北朝鮮のウェブサイトが2日連続で接続不能状態となった事態をめぐり、Yahoo!ニュースは21日、国営メディアなどの複数サイトが日本時間の20日午前11時から約24時間にわたり接続できない状況に陥ったと報じた。世界的なハッカー攻撃の推測や、金正恩(キム・ジョンウン)総書記の「死亡説」をめぐるアクセス集中との見方が交錯する中、専門家は電力供給の不安定といった内部要因を指摘している。
金正恩総書記の死亡説と北朝鮮メディアの広範囲な接続障害
北朝鮮のウェブサイトが突如としてアクセスできない状態に陥ったのは、日本時間の20日午前11時ごろである。朝鮮中央通信(KCNA)、労働新聞、民主朝鮮などの国営メディアに加え、対外ラジオ放送「朝鮮の声」のウェブサイトでも相次いで障害が確認された。公式情報ポータルサイト「ネナラ」や外務省、高麗航空のサイトもほぼ同じ時間帯に停止した。朝鮮中央通信のウェブサイトは20日に一時復旧したものの、最初の障害発生からの24時間のうち19時間は接続できなかった。北朝鮮「シリバンク」のSMTP電子メールサーバーも、21日午前に約5分間接続できた時間を除いて機能停止状態が続いている。
相次ぐ情報空白と中国系活動家によるSNS投稿の発信源
北朝鮮の最高指導者である金正恩総書記の「死亡説」をめぐっては、米国に滞在する中国系の反体制活動家、謝万軍氏のX(旧Twitter)アカウントが発信源とされると、内外タイムスおよびBBCが報じている。同氏は金正恩氏が脳出血で北京に搬送されて死亡したなどと投稿し、これが英米などのメディアに取り上げられて世界中に広がった。しかし、北朝鮮メディアは20日、正恩氏が前日にアパレル商品の展示会を視察したとする写真を公開し、死亡説を事実上牽制した。BBCの報道によると、北朝鮮は世界有数の秘密主義国家であり、指導者の健康状態や私生活に関する情報が厳しく制限されているため、出所の怪しい情報でも一気に拡散してしまう背景がある。
外部からのサイバー攻撃説と内部のインフラ問題という見方
今回のネットワーク障害の原因については、複数の推測や分析が示されている。世界中のハッカーによる攻撃の標的になったのではないかとの推測や、金正恩氏の死亡説の真偽を確認しようとするアクセスが集中したことが原因とする見方も出ている。しかし、ニュース関連サイトだけでなく北朝鮮のほぼすべてのウェブサイトで問題が発生しているため、アクセスの集中説の可能性は低いとみられている。STEALIEN代表のパク・チャンアム氏は聯合ニュースのインタビューで、北朝鮮は電力供給が不安定であるため国境のルーターや交換装備の電源が断続的に切れることで今回のような現象が発生し得ると説明し、外部攻撃よりも内部のインフラ問題によるものとの見解を示している。

繰り返される死亡説と権力継承をめぐる東アジアの安全保障上の懸念
指導者の生死に関する情報が繰り返し浮上する背景には、北朝鮮の情報の閉鎖性と不透明な後継者問題がある。BBCによると、過去の2020年にも脱落者が心臓血管手術後の死亡を主張する騒動があったが、その直後に正恩氏が公の場に姿を現して誤報であることが判明している。韓国の情報機関である国家情報院は、金正恩氏が13歳前後と推定される娘のジュエ氏を後継者として育てている可能性を指摘しているが、正式な指名はなされていない。内外タイムスは、万が一指導部に不測の事態が起きて混乱が深刻化した場合、軍の指揮系統や核兵器の管理、難民の発生などを通じて周辺国へ影響が及ぶ恐れがあるため、日米韓の関係国が危機管理のあり方を検討しておく必要があると伝えている。
