サウジアラビアにある米大使館の職員と家族に対し、米国務省が21日に退避命令を出したと、Yahoo!ニュースが報じた。イエメンの親イラン武装組織フーシ派による空港や重要施設への攻撃が継続し、民間人の死傷者や交通の混乱が生じていることが背景にある。
米大使館が職員と家族へ退避命令を出した背景
米国務省のピゴット報道官が21日にX(旧ツイッター)で明らかにしたところによると、サウジアラビア国内の米大使館の一部職員と家族に対して退避命令が発出された。イエメンの親イラン武装組織フーシ派によるサウジの空港や重要施設への攻撃が続いており、民間人の死傷者や交通の混乱が生じていることが主な理由に挙げられている。サウジ南部では外務省がすでに危険レベルを引き上げ、不要不急の渡航中止を呼びかけていた状況下での措置となった。
サウジ東部の国際空港で発生した攻撃の実態
ロイターの報道によると、サウジ東部の国際空港が21日に攻撃を受け、2人が死亡し8人が負傷したと現地当局が発表した。フーシ派による相次ぐ攻撃はインフラや交通網に深刻な打撃を与えており、民間人の犠牲者が具体的に出ていることが現地の緊張を急激に高めている。中北部の要衝アマリブでもサウジ支援軍とフーシ派の間で戦闘が続いており、AP通信などがその映像を公開するなど、衝突の範囲は拡大の様相を見せている。
中東情勢の緊迫化と各国・組織の動き
テレビ朝日系の報道では、フーシ派幹部が米国の参戦に対して必ず報復すると主張しており、戦線がさらに拡大する懸念が指摘されている。ロイターによると、イエメン周辺の海峡通航を扇動し続ければ米基地を攻撃するとイラン側も牽制している。こうした中東地域の軍事衝突の拡大に対しては、原油価格の上昇など世界経済への影響を懸念する声も強く、米国の外交官らに対する退避命令は原油先物の上昇にもつながっている。
米国防長官のイスラエル訪問と周辺国の反応
ロイターは、米国防長官がイスラエルを電撃訪問し、ネタニヤフ氏と会談してイラン情勢を協議したと伝えている。また、エジプトのイエメン内戦介入に対してイランの外相がけん制するなど、周辺国を巻き込んだ外交・軍事的な駆け引きも活発化している。フランスのマクロン大統領が国内デモの原因を移民とするトランプ米大統領の主張を批判するなど、欧米間でも外交上の摩擦が生じる複雑な国際情勢となっている。
今後の見通しと残された懸念事項
フーシ派によるサウジ施設への攻撃やイラン側の牽制が続く中、米国務省による退避命令が地域全体の安全保障にどのような影響を与えるかが注目されている。軍事衝突がさらに拡大するかどうか、また民間人の安全確保や原油価格への波及がどのように推移するのかについては、今後の現地当局の対応や各国の外交交渉の行方に委ねられている。