欧州連合(EU)が15歳未満のSNS利用制限を打ち出し、オーストラリアが16歳未満の禁止に踏み切る中、日本国内では一律の年齢制限に対して慎重な議論が続いています。各国の法規制やプラットフォームによる年齢確認のあり方について、watch.impress.co.jpなどが報じています。
EUの法案発表と日本国内における一律禁止への慎重姿勢
欧州連合(EU)の欧州委員会が「EU子ども法案(EU KIDS Act)」を発表した一方、オーストラリアでは16歳未満の利用防止が事業者に義務付けられ、日本でも総務省やこども家庭庁の有識者会議が年齢制限や年齢確認について議論を行っている。.
Metaが示すSNS一律禁止への懸念と保護者承認の必要性
Metaの安全対策グローバル責任者であるアンティゴネ・デイビス氏は21日、一律の年齢制限について、規制対象外のサービスへの移動や年齢の偽装を招き、かえって子どもの安全を損なう恐れがあると懸念を表明しました(Impress Watch報道)。同氏はアプリダウンロード時に保護者の承認を求める仕組みについて、日本国内でも導入を望む考えを示しています。子どもが年齢を偽って成人として登録した場合、望ましくない相手からの接触を防ぐ機能や、保護者による見守り機能などが外れてしまうリスクが指摘されています。

AIを活用した年齢推定と各プラットフォームの対策
自己申告の限界を補うため、主要なSNSやサービスではAIなどを用いた年齢推定の導入が進んでいます。Instagramを運営する米Metaは、10代の可能性が高いアカウントをAIで見つけ出して10代向け保護設定「ティーンアカウント」へ切り替えるテストを米国などで実施してきました。一方、Discordは2026年3月から全世界の全利用者を初期状態で10代扱いし、独自の年齢推定モデルで成人を見分ける方式を採用しています。また、RobloxやChatGPTも、チャットや未成年向け保護の適用に向けて年齢予測や顔認証による確認を導入し始めています。
身分証提出に伴うリスクと誤判定という課題
年齢確認の厳格化に伴いリスクとなる本人確認書類の漏えいに関して、タイムズカーやDiscordでの情報流出が発表されているほか、年齢推定の手法では判定境目の年齢前後で誤判定が起きる課題も指摘されている。.
家庭での対話と今後のルールづくりの行方
ITジャーナリストの鈴木朋子は、子どもがSNSを始める際に親子で利用目的やリスクを話し合うことの重要性を指摘しています(Impress Watch報道)。特定のサービスだけに対策が限られると、子どもが別のサービスへ移動する抜け道が生じるため、各プラットフォームや行政が連携した安全対策が求められています。こども家庭庁の有識者会議は年内に最終報告書をまとめる予定であり、SNS事業者への年齢確認の義務付けを含めた具体的なルールづくりに向けた議論が続いています。