米国のドナルド・トランプ大統領は10月23日、11月3日の米中間選挙を控え、一部のカナダ産品に対する追加関税を免除する一方、新たな輸入品には追加の賦課金を科す大統領令に署名した。
トランプ政権が導入した対カナダ関税をめぐり、米国の国境州で共和党の候補者から懸念の声が上がっていた。これを受けてホワイトハウスは10月23日、特定のカナダ製品に対する50%の関税を解除し、別の品目には新たな課税を行う方針を明らかにした。
スーザン・コリンズ上院議員の働きかけと免除対象となった品目
メイン州で再選を目指すスーザン・コリンズ上院議員は23日、自身の働きかけにより、州内の農業や産業に不可欠な一部のカナダ製品が関税免除の対象になったと発表した。
今回免除されるのは、合板、一部の紙製品、特定の機械類、冷凍設備、梱包用の木箱や段ボール箱、さらに乾燥および生鮮の海藻類などである。変更は10月30日付で発効する。
コリンズ議員は、メイン州の農家やブルーベリー、ジャガイモ、リンゴの生産者らが、米国製品では代替が難しいカナダ製の専用機械や資材に依存している実態を政権側に訴えていた。
コリンズ議員はまた、多くの生産者が米国製では調達できない、あるいは法外な費用がかかるカナダ製の梱包資材に頼らざるを得ない現状を強調した。
ホワイトハウスによる関税の範囲調整と新たな対象品目
ホワイトハウスの報道担当者マシュー・ミドルトン氏は、今回の措置について、トランプ大統領がカナダ側の不公正な通商慣行への対抗措置を継続するものだと説明した。
一方で、一部の免除措置と同時に、別のカナダ産品には新たに50%の関税が課されることになった。新たにリストに追加された品目には、カーペット、特定のバルブ、廃棄物などが含まれている。
民主党からの批判と緊迫する米加貿易戦争の背景
メイン州でコリンズ議員の議席を狙う民主党のトロイ・ジャクソン候補は、トランプ氏の通商政策が地元の生活コストを引き上げたとして、現職議員の責任を追及する姿勢を鮮明にしている。
今年8月、米加の貿易交渉が決裂したことを受け、トランプ大統領はカナダからの輸入品およそ200億米ドル分に対して50%の高関税を発動した。これに対しカナダ側も9月に報復措置として米国製品への関税を引き上げており、両国間の摩擦が続いてきた。
米国の通商代表部が発表している統計によれば、米国の対カナダ商品貿易赤字は483億米ドル水準であり、これは主に米国の精製所がアルバータ州の原油を世界価格より安価に大量購入していることが背景にある。
カナダ側の反応と今後の両国関係の行方
カナダのドミニク・ルブラン貿易担当大臣は、今回の米国による関税措置について言及した声明を発表した。
米国側の関税緩和が10月30日に迫る中、メイン州やミシガン州といった国境沿いの激戦州では、与野党の候補者が有権者の支持を集めるための攻防を最終局面へと進めている。