CNNの主席国際アンカーであるクリスティアン・アマンプールが、43年間にわたるキャリアを経て2027年6月に同ネットワークを退職することが発表されました。
クリスティアン・アマンプールが描いた43年の軌跡と段階的な番組終了
68歳になるアマンプールは、1983年にアトランタのニュースデスクでアシスタントとしてCNNでの歩みを始めました。その後、1990年の湾岸戦争をはじめ、ボスニア紛争、ルワンダ、アフガニスタン、イラン、ウクライナなど、世界各地の紛争地から現場の声を伝え続け、CNNを代表する国際ジャーナリストとしての地位を確立しました。2009年からは、自身の名を冠した番組『Amanpour』のホストをCNNインターナショナルで務めています。
退職に向けたプロセスとして、彼女は2027年1月から自身の番組を週1回の放送へと段階的に縮小し、5月末に終了させる予定です。その後、6月いっぱいまで移行期間の業務をこなし、正式にネットワークを去ることになります。また、PBSで放送されている『Amanpour & Company』についても、2026年末をもって終了する見通しです。
アマンプールは自身のキャリアについて、次のように振り返る声明を発表しています。
クリスティアン・アマンプールは「何ヶ月も悩み、眠れない夜も何度か過ごした末に、43年間にわたる素晴らしいパートナーであったCNNを離れる決断をしました!」と述べました。
彼女は退職の理由について明言していませんが、これまで共に働いてきた現場クルーや制作チームへの深い感謝を表明しています。今後については、元夫で元米国務省外交官のジェイミー・ルービンと共に制作するポッドキャスト『The Ex Files』を継続しつつ、新たなプロジェクトに取り組む意向を示しています。
新オーナー・スカイダンスによる買収とニュースルームの懸念
今回の退職発表は、スカイダンスが所有するパラマウントが、CNNの親会社であるワーナー・ブラザース・ディスカバリーを810億ドルで買収し、10月6日に完了させた直後のタイミングとなりました。この合併により、CBSニュースとCNNという米国の主要ニュース機関が同一の所有権の下に統合されることとなりました。
アマンプールは、合併に向けた動きが進行していた今年5月のイベントにおいて、将来に対する懸念を公に口にしていました。
クリスティアン・アマンプールは「明らかに懸念しています。進行中の企業案件についてどこまで話していいのか分かりませんが、一人の人間として、そして実績のあるジャーナリストとして、明らかに懸念を抱いています。(エリソン氏が)既に買収したCBSニュースのような他の組織に何が起きたかを見る限り、不安を感じざるを得ません」と語りました。
CNNのマーク・トンプソン会長は、デヴィッド・エリソンがCNNの編集権の独立性を守るために独立した監視委員会を設置することを約束したと述べています。トンプソン会長は、アマンプールと数ヶ月にわたって退職について話し合ってきたことを明かし、彼女の個人的およびプロとしての決断を尊重する姿勢を示しました。
健康面での向き合い方と今後の活動
プロとしての節目を迎える一方で、アマンプールは自身の健康問題とも向き合ってきました。彼女は2021年6月に卵巣がんの診断を受けたことを番組内で公表し、闘病生活を送ってきました。その後も再発を経験しながら、早期発見のために「可能な限りすべてのスキャンを受けること」の重要性を視聴者に訴え続けてきました。

トンプソン会長は、スタッフに向けたメモの中で次のように述べています。

マーク・トンプソンは「今日このニュースを聞く多くのCNNスタッフと同様に、彼女が去ってしまうのは非常に残念ですが、個人的にもプロとしても、今が彼女にとって適切な時期なのだと受け入れています」と述べました。
アマンプールは、自身のジャーナリズム哲学として「物事は複雑すぎてテレビで扱えないということはない」という信念を貫いてきました。スタッフや同僚に向けた最後のメッセージとして、独立したジャーナリズムの重要性を説き、次のように呼びかけました。
クリスティアン・アマンプールは「忘れないでください。常に中立ではなく、真実であれ」と呼びかけました。