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FRBのケビン・ウォールシュ議長がAI投資による経済ショックの可能性を警告し利上げ判断を明言せず

連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォールシュ議長は10月16日、タイのバンコクで開催された国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で講演し、人工知能(AI)への投資拡大が米…

FRBのケビン・ウォールシュ議長がAI投資による経済ショックの可能性を警告し利上げ判断を明言せず

連邦準備制度理事会(FRB)のケビン・ウォールシュ議長は10月16日、タイのバンコクで開催された国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会で講演し、人工知能(AI)への投資拡大が米国経済に「ショック」をもたらす可能性があると警告した。ウォールシュ議長は、AI関連の支出増が需要を押し上げ、物価上昇圧力として作用している現状を指摘し、中央銀行として物価安定を維持する決意を改めて強調した。

AI投資がもたらす経済への影響

ウォールシュ議長は、AI分野での巨額投資がデータセンター建設やチップ製造といった活動を通じて経済を刺激している一方で、供給側の対応が追いつかない中で需要が先行している現状について言及した。議長は、AIが長期的には生産性向上や富の創出に寄与するという楽観的な見方を示しつつも、「そこに至るまでの道のりは非常にでこぼこしたものになるだろう」と述べ、市場構造の不透明さを指摘した。

現在、データセンター関連企業やクラウド事業者などは、設備投資資金を調達するために公的債務市場で過去に例のない規模の資金調達を行っている。こうしたAIブームに伴う支出の増大は、消費者が直面する物価上昇の一因ともなっており、Appleなどの企業はコスト増を理由に製品価格の引き上げを余儀なくされている。

金融政策と利上げ判断の行方

FRBは9月に、2023年以来初となる0.25%の利上げを実施し、金利を3.75%から4%の範囲に引き上げた。しかし、9月の消費者物価指数(CPI)が3.7%に達するなどインフレ圧力は根強く、10月27日〜28日に予定されている次回連邦公開市場委員会(FOMC)での対応に市場の注目が集まっている。

FRBのケビン・ウォールシュ議長がAI投資による経済ショックの可能性を警告し利上げ判断を明言せず
写真:CNBC

ウォールシュ議長は、将来の会合での判断をあらかじめ明言する「フォワードガイダンス」の手法を否定する姿勢を貫いており、今回の会合でも10月や12月の利上げの是非について明言を避けた。「私は会合の結果を予断しない。今年残りの会合で何をするかを今語ることはしない」と述べ、データに基づいた判断を重視する方針を示した。

市場では、ウォールシュ議長の慎重な発言を受け、10月の会合でFRBが利上げを見送り、金利を据え置くとの観測が強まっている。CMEグループの「FedWatchツール」によると、10月の会合で金利が維持される確率は86%に達しており、投資家はFRBが一時停止を選択する可能性を織り込みつつある。

世界的な引き締めとインフレの懸念

ウォールシュ議長は、世界各地の中央銀行が同様に物価安定を求めて金融引き締めを行っている状況に言及し、「世界中のほとんどの場所で金融政策の同期的な引き締めが起きている」と指摘した。

FRBのケビン・ウォールシュ議長がAI投資による経済ショックの可能性を警告し利上げ判断を明言せず
写真:Yahoo Finance

米国経済は、2月に始まったイランとの紛争に伴うエネルギー供給ショックや、高水準のインフレに直面している。議長はこうした地政学的リスクや軍事衝突による影響を認識しつつも、長期的には米国経済は強靭さを保ち、世界的な成長を牽引する能力を備えるだろうと、楽観的な見解を維持した。

次回のFOMCは中間選挙を目前に控えた10月下旬に開催される。FRBの次の一手が、インフレ抑制と経済成長維持のバランスをどう図るのか、市場は引き続き注視している。

執筆者について: nipponese

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