北朝鮮軍捕虜2人の現状と健康状態
ロシアのクルスク地域に派兵され、昨年1月にウクライナ軍に生け捕りにされたのは、リさん(27)とペクさん(22)の2人である。彼らは韓国への送還までウクライナで管理されていたが、その過程で心身に不調をきたした。ある外交筋によると、拘束当初と比べると体重が目立って増加しており、一部では憂鬱そうな様子も見られたという。ただし、これらの症状が医学的に診断されたものか、あるいはウクライナ側による管理強化が直接的な原因であるかは現時点で確認されていない。
ウクライナ政府による厳格な管理の背景
捕虜たちの健康状態に影響を与えたとされる背景には、複雑な外交交渉がある。彼らの存在がメディアで報じられた後、CNNをはじめとする海外メディアからインタビュー要請がウクライナ政府に殺到した。しかし、ウクライナ大統領府が直接担当し、捕虜の処遇を核心的課題として扱ったため、外部との接触は厳しく制限された。ある外交筋は、散歩などの活動もまともにできない状況が相当期間続いていたと証言している。北朝鮮とロシアからの送還圧力も強まる中、ウクライナ政府は彼らの露出を最小限に抑える方針をとった。
国家情報院による保護と今後の調査
現在、リさんとペクさんは韓国の国家情報院(国情院)の保護下にある。通常の脱北者は国情院の調査を経て統一部が管理するが、今回のような北朝鮮軍捕虜の場合、国情院が単独で保護対象とする可能性が高いとみられる。彼らに対する尋問や調査が今後本格化する見通しだが、その過程で北朝鮮軍の派兵実態や拘束時の詳細が明らかになる可能性がある。国家機密に関わる人物として、当面は厳重な監視下で保護されることになりそうだ。
北朝鮮軍捕虜の発生は極めて異例
ロシア・ウクライナ戦争に派兵された北朝鮮軍の規模は1万5000人と推計されているが、ウクライナ軍に捕らえられた北朝鮮捕虜は、今回の2人以外には確認されていない。保守系最大野党「国民の力」の庾竜源議員は、今年2月にウクライナを訪れた際、情報総局の関係者から「追加の捕虜はいない」との説明を受けた。その理由として、北朝鮮軍兵士は生け捕りにされそうになると手榴弾などで自ら命を絶つ傾向があることが挙げられている。