アメリカのフォーコーナーズ地域(ニューメキシコ、コロラド、ユタ、アリゾナの4州が交わる地域)で記録的な豪雨が発生し、複数の州で深刻な洪水や道路の寸断、土砂崩れなどの被害が広がっている。太平洋で活動していたハリケーン・トルディ(Hurricane Trudy)の残骸が南西からの風に乗って内陸へ移動し、低気圧システムとなったことが今回の豪雨を引き起こしたと、気象関係者は説明している。南西部では夏場の干ばつが終わった後も2か月にわたり大雨が続いており、今回の豪雨によって各地で洪水が発生しやすい状況となっていた(CTV News)。
各地での救助活動と避難措置
ニューメキシコ州サン・ジュアン郡では、サン・ジュアン川やアニマス川の氾濫により住宅地が冠水し、当局は非常事態宣言の発令を進めた。同郡の報道官であるデヴィン・ニーリー(Devin Neeley)氏によると、ニューメキシコ州兵のボートやヘリコプター、水陸両用車が出動し、屋根の上や水深3〜4フィート(約1〜1.5メートル)に達した住宅から住民を救助する作業が行われた(CTV News)。ファミントン警察署長のスティーブ・ヘビー(Steve Hebbe)氏は、今回の事態を「一世代に一度の出来事」と表現し、死者は報告されていないものの、事態は非常に深刻であると警告した(CTV News、KOB 4)。また、ファミントン市長のジョン・モーラー(John Mohler)氏は、下水処理施設が安全に稼働を再開できるよう、住民に対して排水の制限を要請している(KOB 4)。
アリゾナ州北東部からニューメキシコ州北西部、ユタ州南東部にかけて広がるナバホ族の警察部門によると、木曜日の時点で洪水に見舞われた住宅から30人(7家族)が救助された。同じくアリゾナ州北東部のホピ族も、道路や橋、住宅などのインフラに甚大な被害が出たとして木曜日に非常事態を宣言している(NPR)。ユタ州南部でも市街地で緊急事態宣言が出され、100棟を超える住宅やRV車が被害を受けたほか、当局や住民による救助活動が続けられた(NPR)。
コロラド州南部での被害と災害宣言
南部コロラド州では、パゴサスプリングスなどの町で洪水が深刻化し、パゴサスプリングスでは川の水位が観測史上2番目に高い15.02フィートに達した。コロラド州のジャレッド・ポリス(Jared Polis)知事は、同州の11郡を対象に災害緊急事態を宣言した(CTV News、Durango Herald、KOB 4)。アーチュレタ郡の保安官マイク・ル・ルー(Mike Le Roux)氏によると、増水した川の中州にある水没しかけた車両に取り残された2人と3匹の犬を救出するため、州のヘリコプターが出動する事態となった(CTV News)。
また、レッドマウンテンパスの一部が洗い流されたほか、ウルフクリークパス、コロラド州道151号線、同州道17号線などの道路が通行止めとなった。デュランゴ&シルバートン狭軌鉄道も少なくとも月曜日まで運行を停止している(Durango Herald)。
今後の見通しと支援体制
アメリカ赤十字社などの支援組織は、マギーパーク(サン・ジュアン郡)、ラプラタ郡フェアグラウンズ(デュランゴ)、パゴサレイクス物件HOAクラブハウス(パゴサスプリングス)などに避難所を開設し、食料や水、医療支援、ペットの受け入れなどを行っている(KOB 4)。気象予報では土曜日から日曜日にかけてさらに雨が降る可能性が指摘されており、地域住民や当局は引き続き警戒を強めている(NPR、CTV News、Durango Herald)。
