10月21日の夜、ミシガン州の上院議席を争う激しい選挙戦の行方を占う最後の直接対決が実施された。選挙戦の主導権を握るため、両候補はデトロイトの聴衆に向けて自らの政策を訴え、激しい批判を交わした。
アブドル・エル=サイエッドとマイク・ロジャースが繰り広げた終盤の激しい応酬
民主党の候補者で元デトロイト保健局長のアブドル・エル=サイエッド氏と、共和党の元下院議員で同党の候補者であるマイク・ロジャース氏は、事前の予想通り激しい論戦を展開した。前回の初顔合わせほど荒れ模様ではなかったものの、お互いの信頼性や過去の発言を巡る個人攻撃は依然として鋭く、両者の溝の深さが浮き彫りとなった。
エル=サイエッド氏は、ロジャース氏をドナルド・トランプ前大統領の「靴下人形(ソック・パペット)」であると繰り返し非難した。これに対し、ロジャース氏はエル=サイエッド氏が自身の過激な過去の姿勢を隠そうとしていると主張し、パターンのあるごまかし
があると指摘した。
2026年10月21日の夜、サウスフィールドにあるWXYZ-TVのスタジオにおいて、1時間にわたる両者の2回目の直接対決が開催された。討論会の最中、エル=サイエッド氏は、聴衆が自宅でゲーム感覚として楽しめる「MAGAビンゴ」に言及し、ロジャース氏がトランプ前大統領に同調する決まり文句を発するたびにその話題を取り上げた。
イスラム同胞団や海外組織との関わりを巡る激しい非難の応酬
討論会では、ロジャース氏がエル=サイエッド氏の出自や過去の支援者とのつながりを厳しく追及した。ロジャース氏は、エル=サイエッド氏やその家族がイスラム原理主義組織である「イスラム同胞団」とつながりを持っていると主張し、国家への忠誠心に疑問を投げかけた。
マイク・ロジャースはMLiveの報道において、「アメリカ合衆国上院議員になろうというのなら、あなたが味方するのはアメリカなのか、それとも海外のこうしたテロ組織なのか、我々は知る必要がある」と述べた。
この追及に対し、エル=サイエッド氏は自身の母親がミズーリ州の看護師であることを引き合いに出し、関与を強く否定した。さらに、このような追及は自身の信仰や尊厳を踏みにじるものであると反論している。
アブドル・エル=サイエッドはNBC Newsの報道において、「まったく意味が分からないし、マイク、君らしくもない本当にお粗末なやり方だ」と述べた。
経済政策、物価高、およびイラン戦争の影響を巡る議論
内政および外交政策では、インフレやガソリン価格の高騰、医療制度改革などが争点となった。エル=サイエッド氏は、生活コストの上昇はイランとの紛争に起因していると主張し、トランプ前大統領と同調するロジャース氏の姿勢を批判した。一方、ロジャース氏は、エネルギー安全保障の観点からイランの脅威を強調し、有権者に対して強い防衛姿勢を示した。

また、社会保障制度(ソーシャル・セキュリティ)の財政破綻が2032年に迫っている問題について、ロジャース氏は不正受給の摘発によって制度を安定させうると主張した。これに対し、エル=サイエッド氏は富裕層への課税強化が必要であると反論し、両者のアプローチの違いが明確になった。
11月3日の選挙に向けた最終局面の動向
選挙情報サイトや専門メディアによると、ミシガン州の上院議席を巡る争いは激戦となっており、勝敗の行方は予測が難しい。両陣営は、デトロイトの都市部や中西部の有権者だけでなく、アラブ系やイスラム系を含む多様なコミュニティの支持固めに奔走している。

11月3日の投票日に向け、両候補は州内各地での遊説を続け、有権者の最後の審判を仰ぐことになると報じられている。