米国上院は金曜日、ロシアへの制裁を強化する超党派の法案を賛成86、反対11の票で可決した。この法案は、先月71歳で急逝したサウスカロライナ州選出の共和党、リンジー・グラハム元上院議員が尽力していたもので、故人の功績を称え「リンジー・O・グラハム対ロシア制裁法(Lindsey O Graham Sanctioning Russia Act)」と改名された。
ロシア経済への打撃と関税権限
本法案は、2022年に始まったウクライナ侵攻を終結させるため、ロシア経済を抑制することを目的としている。具体的には、ウラジーミル・プーチン大統領や軍の最高指揮官に対する新たな制裁やビザ禁止措置を課すほか、ロシアの輸出製品に最大500%の関税を課すとしている。

また、ロシアから石油や天然ガスを購入する国々への厳しい罰則も導入される。これにより、ドナルド・トランプ大統領は、中国やインドなどロシア産エネルギーの主要購入国に対し、最大100%の関税を課す権限を持つことになる。あわせて、イランに対する制裁も延長される。
グラハム元議員の後任として任命された妹のダーリン・グラハム上院議員は、上院本会議での演説で、ロシアの戦争資金は主にエネルギー販売による収益で賄われており、この法案はプーチンが痛手を負う部分を打撃すると述べた。
今後の手続きと懸念点
法案は今後、下院での審議を経てトランプ大統領の署名を得る必要がある。トランプ大統領およびマイク・ジョンソン下院議長は支持を表明しているが、下院の民主党議員の一部からは、大統領に新たな関税権限を与えることへの懸念が出ている。
民主党のロン・ワイデン上院議員は、大統領に過度な裁量権が与えられ、議会がこれらの関税を撤回させる仕組みがないことを批判した。また、下院外交委員会の民主党筆頭委員であるグレゴリー・ミークス氏は、この権限が欧州の同盟国を含む国々にさらなる関税を課す「大規模な裏口権限」になると指摘している。