2026年10月18日、ウクライナはロシア全土に向けて1,000機を超えるドローンを発射し、サンクトペテルブルクの石油関連施設やインフラを直撃した。この大規模攻撃は、米露間のディーゼル取引や制裁緩和をめぐる外交的緊張が急速に高まる中で発生した。
民間企業やデータセンターへの波及
ウクライナ軍による無人機攻撃は石油施設にとどまらず、ロシア国内の広範な経済インフラや流通拠点にも波及した。オンライン小売大手のオゾン社が運営する物流センターや、ロシアのソーシャルメディア企業VKのデータセンターも標的となった。また、ドローンを製造するウクライナの企業ファイア・ポイント社は、ターミナル敷地内で火災が発生したことを確認している。
さらに、ノヴォシャフチンスク製油所にある石油積替ターミナルでも激しい火災が発生した。サマラ州のプロスヴェト近郊にある、原油の受入・貯蔵・混合を行うハブ施設も攻撃を受け炎上するなど、ロシア全土の重要インフラが広範囲にわたって打撃を受けた。
米ウ関係の亀裂とエネルギー停戦をめぐる対立
こうした中、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米国のドナルド・トランプ大統領が数日前に発表した「エネルギー停戦」の後も、ロシア側がウクライナのエネルギーおよび石油・ガス部門に対して攻撃を続けていると非難した。ゼレンスキー氏は、米国大統領がエネルギー停戦を発表してからの1週間に、ロシアがウクライナのエネルギー関連施設などに対して76回もの攻撃を行ったと自身の公式SNS(旧X)に投稿した。
トランプ政権がロシア産ディーゼル燃料の輸入容認や一部制裁の解除に踏み切ったことが、キエフ側の強い反発を招いた。トランプ大統領は、ウクライナによるロシアの石油インフラ攻撃が米国の燃料価格を高騰させていると批判し、ゼレンスキー大統領が戦争終結を望んでいないとソーシャルメディア上で激しく非難した。これに対しゼレンスキー氏は、米NBCニュースの番組「ミート・ザ・プレス」に出演し、米国がロシア側に付くことは歴史的な大間違いであり、悲劇になると警告した。
情報共有の再開と今後の見通し
緊張の度合いが増す一方で、両国間での連絡や外交的接触も一部で続けられている。ゼレンスキー大統領は、米国の特使であるスティーヴ・ウィトコフ氏と協議を行ったことを明らかにし、一時は数日間にわたって遮断されていた米国との情報共有がその後再開されたと述べている。ただし、ウクライナ側からは、米国との通信網の利用制限などを通じた圧力も示唆されている。

また、リトアニアの国家危機管理センターによると、PASVALYS(パスヴァリス)北部地域でドローンが移動中の車を損傷させたが、負傷者は出なかった。