日本語版
最新ニュース
世界

民主党の選挙参謀カービル氏がトランプ大統領に選挙戦術の疑問を呈した

民主党の著名な選挙参謀であるジェームズ・カービル氏は、米政治専門紙「ザ・ヒル」の報道によると、ポッドキャスト番組でドナルド・トランプ大統領の行動について「どれ一つとして選挙に勝とうとしている人間の行動とは思えない」と皮肉を浴びせた。. ジェームズ・カービル氏が指摘するトランプ大統領の選挙戦術への疑問 民主党の著名な選挙参謀であるジェームズ・カービル氏は、10月8日付の米政治専門紙「ザ・ヒル」のポッドキャスト番組に出演し、トランプ大統領の言動について言及した。カービル氏は番組内で「彼のやっていることは、どれ一つとして選挙に勝とうとしている人間の行動とは思えない。議会の共和党議員たちを困らせたいだけなのか。彼らを憎んでいるのか」と疑問を投げかけた。さらに、「ひょっとすると、彼は正気を失っているのかもしれない」とまで言い放った。共和党大統領に対して厳しい姿勢をとることは民主党の参謀として当然であるものの、今回の発言には米国の選挙史における重要な背景が存在している。 1992年大統領選を生んだ名言「愚か者よ、問題は経済なのだ」の背景 カービル氏は、米国の選挙史に残る有名な言葉「It's the economy, stupid(愚か者よ、問題は経済なのだ)」を生み出した人物である。1992年の大統領選挙において、同氏は民主党候補ビル・クリントン氏の選挙参謀を務めた。当時の現職であるジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、前年の湾岸戦争での勝利により一時は90%もの支持率を誇る人気大統領だった。しかし、国内では不況が続き国民の暮らしは苦しかった。カービル氏は選挙本部の壁にその言葉を貼り出し、外交上の成果に目を奪われず国民の生活に直結する経済問題を選挙戦の中心に据えるようスタッフを戒めた。結果としてクリントン氏が勝利を収め、この言葉は米国の選挙のたびに引用されるようになった。 トランプ政権の看板政策がもたらしている米国民の深刻な経済負担 34年が経過し、カービル氏の言葉は今度はトランプ大統領に向けられる形となっている。トランプ氏が推進してきた看板政策である関税、移民規制、そしてイラン戦争のいずれもが、米国民の暮らしに大きな経済負担をもたらしていると指摘されている。10月8日付の米CNBCによると、ニューヨーク連邦準備銀行の研究チームは、トランプ政権の関税によって67品目の消費財の物価上昇率が今年2月時点で2.9ポイント押し上げられたとする分析結果を発表した。さらに、不法移民の大量強制送還や入国規制によって外国生まれの労働者が100万人以上減少し、農業や建設業、飲食業などで深刻な人手不足を引き起こしている。イラン戦争による原油供給の混乱も加わり、米国内のガソリンや軽油の価格は高騰した。 経済問題の根底にある自らの政策を改めようとしないトランプ大統領 トランプ大統領には、こうした経済問題の根底にある自らの政策を改めようとする気配が見当たらない。関税問題においては、隣国カナダの一部輸入品に50%もの関税を課し、カナダ政府が報復関税で対抗するなど貿易摩擦が激化している。イラン戦争の局面でも強硬姿勢を崩さず、ロシアのプーチン大統領と交渉して30万トン以上の軽油を市場に供給してもらうことで当座の危機をしのいだが、合意直後に下落した軽油価格は再び上昇した。移民政策でも姿勢を緩めることはなく、10月12日にはトランプ批判の急先鋒であるソマリア生まれの民主党下院議員イルハン・オマル氏の自宅が連邦捜査当局による家宅捜索を受けた。オマル氏は不正を否定し政治的な嫌がらせだと反発を強めている。 1992年と異なる事情と大統領府に向けられる新たな視線 1992年のブッシュ政権下と現在では状況の性質が大きく異なっている。当時のブッシュ氏は湾岸戦争で勝利したものの国内不況によって支持を失ったが、トランプ氏の場合は経済不振そのものに加え、自らの政策が物価上昇や市場の混乱を招いていると批判されている。これではカービル氏が「トランプはわざと負けようとしているのか」と疑うのも無理はない状況だ。ジャーナリストの木村太郎氏が指摘するように、34年前の「The economy, stupid」という言葉を今度はホワイトハウスの執務室に掲げる必要があるのかもしれない。ただし相手が現職大統領であるため、「stupid」と呼びかける代わりに「It's the economy, Mr. President!(大事なのは経済です! 大統領閣下)」と丁寧に言い換えるべきだという皮肉が成立するほど、現在の政権運営は国民生活の経済実態から乖離した状態にある。

FNNプライムオンライン(フジテレビ系)

民主党の著名な選挙参謀であるジェームズ・カービル氏は、米政治専門紙「ザ・ヒル」の報道によると、ポッドキャスト番組でドナルド・トランプ大統領の行動について「どれ一つとして選挙に勝とうとしている人間の行動とは思えない」と皮肉を浴びせた。.

ジェームズ・カービル氏が指摘するトランプ大統領の選挙戦術への疑問

民主党の著名な選挙参謀であるジェームズ・カービル氏は、10月8日付の米政治専門紙「ザ・ヒル」のポッドキャスト番組に出演し、トランプ大統領の言動について言及した。カービル氏は番組内で「彼のやっていることは、どれ一つとして選挙に勝とうとしている人間の行動とは思えない。議会の共和党議員たちを困らせたいだけなのか。彼らを憎んでいるのか」と疑問を投げかけた。さらに、「ひょっとすると、彼は正気を失っているのかもしれない」とまで言い放った。共和党大統領に対して厳しい姿勢をとることは民主党の参謀として当然であるものの、今回の発言には米国の選挙史における重要な背景が存在している。

1992年大統領選を生んだ名言「愚か者よ、問題は経済なのだ」の背景

カービル氏は、米国の選挙史に残る有名な言葉「It’s the economy, stupid(愚か者よ、問題は経済なのだ)」を生み出した人物である。1992年の大統領選挙において、同氏は民主党候補ビル・クリントン氏の選挙参謀を務めた。当時の現職であるジョージ・H・W・ブッシュ大統領は、前年の湾岸戦争での勝利により一時は90%もの支持率を誇る人気大統領だった。しかし、国内では不況が続き国民の暮らしは苦しかった。カービル氏は選挙本部の壁にその言葉を貼り出し、外交上の成果に目を奪われず国民の生活に直結する経済問題を選挙戦の中心に据えるようスタッフを戒めた。結果としてクリントン氏が勝利を収め、この言葉は米国の選挙のたびに引用されるようになった。

トランプ政権の看板政策がもたらしている米国民の深刻な経済負担

34年が経過し、カービル氏の言葉は今度はトランプ大統領に向けられる形となっている。トランプ氏が推進してきた看板政策である関税、移民規制、そしてイラン戦争のいずれもが、米国民の暮らしに大きな経済負担をもたらしていると指摘されている。10月8日付の米CNBCによると、ニューヨーク連邦準備銀行の研究チームは、トランプ政権の関税によって67品目の消費財の物価上昇率が今年2月時点で2.9ポイント押し上げられたとする分析結果を発表した。さらに、不法移民の大量強制送還や入国規制によって外国生まれの労働者が100万人以上減少し、農業や建設業、飲食業などで深刻な人手不足を引き起こしている。イラン戦争による原油供給の混乱も加わり、米国内のガソリンや軽油の価格は高騰した。

経済問題の根底にある自らの政策を改めようとしないトランプ大統領

トランプ大統領には、こうした経済問題の根底にある自らの政策を改めようとする気配が見当たらない。関税問題においては、隣国カナダの一部輸入品に50%もの関税を課し、カナダ政府が報復関税で対抗するなど貿易摩擦が激化している。イラン戦争の局面でも強硬姿勢を崩さず、ロシアのプーチン大統領と交渉して30万トン以上の軽油を市場に供給してもらうことで当座の危機をしのいだが、合意直後に下落した軽油価格は再び上昇した。移民政策でも姿勢を緩めることはなく、10月12日にはトランプ批判の急先鋒であるソマリア生まれの民主党下院議員イルハン・オマル氏の自宅が連邦捜査当局による家宅捜索を受けた。オマル氏は不正を否定し政治的な嫌がらせだと反発を強めている。

1992年と異なる事情と大統領府に向けられる新たな視線

1992年のブッシュ政権下と現在では状況の性質が大きく異なっている。当時のブッシュ氏は湾岸戦争で勝利したものの国内不況によって支持を失ったが、トランプ氏の場合は経済不振そのものに加え、自らの政策が物価上昇や市場の混乱を招いていると批判されている。これではカービル氏が「トランプはわざと負けようとしているのか」と疑うのも無理はない状況だ。ジャーナリストの木村太郎氏が指摘するように、34年前の「The economy, stupid」という言葉を今度はホワイトハウスの執務室に掲げる必要があるのかもしれない。ただし相手が現職大統領であるため、「stupid」と呼びかける代わりに「It’s the economy, Mr. President!(大事なのは経済です! 大統領閣下)」と丁寧に言い換えるべきだという皮肉が成立するほど、現在の政権運営は国民生活の経済実態から乖離した状態にある。

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。