イエメンの親イラン武装組織フーシ派が15日、南部アデンの大統領宮殿施設に向けてミサイルを発射し、政府側によると警備員ら5人が死亡した。サウジアラビア主導の有志連合軍は、同国各地のインフラが今月に入り多数の攻撃を受けていると発表しており、緊迫した情勢が続いている。
フーシ派とサウジ連合軍の主張の対立
フーシ派系サバ通信は軍当局者の話として、フーシ派はこの施設内にあるサウジ軍の軍事作戦本部と武器庫を標的にしたと報じた。しかし、ロイターはこの情報を独自に確認できていない。
フーシ派のヤヒヤ・サリー報道官は、今回の攻撃はサウジ軍の集結地点を場所にかかわらず攻撃するという方針の一環だと述べている。これに対し、サウジ連合軍はフーシ派が民間インフラや民間人を標的とした作戦を直ちに停止するよう要求した。
サウジアラビア国内の空港や施設への相次ぐ攻撃
サウジ連合軍のトゥルキ・マリキ報道官は記者会見で、フーシ派が今月、首都リヤドのキング・ハーリド国際空港に対して20回の攻撃を行い、17人が死亡、333人が負傷したと述べた。同空港はサウジ有数の国際航空ハブである。
さらに、国境に近いサウジ南西部のアブハ空港への攻撃により、3人が死亡、28人が負傷した。マリキ氏は、フーシ派が弾道ミサイル、ドローン、爆発物を搭載した高速艇など、高度な軍事技術を地域の勢力の支援を受けて入手したと指摘している。
連合軍による反撃と武器貯蔵施設の破壊
サウジ連合軍は、イエメンの山岳地帯にある127カ所の武器貯蔵施設と発射装置を破壊したことを明らかにした。また、南西部ハミスムシャイト上空でドローンを迎撃・撃墜したほか、同国南部地域に向けて発射された別のドローンも撃墜したと発表している。
サウジ当局は15日、ナジュランおよびジザンの各都市、ならびに同地域全域における潜在的な脅威について早期警戒発令を出したが、その後危険は去ったと発表した。
航空会社への警告と今後の見通し
連合軍の声明発表後、フーシ派の軍報道官は、サウジの領空と空港は安全ではないと表明し、航空会社への警告を改めて示した。ただし、聖地メッカとメディナ上空の空域は除外するとされている。
双方の軍事衝突が激化する中、サウジ連合軍はフーシ派に対し、連合軍の声明の行間を読んで作戦を停止するよう強く求めており、今後の周辺地域の安全保障体制や航空インフラへの影響が注視される。