米中東間の緊張が高まる中、イスラエル軍と米国軍は、米中間選挙の後を見据えた新たな対イラン軍事作戦の策定を進めている。ベンヤミン・ネタニヤフ首相は政権打倒を掲げる一方、選挙を控えたトランプ大統領は直前の軍事行動に慎重姿勢を示している。.
イスラエル首相が掲げる「イラン政権打倒」の狙いと米国の姿勢
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、防衛当局と情報機関に対し、イランの現体制を打倒するよう指示を出したことを明らかにした。士官候補生の卒業式での演説で、同首相は体制の転覆こそがイスラエルの将来を保障する唯一の道であると主張している。これに関連し、米国のドナルド・トランプ大統領との間で協議が行われたと報じられている。
米国防長官のピート・ヘグセスはイスラエルを非公式に訪問し、オヴダ空軍基地でベンヤミン・ネタニヤフ首相およびイスラエル・カッツ国防相と会談を行い、同国の指導者らと安全保障上の脅威や軍事作戦の可能性について協議した。
イスラエルの国防相であるイスラエル・カッツは、士官候補生の卒業式で「もしイランがイスラエルを攻撃するなら、イランは炎に包まれるだろう」と強い警告を発した。さらにカッツ国防相は、イラン政権が現在かつてないほど弱体化しており、その弱さゆえに極端な行動に出るおそれがあると指摘した。
選挙日程と米中間選挙を巡る政治的駆け引き
10月27日に予定されているイスラエルの総選挙は、ネタニヤフ首相の政治的生命を左右する重大な局面を迎えている。収賄や背任、詐欺などの罪で公判中の同首相にとって、有罪判決となれば禁錮刑に処される可能性があり、戦争指導者としての立場をアピールすることが選挙戦の要となっている。
米国においても、11月3日に控える中間選挙への影響を懸念する声が大きい。ホワイトハウスは選挙前の大規模な軍事介入に対して否定的な見解を示しており、トランプ政権は外交交渉や経済的圧力を優先する構えを見せている。専門家の間では、全面的な軍事衝突に踏み切るかどうかの判断は、政治的な日程や選挙の結果に大きく左右されるとの見方が広がっている。
ベンヤミン・ネタニヤフはビデオ通話の中で、「ドナルド、我々にはやり遂げなければならない仕事がある。あなたもそう言ったし、我々はそれを一緒にやり遂げるのだ」と述べた。
野党勢力の動向と世論の行方
イスラエルの野党「民主党(Democrats)」の党首であるヤイール・ゴランは、選挙を目前に控えた戦争遂行について、ネタニヤフ首相はそれを実行する正当性を完全に欠いていると批判した。

軍部や治安当局の一部からも、個人的な政治的動機に基づく軍事行動への懸念が示されており、投票日が近づくにつれて国内の政治的緊張は最高潮に達している。