マイアミの裁判所で進められてきた民事訴訟が、10月13日の夜に結審を迎えた。6人の陪審員による評決は、元カンザスシティ・チーフスおよびマイアミ・ドルフィンズのスター選手であるタイリーク・ヒルにとって痛手となる部分と、一部の請求が退けられた安堵が入り交じる結果となった。
タイリーク・ヒルが2件の暴行で責任認定、50万ドルの賠償金支払いへ
ヒルの弁護士であるクリスティ・ブライトはESPNに対し、「ヒル氏は自身の言い分を世間に伝え、これまで話すことができなかったことを世界に向けて語ることができたことを非常に喜んでおり、『非常に感謝している』と述べた」と語った。
裁判で明かされた2024年と2025年のトラブル詳細
法廷では、夫婦間の衝突を示す生々しい証拠や証言が次々と提出された。ヴァッカロの証言によると、最初のトラブルは2024年1月11日、夫婦間の婚前契約をめぐる口論から始まった。ヒルが首のネックレスを引きちぎり、首を締め、胸を掴んでねじったとされ、被害を裏付ける胸のあざの写真や母親へのテキストメッセージが証拠として採用された。
もう一つの認定事由となったのは、サニーアイルズビーチのマンションで2025年4月7日に起きたインシデントである。この日、警察が通報を受けて出動する事態となり、裁判では室内のベビーモニター(ナニーカム)の映像が再生された。映像には、激しく怒鳴り合う夫婦の声や、ヴァッカロが助けを求める叫び声、ヒルが娘をベビーベッドから連れ出す様子が記録されていた。
一方でヒルは証言台に立ち、身体的暴力を全面的に否定した。ヒルは結婚生活の破綻について言及し、「言葉づかいについては誇れるものではない。深く恥じている」と述べつつも、妻の身体を傷つけたという主張には反論した。ただし、妻の安全を脅かすような脅し文句を発したことについては「深く恥じている」と認めている。
激しい金銭トラブルと婚姻関係の亀裂
法廷闘争の背景には、深刻な金銭的対立があった。ヒルの証言によれば、毎月1万5000ドルの生活費を渡していたにもかかわらず、妻が無断で月およそ6万ドルを引き出していたと主張し、強い不満を示していた。
裁判ではさらに、2024年7月にエスピエンの本社を訪れた際、妊娠中の妻の腹部に向けて拳を突き出すような行動があったという主張も取り上げられた。ヴァッカロは、自らそのパンチを防がなければ直撃していただろうと証言し、その後の出産に至るまでの複雑な家庭環境が浮き彫りになった。
NFL復帰と個人行動規約による調査の行方
この民事評決の下下は、ヒルのプロフットボール選手としてのキャリアの岐路と重なっている。ヒルは2025年9月の試合で左膝の靭帯断裂および脱臼という重傷를 負い、シーズン絶望となっていた。その後、ドルフィンズから今年2月にリリースされ、現在はフリーエージェントとしてリハビリを続けている。