ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は13日、首都キーウのエネルギー施設と集合住宅がロシアの弾道ミサイル攻撃を受けたと発表した。キーウのヴィタリ・クリチコ市長によると、この攻撃で1人が死亡し、13人が負傷したという。
キーウのエネルギー施設と集合住宅が弾道ミサイル攻撃を受ける
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は13日、首都キーウに暖房と電力を供給する主要なエネルギー施設がロシアの弾道ミサイル攻撃を受けたと発表した。大統領はソーシャルメディアで、ダルニツカCHP-4と集合住宅が標的になったと明らかにした。キーウのヴィタリ・クリチコ市長は、13日夜のミサイル攻撃により1人が殺害され、13人が負傷したと発表している。負傷者のうち4人は重体とされる。
首都のドニプロフスキー地区とダルニツキー地区の一部に暖房と電力を供給するCHPP-4は、2022年のロシアによる全面侵攻開始以降、繰り返し攻撃を受けてきた。今年2月にもロシアのミサイル攻撃によって操業停止を余儀なくされ、集合住宅1000棟以上や多数の学校、医療機関で暖房や温水が使えなくなる事態が発生している。ロシア軍によるキーウへのミサイル攻撃は2夜連続で行われた。
A Russian ballistic missile attack on Kyiv. Once again, no early warning from our partners. The main target was energy infrastructure, specifically CHPP-4. Unfortunately, it was hit. A residential building was also damaged, and rescuers are currently putting out a fire there. Our… pic.twitter.com/6FKPx8PuFG
早期警戒情報の提供をめぐるウクライナとアメリカの主張
ゼレンスキー大統領は13日のソーシャルメディアへの投稿で、「またしても、パートナー諸国からの早期警戒情報は一切なかった」と不満を示した。「ウクライナはエネルギー停戦を支持した。ロシアはまたしても発電所と国民の命を標的にしている」と述べ、ロシアがインフラを破壊している一方で、弾道ミサイル発射に関する早期警戒情報すら受けていないと強調した。世界はこの件について沈黙してはならず、戦争が続く責任が誰にあるのかアメリカが認識することが重要だと訴えている。
12日夜の攻撃後、迫るミサイル攻撃を追跡するために必要な早期警戒情報をアメリカが遮断したのではないかとの臆測が広がっていた。ドナルド・トランプ米大統領は13日、そのような事実はないと否定し、「我々は彼らを支援しているし、情報も共有している」と述べた。戦争終結に向けてロシアやウクライナと協力しているとも語っている。
エネルギー関連の停戦合意とトランプ米大統領の発言
今回の攻撃の2日前には、ドナルド・トランプ米大統領がロシアとウクライナの間でエネルギー関連の停戦合意が成立したと発表していた。しかし、この発表の直後からウクライナ側はロシアによる複数回の攻撃を報告している。ロシアによるウクライナのエネルギー施設への攻撃について問われたトランプ大統領は、「ウクライナは前日に多くの施設を攻撃した」と述べた。
ロシアが停戦協定を破ったのかと問われた際、トランプ大統領は明言を避けた。両国とも戦争を終わらせたいと思っているものの、どうすればそれができるのか双方が分かっていないとの見解を示している。トランプ氏が以前に「ウクライナには新しい大統領が必要だ」と発言したことを受け、ゼレンスキー氏は11日に、ロシアが60日間の停戦に合意すればウクライナで大統領選挙を実施できると表明していた。
ロシア外相による停戦合意への批判と今後の見通し
ロシアのセルゲイ・ラヴロフ外相は12日、ウクライナは停戦によって一息つく間を得る資格はないと述べた。ラヴロフ外相は、どのような停戦合意の下でも、欧州は戦争継続のためにウクライナに新しい兵器を大量に供給できるはずだと批判している。エネルギー施設の被災や早期警戒情報をめぐる懸念が続く中、両国間の交渉や軍事行動の行方は不透明な状況が続いている。