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JAXA、火星衛星フォボスからのサンプル採取を目指すMMX探査機をH3ロケットで打ち上げ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星の衛星フォボスから世界初となるサンプル採取を目指す無人探査機「火星衛星探査計画(MMX)」を搭載したH3ロケットを、鹿児島県の種子島宇宙セン…

JAXA、火星衛星フォボスからのサンプル採取を目指すMMX探査機をH3ロケットで打ち上げ

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、火星の衛星フォボスから世界初となるサンプル採取を目指す無人探査機「火星衛星探査計画(MMX)」を搭載したH3ロケットを、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げました。本計画にはNASAや欧州宇宙機関(ESA)なども参加しており、取得した試料は2031年に地球へ届けられる予定です。

種子島宇宙センターからH3ロケットが打ち上げられた歴史的瞬間

日本の大型主力ロケットH3が、MMX宇宙機を乗せて種子島宇宙センターから夜明け前に打ち上げられ、火星圏のフォボスを目指すミッションが始まりました。.

NASAのMMXプログラムエグゼクティブ兼科学者であるトム・ステトラー氏は「アドレナリンが大量に出て、興奮もものすごく、ただただ圧倒されています」と述べた。

フォボスへの到着とサンプル採取に向けた5年間の道のり

打ち上げられた探査機はこれから約1年をかけて火星の軌道圏へと向かい、2027年8月に火星圏に到着したのち、フォボス周辺の軌道に移行する計画です。

到着後はフォボスおよびもう一つの衛星ダイモスの詳細な観測を行い、表面の様子を慎重に調査しながら、ローバーを投下する最適な地点を選定することになります。

探査機はフォボスの軌道に同期し、調査を行います。その後、小型ローバーを投下し、表面での移動や観測を実施します。ローバーはフォボスの極端に弱い重力のため、着地時に跳ね返るような動きをしながら安全な着陸・サンプリング候補地を探す設計になっています。

NASAのMMPプログラムエグゼクティブを務めるトム・ステトラー氏は、本ミッションが火星圏から地球へと試料を持ち帰る史上初の試みであると指摘しています。

調査のハイライトとなるのは、主探査機による2回の「ソフトランディング」です。着陸船はフォボス表面に滞在し、少なくとも10グラムの土壌や岩石を採取します。その後、サンプルを格納した再突入カプセルが母船から離脱し、南オーストラリア州ウーメラの砂漠地帯へと帰還する計画です。

ドイツ航空宇宙センターのローバー主任であるマルクス・グレーベンステイン氏は「人生に一度きりのチャンスです。私たちは火星圏からの最初のサンプルリターンミッションの一員なのです」と語った。

太陽系の起源と生命の謎に迫る科学的意義

欧州宇宙機関(ESA)のMMXプロジェクト科学者であるエリオット・セフトン=ナッシュ氏は、地球の最先端研究室へサンプルを持ち帰ることで、現地に運ぶには複雑すぎる精密機器を使った分析が可能になると語っています。

ドイツ航空宇宙センターのローバー主任を務めるマルクス・グレーベンステイン氏も、火星系からのサンプルリターンに参加できるのは人生で一度きりの機会であると強調しています。

フォボスとダイモスの起源については、かつて巨大な天体が火星に衝突して飛び散った破片から形成されたという「ジャイアント・インパクト説」と、太陽系内の別の場所で形成された小惑星が火星の重力に捉えられたという説の2つが対立しています。

JAXA、火星衛星フォボスからのサンプル採取を目指すMMX探査機をH3ロケットで打ち上げ
写真:abc.net.au
計画の主なマイルストーン 時期
種子島からの打ち上げ 2026年10月20日
火星圏到着 2027年8月
地球へのサンプル帰還 2031年

専門家らによると、本ミッションで取得するアミノ酸の多様性や存在比率を調べることは、火星における生命の起源や宇宙の進化を解き明かす手がかりとなります。

さらにNASAの科学者らは、フォボスの表面にわずかに混じっている可能性のある火星由来の物質が一緒に回収できれば、衛星探査でありながら「火星自体の破片」を手に入れるという予期せぬ成果にも繋がり得ると期待を示しています。

地球外物質分析と今後の国際的な火星探査競争

NASAは日本側が持ち帰るサンプルのうち少なくとも15%を受け取り、国内外の科学者コミュニティによる詳細な分析を進めること取り決めています。

JAXA、火星衛星フォボスからのサンプル採取を目指すMMX探査機をH3ロケットで打ち上げ
写真:Reuters

これまでにアメリカが火星表面へ9機の宇宙機を送り込み、中国も2021年に火星着陸を成功させていますが、火星の衛星への着陸とサンプル回収を試みるのは今回が世界で初めてとなります。

他国の動向として、中国は2028年頃に「天問3号」の打ち上げを予定しており、早ければ2031年にも火星のサンプルを地球へ持ち帰る計画を進めているため、日本のMMXミッションの帰還時期と並び、2030年前半は火星科学にとって重要な転換期になると見られています。

執筆者について: nipponese

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