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米連邦地裁 農務省の組織再編やオフィス閉鎖計画を一時差し止め

米連邦地裁のビンセント・チャブリア判事は火曜日、農務省が進めていた人員再配置やオフィス閉鎖の計画を一時差し止める命令を出した。

米連邦地裁 農務省の組織再編やオフィス閉鎖計画を一時差し止め

米連邦地裁のビンセント・チャブリア判事は火曜日、農務省が進めていた人員再配置やオフィス閉鎖の計画を一時差し止める命令を出した。.

連邦地裁が下したUSDA組織再編の差止め命令

カリフォルニア州北部地区連邦地裁のビンセント・チャブリア判事は、農務省(USDA)が米国全土で進めていた約2,600人の職員の配置転換やオフィスの閉鎖計画について、訴訟審理が継続する間、無期限で差し止める命令を下した。この司法判断により、連邦職員労働組合、非営利団体、および地方自治体の連合体が起こした訴訟において、農務省が議会の設定した組織再編の法的制約を回避しようとしたという主張が認められた。裁判所の命令対象となったのは、森林局、農業研究サービス、食糧栄養管理局を含む計8つの主要機関である。具体的には、森林局の本部をワシントンからソルトレイクシティへ移転し、全9カ所の地域事務所を閉鎖する計画や、食糧栄養管理局の全7カ所の地域事務所を閉鎖して最大870人の職員を移動させる計画が含まれていた。

トランプ政権が推進したこの大規模な組織再編は、2025年夏季に「重大な変革」の一環として発表されたものであった。しかし、多くの職員が遠く離れた別の州への転居か退職かの選択を迫られる事態となっていた。農務省側の代理人を務める司法省の弁護士らは、労働組合が代表する職員のみに絞った限定的な差止めを求めたが、チャブリア判事はこれを退け、再編に関わるすべての支出を全面的に停止する措置を下した。

議会の歳出制限と憲法上の権限を巡る対立

今回の法的闘争の核心には、連邦機関の組織変更に対する議会および下院・上院の歳出委員会の権限がどの程度及ぶのかという問題が存在している。2025年11月12日に成立した2026会計年度農業歳出法には、農務省が両院の歳出委員会の承認を得ることなく、オフィスや職員の再編・配置転換を行うことを禁止する明確な規定が盛り込まれていた。議員らはまた、再編計画のために資金を流用(リプログラム)することを禁じた。

チャブリア判事は、上下両院の委員会による承認を必須とする仕組み自体は違憲であるとの認識を示しつつも、議会が明確な支出制限を課した予算関連立法の文言そのものが最重要であると指摘した。同判事は、農務省が議会の意図や予想から逸脱した資金の使い方をしていると判断し、「法的根拠に反する閉鎖や配置転換であるという原告側の主張は、勝訴の可能性が高い」と述べた。一方、農務省側は2018年に経済調査局(ERS)や国立食品農業研究所(NIFA)をカンザスシティへ移転させた前例を挙げ、議会への事前通知さえ行えば委員会の承認がなくても手続きを進める権利があるとの立場を崩していない。

メリーランド州ベルツビル農業研究センターへの影響

今回の裁判所の決定は、メリーランド州プリンスジョージズ郡にある農務省最大の拠点「ベルツビル農業研究センター(BARC)」の閉鎖危機をも一時的に回避させた。創設から110年以上経過しているBARCは、約6,500エーカーの敷地に約20の研究所を擁し、食品媒介性病原体、植物病害、作物収量、さらにはサイクロスポラやニューワールド・スクルワームといった米国の食糧供給を脅かす深刻な問題に関する最先端の研究を行ってきた。プリンスジョージズ郡のアイシャ・ブレイブボーイ郡長によれば、BARCの閉鎖が実行されれば同州の国内総生産(GDP)から4億5,000万ドルが失われ、約1,000人分の雇用が消滅する試算であったという。

米連邦地裁 農務省の組織再編やオフィス閉鎖計画を一時差し止め
写真:NOTUS

メリーランド州選出の連邦議員らは農務省の指導部に対し、BARCの存続を命じた2026会計年度農業歳出法の規定に違反しているとして抗議文書を送付していた。地元自治体や労働組合側は、トランプ政権が施設老朽化や経費削減を理由に掲げている一方で、研究活動への影響や保全に関する科学的影響について十分な調査を行っていないと強く批判してきた。一部の専門家や科学者からは、経験豊富な専門研究員が異動を受け入れずに相次いで離職すれば、米国全体の食糧安全性や農業研究の連続性が深刻な打撃を受けるとの懸念が示されている。

今後の焦点と12月11日の期限

連邦地裁による今回の差止め命令は暫定的な措置に過ぎず、事態の行方は連邦議会の今後の動向や司法手続きの進展に左右されることとなる。チャブリア判事が指摘したように、争点となっている支出制限および活動規制の規定は12月11日に期限を迎える継続予算決議の失効とともに期限切れとなるため、次期予算案を巡る議会での議論次第で事態は再び大きく動く可能性がある。農務省側が控訴に踏み切る公算も高く、政権側と労働組合・地方自治体側との法的攻防は今後も続く見通しだ。

米連邦地裁 農務省の組織再編やオフィス閉鎖計画を一時差し止め
写真:DTN Progressive Farmer

原告側を代理するデモクラシー・フォワードのエレーナ・ゴールドスタイン法務ディレクターは、今回の決定の意義を次のように評価している。この一時停止措置により、省とその職員の極めて重要な業務が継続可能となり、その働きに依拠する全国の家族や地域社会が守られると指摘した。

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