イングランドのバス車内で導入された新たな罰則と取締り体制
イングランド国内のバス車内でスマートフォンのスピーカーから大音量で音楽や動画を流す行為、いわゆる「ラウドキャスティング」や「ソッドキャスティング」に対し、最高100ポンド(約2万円)の定額罰金を科す新たな仕組みが動き出した。政府はバス車内での迷惑行為を取り締まるため、地方自治体に向けた新たな権限のガイダンスを発出している。
こうした迷惑行為には、大音量の音声だけでなく、ごみのポイ捨て、電子タバコの使用、威圧的な振る舞いなども含まれており、あらゆる公共交通機関の利用環境を改善することが狙いだ。
新たな規則の運用にあたって、バスの運転手が直接の取締り業務を担うことはないとされている。代わりに、交通安全担当官や警察官などの権限を持つ公認職員が事案に対応する仕組みとなっている。

アンディ・バーナム首相は、「誰しも、電車内で誰かが携帯電話から音楽や動画を大音量で流し始める場面に居合わせた経験があるはずだ」と述べた。
鉄道網におけるキャンペーンと既存の罰則規定
バスにおける自治体権限の活用と並行して、鉄道網においても乗客に向けた新たな取り組みが展開されている。鉄道車内での大音量での音楽再生や歌唱については2005年から禁止規定が存在していたが、政府は今回、新たに全国的なキャンペーンを打ち出した。
このキャンペーンは、運行事業者のウェブサイトやソーシャルメディア、列車内の各所で展開され、乗客に対して「シェア・ザ・キャリッジ、ノット・ザ・ノイズ(車両を分かち合おう、騒音ではなく)」というメッセージを伝えるものとなっている。

政府によれば、このキャンペーンはこれまで鉄道事業者ごとに異なっていた対応の「パッチワーク」を解消し、ネットワーク全体で一貫した明確なメッセージを浸透させることを目的としている。
進まない実効性の懸念と求められる現場の安全対策
政府による新たなルール導入やキャンペーンに対し、市民や擁護団体からは歓迎の声が上がる一方で、その実効性や現場での取締り手法に対する疑問の声も投げかけられている。
彼は、他人のソーシャルメディアの「ドームスクロール(ネガティブな情報を見続ける行為)」による音声コンサートを強制的に聞かされるような反社会的行動のレベルが高いためバスに乗るのをやめ、自分の車の中で自分の音楽を聴く方がましだと心情を明かした。キャンペーン自体は歓迎しつつも、実際にどのように取り締まられるのかという懸念を示している。
交通キャンペーン団体「キャンペーン・フォー・ベター・トランスポート」のマイケル・ソロモン・ウィリアムズは、こうした反社会的行動が公共交通機関の利用をためらわせる「真の抑止力」になり得ると指摘する。特にアクセシビリティ上のニーズを持つ人々にとって深刻な問題であるとし、地方自治体が取締りを求められた際、普段は英国運輸警察が見られないようなバス路線において、地域の警察力がどのように動員されるのかという疑問を呈した。