米国の既存住宅市場で販売成立後の契約破棄が急増し、9月にはRedfinのデータで記録的レベルに達しました。住宅ローンの金利が約3年ぶりの高水準となる7.
住宅ローン金利の急騰と広がる契約破棄の動き
住宅購入をめぐる環境は厳しさを増しています。週平均の住宅ローン金利が10月8日の週に7.4%に達したことで、買い手の負担は過去最高水準に膨らみました。買い手側が多くの選択肢を持つ買い手市場では、インスペクションの結果や毎月の返済額への懸念から、契約を手放す動きが強まっています。
全国的に見ると、ジャクソンビルやタンパ、ラスベガスといった主要な買い手市場では、契約のキャンセル率が20%近くに達し、国内の他のどの地域よりも高い割合を記録しました。これとは対照的に、サンフランシスコのような強い売り手市場では、破談となった取引はわずか2.8%にとどまっています。
在庫の増加と地域ごとに異なる価格動向
市場全体の販売ペースが鈍る一方で、物件の供給量は改善傾向にあります。全米不動産協会(NAR)の発表によると、9月末時点の未売却住宅の在庫は160万戸となり、前月から1.9%増加、前年同月比でも4.6%増加し、2019年11月以来の高水準を記録しました。現在の販売ペースに基づくと、およそ4.8ヶ月分の供給量に相当します。

| 地域 | 既存住宅販売の前月比変化 | 前年同月比の変化 |
|---|---|---|
| 南部 | 2.8%増 | 0.5%減 |
| 西部 | 2.8%増 | 5.2%減 |
| 中西部 | 横ばい | 2.1%減 |
| 北部 | 2.1%減 | 4.1%減 |
地域によって動きは分かれています。南西部で小幅な持ち直しが見られた一方、価格面では底堅さが続いています。9月の全米既存住宅の平均的な中央値価格は417,500ドルとなり、前年同月比で1.3%上昇しました。これにより、39ヶ月連続で前年を上回る推移を記録しています。
また、市場全体では新築住宅の販売見積もりや借入申請件数にも影響が出ており、住宅ローン金利の急上昇が幅広い不動産セクターの足かせとなっています。新規の購入申込における平均借入額が上昇する一方で、初回購入者層はより大きな打撃を受けています。
専門家が指摘する今後の見通しと市場の二極化
金利の高止まりは、市場の構造そのものを変えつつあります。購入意欲を持つ層の一部が賃貸市場へと流れており、不動産投資家の間では売買市場の停滞と賃貸需要の加速という二極化への対応が迫られています。Zillowのデータによれば、一般的な賃貸住宅を借りるために必要な世帯収入は約1,932ドルであるのに対し、一般的な住宅を購入するには約2,777ドルが必要であり、大きな乖離が存在しています。.
Zillowの上級エコノミストであるカラ・ン氏は、「住宅ローン金利の高騰により、住宅購入希望者は賃貸へと直接押しやられている」と述べた。
さらに、全米不動産協会の首席エコノミストであるローレンス・ユン氏は、金利上昇が続く非常に厳しい市場環境であると指摘しています。専門家らは、今後の住宅市場において購入者の資格要件への影響や、さらなる景気の冷え込みに警戒感を示しており、秋以降の推移が注目されています。