ルーマニア国防省は2026年10月18日、同国空軍のF-16戦闘機2機が黒海上空でロシア製とみられるゲラン型自爆ドローン2機を撃墜した際の映像を公開した。.
ルーマニア空軍のF-16戦闘機が黒海上空でゲラン型ドローン2機を撃墜
ルーマニア国防省は2026年10月18日、ルーマニア空軍のF-16戦闘機2機のパイロットが、黒海上空でロシア製とみられるゲラン型自爆ドローン2機を撃墜した際の映像を公開したと、trafficnews.jpが報じた。ドローンは10月17日17時59分、スネーク島の東約120kmの地点で探知され、ルーマニア領空に侵入した。
Yahoo!ニュースのエキスパート記事によると、迎撃のためボルチャの第86航空基地から発進したF-16戦闘機は、1機目を探知から2分後の18時01分にスネーク島南東の海上上空で撃墜した。さらに18時01分に侵入した2機目も、18時05分にスネーク島東の海上上空で撃墜された。無力化された目標はゲランシリーズのジェット推進式攻撃ドローンとみられる。
相次ぐ民間船舶へのドローン攻撃と行方不明者の発生
黒海のルーマニア沖では15日朝、化学製品を運ぶサンマリノ船籍のタンカー「ワイン・トレーダー」号がドローンの攻撃を受けて炎上したと、BBCが報じた。乗組員12人のうち7人が行方不明となり、ルーマニア当局がヘリコプターや救助艇で捜索を続けている。同船は当時荷物を積んでおらず、スネーク島東方のドローン迎撃現場周辺では民間船舶が多数存在していた。
ロイターによると、ルーマニアおよび隣接するNATO加盟国のブルガリアの沿岸付近では過去10日間に、少なくとも5隻の貨物船が攻撃を受け、計23人の船員が行方不明または死亡したと報告されている。ルーマニアのニクショル・ダン大統領は、14日にもコモロ船籍の化学製品タンカー「ヤラJ」号がドローン攻撃を受けて火災が発生したことを明らかにしている。
NATOによる黒海の防衛態勢強化と調査団の派遣
北大西洋条約機構(NATO)は20日、黒海に海上哨戒機やドローン、レーダーシステムを追加で派遣すると発表したと、ロイターが報じた。ブリュッセルの本部で開かれた北大西洋理事会では、黒海の安全保障情勢が協議された。米陸軍のマーティン・L・オドネル大佐によると、加盟国は爆発物の鑑識分析のために調査員やチームの派遣を進めている。
ルーマニアとブルガリアの首脳は、NATO条約第4条を発動すべきか近日中に協議する予定である。ブルガリアの沿岸でも商船の被害が出ており、ブルガリア側は攻撃の背後にロシアがいるとして同国大使を呼び出した。ウクライナや欧州連合(EU)も黒海西側での民間船舶への攻撃をめぐりロシアを非難している。

重要航路を脅かすドローンの脅威と物流への影響
ルーマニアのスリナ運河周辺は、国内の海運だけでなくウクライナの穀物輸出を支える戦略的ルートとしても重要な役割を担っている。ドローンの脅威によって民間船舶の航行が困難になれば、物流の停滞や輸送コストの上昇を招き、物価にも影響が及ぶ可能性がある。ウクライナの港に向かう船舶への攻撃が続く中、黒海海域の安全確保は地域経済の死活問題となっている。
ロシアはウクライナの港に軍民両用の貨物を運ぶ船を標的にしていると主張し、黒海での海上停戦を求める欧米の呼びかけを拒んでいる。一方、ウクライナ側は民間貨物を積んだ商船が攻撃されていると反発しており、双方が非難の応酬を続けている。ルーマニア軍は領空侵犯に対する警戒を一段と強め、日々の任務にあたっている。
