。個人の資質以上に、組織全体のイデオロギー統制が対外強硬姿勢を規定している。 異なる部門出身の外交官が辿る出世の経路 英語で実務を行っていた北美太平洋司に所属していた陳用林氏に対し、薛剣は日本語畑の亜州司、華春瑩は広報部門の新聞司であり、出身大学や担当部署はそれぞれ異なっていた。薛剣は江蘇省の農家出身から総領事まで昇り詰めた経歴を持つ。部門ごとの縦割りや異なる専門分野を持ちながらも、すべての官僚が同じイデオロギー教育を受け、党への忠誠心で結びついている点が現在の中国外交部の特徴である。配属や経歴の差異を超えて、組織全体が単一の方向へ向かう動機がここにある。 過酷な情報活動の実態と今後の情報戦のゆくえ 元外交官としての亡命から20年以上が経過する中、陳用林氏はオーストラリアの地から継続的に中国の諜報活動と外交体制の実態を発信し続けている。海外での監視や情報収集を主導した当事者による証言は、表面的には見えにくい中国の外交・情報機関の意思決定プロセスを検証する数少ない手がかりとなっている。今後も西側諸国と中国の間で情報戦や外交摩擦が続く中、内部事情を知る元高官たちの証言が果たす役割はさらに大きくなるとみられる。
2026年9月28日
世界
ロシア軍の占領下にあるウクライナ南部オレシキーで、最後まで残った約2,000人の住民が深刻な飢餓とインフラ崩壊に直面していることが、2026年9月下旬の報道で明らかになった。ドニプロ川を挟んでヘルソン対岸に位置する同市では、補給路の遮断や地雷原・ドローン攻撃により食料や医療品の配送がほぼ完全に停止している。…
2026年9月28日
世界
ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズは2026年9月21日、協働戦闘機であるFQ-42「ヴェンジェンス」がF-35「ライトニングII」およびF-15E「ストライクイーグル」と編隊飛行する様子を公開した。アメリカ空軍の主要な開発プログラムと並行して、無人機の運用能力を発展させる実証実験が本格化している。 FQ-42ヴェンジェンスのネバダ州クリーチ空軍基地への納入 ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズが開発および生産を手がけるFQ-42は、2026年9月18日に新たな機体がネバダ州のクリーチ空軍基地へ納入された。同基地に到着した機体は、新型航空機を用いた実験を目的として、試験・評価部隊との運用が継続されることとなる。空軍との通常の試験・評価活動を継続する中、実戦的な運用を見据えた細かな調整が進められている。 有人戦闘機と無人機による協調制御運用の現状 クリーチ空軍基地に到着したFQ-42は、さまざまな人工知能パイロットを用いた半自律飛行および自律飛行を行っている。これに加えて、F-35やF-22「ラプター」を操縦する有人戦闘機パイロットによる協調制御の下でも飛行試験を重ねている。これまで協調制御運用に関する実験は、同じくジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズ製のMQ-20「アヴェンジャー」を代替機として実施してきた。今後はFQ-42でこれらの実証実験を再現し、有人機と無人機が一体となって空戦を行うためのデータを収集していく。 戦闘機を示すFを冠したアメリカ空軍史上初の無人航空機 協働戦闘機とは、有人戦闘機と連携して運用されるステルス性を持つ無人航空機を指している。無人機でありながら有人機とともに空戦に参加することが想定されており、非常に高い戦闘能力が求められている。FQ-42ともう1機の協働戦闘機であるアンドゥリル・インダストリーズが開発したFQ-44「フューリー」は、無人航空機でありながら戦闘機を意味する「F」を冠した、アメリカ空軍史上初の機体となっている。 試作段階を示すYが取り払われ正式採用名称に変更 FQ-42は当初、YFQ-42「ダークマーリン」という名称で呼ばれていた。しかし、2026年9月14日にアメリカ空軍が正式採用名称を発表したことに伴い、試作段階を示す「Y」が取り払われた。これにより、機体名称はFQ-42「ヴェンジェンス」へと改められ、量産や実戦配備に向けた次のステップへと移行している。名称の変更は、本機が単なる実験機から実運用を見据えた正式な装備品へと移行したことを示している。 未来の戦闘機編隊を見据えた今後の運用能力の発展 ジェネラル・アトミクス・エアロノーティカル・システムズが公開した編隊飛行の映像は、将来の航空戦が有人機と無人機の組み合わせによって形作られることを鮮明に示している。アメリカ空軍の主要な開発プログラムと歩調を合わせながら、協働戦闘機は今後さらに高度な自律飛行や有人機との連携能力を獲得していく。無人戦闘機が実際の戦術環境においてどのように有人機をサポートし、どのような戦果を挙げるのか。今後の試験・評価活動の成果に、防衛関係者からの視線が注がれている。 Photo: news.yahoo.co.jp
2026年9月28日
世界
北朝鮮兵捕虜2人の韓国への移送をめぐり、韓国とウクライナ両政府の説明に食い違いが生じている。ウクライナ大統領による突然の公表に対し、韓国政府は非公表の合意があったと主張しており、北朝鮮に残る家族の安全や南北関係への影響を懸念する声が高まるなど、国内で政治的な論争に発展している。 ウクライナ大統領による電撃的な公表と韓国政府の反応 発端となったのは、23日に現地時間で行われたウクライナのゼレンスキー大統領による国連総会での演説だった。同氏は最近になって北朝鮮兵捕虜2人を大韓民国に送ったと明らかにした。韓国への移送が突然公表された事態を受け、李在明大統領は翌日にX(旧ツイッター)を更新した。非公表とする合意を破って公表されたとし、非常に残念であると投稿した。青瓦台の高官も同日、ウクライナ側から演説前に捕虜について言及する可能性があるとの連絡はあったものの、どのような形で言及するのかは明確ではなかったと説明した。この高官の説明によると、韓国政府は韓国への移送を公表してはならないとの立場を伝えており、両国の協議の過程でも公にせずに進めるという了解があったという。 青瓦台と外交部は、ゼレンスキー氏の公表後も本人および家族の身の安全に関わる機微な事案であるため、身柄に関する措置を取ったかどうかや、その時期などについては、確認に応じることは難しいとして明言を避けた。具体的な入国時期は、国民の力の庾竜源議員が24日に記者団に対して明らかにした。3~4日前に韓国に到着したと承知していると述べることで、事実関係の一端が外部に伝わることになった。 ウクライナ大統領府の反論と非公表合意の有無 こうした韓国側の主張に対し、ウクライナ大統領府は公表しないという合意はなかったと真っ向から反論した。わが国の兵士が捕らえた人々を、ただ秘密裏にどこかへ送るというのは、おかしなことだっただろうと説明している。両国の認識の溝は深く、外交的な摩擦に発展する様相を見せている。 韓国に来た捕虜2人は、昨年1月にロシアでウクライナ軍に捕らえられて以降、韓国行きを希望する意思を繰り返し表明してきた。その後、両国は6月の外相会談と7月の首脳会談で、本人の意思と人道的原則に基づく解決について認識を共有した。与党関係者は、ロシアや北朝鮮に送らず、本人の意思を尊重してほしいとウクライナ側に要請し続けてきた成果だと述べている。 韓国政界における与野党の対立と政府への批判 こうした努力の末に韓国への移送が実現したにもかかわらず、なぜ政府が直接公表しなかったのかをめぐり、政界でも対立が生じた。共に民主党は、ゼレンスキー氏による公表を両国間の信頼を裏切る行為だと25日に申賢栄報道官を通じて批判した。一方、国民の力の鄭点植院内代表は同日、金正恩氏の機嫌を損ねるのが怖かったのかと批判した。無所属の韓東勲議員は、政府が気にしているのは金正恩政権の機嫌を損ねたかどうかだと主張した。与党側からも、なぜ人道的な観点から捕虜を受け入れたという事実を明らかにできないのかとの指摘が、26日に朴智元議員から出されている。 韓国政府は、今回の韓国への移送を通常の捕虜交換とは区別している。政府関係者は、韓国は交戦当事国ではないので捕虜交換ではないとし、ウクライナが人道的な観点から移送に応じてくれたものだとの説明を繰り返している。 朝鮮戦争の先例とジュネーブ条約の解釈 本国への送還を拒否した捕虜をめぐる問題の代表的な先例として、6・25戦争(朝鮮戦争)がある。赤十字国際委員会は、2020年に改訂したジュネーブ第3条約の注釈書で6・25戦争を代表例に挙げ、当時、国連軍に捕らえられた北朝鮮兵・中国兵の多くが帰還を拒んだため、送還問題が主要な争点になったと説明している。 ただし、当時は韓半島で捕らえられた交戦当事国の捕虜だったのに対し、今回はロシアで捕らえられた北朝鮮兵が、交戦当事国ではない韓国行きを選んだという明確な違いがある。この特殊なケースが、国際法的な解釈や外交上の扱いに複雑さを加えている。 今後の見通し 北朝鮮兵捕虜の受け入れをめぐるウクライナとの情報公開の齟齬や、北朝鮮の反発を懸念する国内の政治的対立は、今後も韓国政府の外交・安保政策に対する厳しい追及材料となり続ける。身の安全が懸念される捕虜の処遇と、対外的な情報発信のバランスをいかに取るか、政府の対応が問われる局面はしばらく続きそうだ。
2026年9月28日