イスラエルが実施した総選挙は、出口調査での現有与党の苦戦と、開票が進むにつれて判明した右派ブロックの優勢が交錯し、明確な勝者が決まらないまま膠着状態に陥った。ガザ戦争以降の政治の行方を揺るがす選挙戦は、連立政権の樹立に向けた難航が予想されている。.
イスラエル国内で最大の注目を集めた選挙は、ハマスによる2023年10月7日の攻撃以降で初となる国政選挙として実施された。出口調査の段階では、ベンヤミン・ネタニヤフ首相率いる現政権が過半数に届かない大打撃を受けたとする見方が広がった。しかし、中央選挙管理委員会が発表するその後の開票結果では、ネタニヤフ氏の右派ブロックが徐々に勢力を盛り返し、 opposition 勢力との間で激しい首位争いが続いていいる。.
ネタニヤフ陣営とガディ・アイゼンコット氏率いる野党ブロックの議席争い
テレビ局各社が公表した出口調査と、実際の開票データの推移の間には大きな隔たりが見られた。現地の放送局による最初の出口調査では、ネタニヤフ氏の現在の連立与党が120議席のうち50議席の獲得にとどまり、元軍参謀総長のガディ・アイゼンコット氏が率いる「ヤシャル」党を中心とした野党ブロックが優勢であると伝えられた。
イスラエル中央選挙管理委員会のデータによると、今回の総選挙では約733万人の有権者が投票資格を有しており、その中には初めて投票する約33万人の若者が含まれていた。また、国防軍(IDF)の基地や前線では10月21日から軍人の投票が開始されていたほか、海外で勤務するイスラエルの外交官とその家族も10月15日から投票を行っていた。中央選挙管理委員会の発表によれば、今回の第26代クネセト(国会)選挙の投票率は77.7%に達し、過去20年以上で最も高い水準を記録した。
記録的な投票率とアラブ系政党の動向が握る鍵
開票作業が進む中、ネタニヤフ氏の率いるリクード党は、ケネセットの定数120議席をめぐる戦いで主要政党としての存在感を示している。一方、アイゼンコット氏が率いる中道政党のヤシャル党や、各陣営を支持する政党の間では、過半数である61議席の確保に向けた激しい水面下の交渉や連立工作が予想されている。とりわけ、イスラエル国内のアラブ系市民を代表する政党や、左派政党、超正統派政党などの動きが、今後の政権枠組みを左右する鍵として注目を集めている。

選挙戦の背景には、2023年10月7日に発生したハマス主導の攻撃と、それに続くガザ地区、レバノン、シリア、イランなどとの長期にわたる多正面の戦争がある。治安上の重大な失敗や、超正統派に対する兵役免除法案を巡る議論、さらには司法制度改革をめぐる対立など、国家のあり方を問う様々な争点が有権者の判断に影響を与えた。
二重封筒投票と今後の連立交渉に向けた不透明なプロセス
選挙の最終的な議席配分には、通常の投票所以外で投票された膨大な数の二重封筒による票が大きな影響を与える可能性がある。動員された予備役兵士や避難民など、指定された投票所以外で投票した有権者によるこれらの票は、厳格な確認作業を経た上で全国集計に加えられるため、公式な最終結果の確定には時間がかかる仕組みとなっている。
公式な最終結果は11月4日に発表される予定であり、その後イスラエルのアイザック・ヘルツォグ大統領が各党の党首らと協議を行い、新政権の樹立に向けた組閣をどの政治家に委ねるかを決定することになる。過去の政治的行き詰まりの歴史を踏まえ、今回も長期的な交渉や合意形成の模索が続く見通しである。