香港で2000年代に大流行した現代版ベーゴマ「ベイブレード」の人気が再燃している。交流サイト(SNS)への台湾人の投稿が発端となり、長時間労働に直面する香港の大人たちの間でストレス解消の手段として競技熱が高まっていると、共同通信や沖縄タイムスなどが報じた。
SNSの投稿が火付け役となった香港での人気再燃
香港において、かつて親しまれた玩具の人気が再び高まりを見せている。2000年代に大流行した現代版ベーゴマであるベイブレードは、今年2月に交流サイト(SNS)へ寄せられた台湾人の投稿をきっかけとしてブームが再熱した。投稿者は親戚の子どもに腕前をばかにされたと書き込んでおり、その内容が子どものころに同様の玩具で遊んだ経験を持つ世代の勝負心を大きく刺激したと、各メディアは伝えている。

売上高10倍を記録した市場の熱気と対戦の仕組み
7月に香港中心部の商業施設で行われたイベントでは、かけ声とともに約40センチ四方の対戦用スタジアムへコマが放たれ、会場の熱気が一気に高まった。専用の発射装置を用いた対戦の半分は大人と子どもによるもので、総代理店である羅錦旺社長の証言によると、一連のブームにより売り上げは10倍に急増した。発売元のタカラトミー(東京)は、台湾や中国本土などのアジア圏で広く支持されていると説明している。
競技性の高さに魅了された愛好家たちのコミュニティ
香港では愛好家のコミュニティが形成され、親子で一緒に遊ぶ姿が多く見られる。北部・新界地区元朗で精肉店を営む陳冠嵐さんは、競技性の高さにのめり込み、約1万香港ドルを投じて100個を超えるコマを買い集めた。陳さんは市場の空きテナントにスタジアムを設置し、豚肉を賞品にして対戦相手を募ったところ、小学生から中年までの幅広い層が挑戦に現れたという。年齢や性別の垣根を越えて新たな友人ができた一方、人気が加熱するあまりコマの入手が難しくなっている状況も生じている。
おもちゃの枠を超えて広がる高齢者訓練や授業での活用
この玩具の活用法は、単なる娯楽の枠を超えた広がりを見せている。香港メディアの報道によると、高齢者の手や目の訓練を行うためのリハビリ的用途や、学校の理科の授業の教材としても利用されるようになった。羅社長は、新型コロナウイルスの流行によって希薄化してしまった現実世界での交流を取り戻す大きなきっかけになったと評価している。長時間労働を強いられる香港の社会環境において、対面での対戦を通じたコミュニケーションが貴重な息抜きとなっている。