ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が、2026年11月に米中ロ首脳会談を行うよう提案した。米国時間10月18日にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたもので、ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席を交え、ウクライナ戦争の終結に向けた交渉を行う狙いがある。
米中ロ首脳会談の提案とスケジュール
ロシア大統領府は、2026年11月に中国・深圳で開かれるアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議に合わせ、3カ国首脳会談を開きたい考えだとWSJが報じた。ロシア国営メディアもこの動きを引用して伝えている。中央日報日本語版の報道によると、クレムリンのユーリ・ウシャコフ大統領補佐官は21日、中国側が会談の準備作業を進めており、APEC期間中に3者会談を組み込むことが目標だと明らかにした。ただし、ウシャコフ補佐官は「3者会談1回でウクライナ危機を解決することはできないだろう」と付け加えている。
トランプ大統領の姿勢とウクライナ批判
プーチン大統領が10月に行ったトランプ大統領との電話会談でこの首脳会談の構想に言及したと、WSJが協議に詳しい匿名の関係者の話として伝えた。しかし、トランプはこの3カ国首脳会談にまだ同意していない。トランプは10月18日午後遅く、自身のトゥルース・ソーシャルへの投稿でゼレンスキーとの対立を激化させた。世界的に燃料価格が急騰する中、ウクライナが10月17日にロシアの重要な石油ターミナルを狙って大規模なドローン攻撃を実施したことについて、軽油市場への打撃を理由にゼレンスキーを強く非難している。
軽油ディールと経済協力の進展
電話会談後、トランプ政権側はロシアとの間で具体的な経済協力を進めている。中央日報日本語版の報道によると、プーチン大統領とスティーブ・ウィトコフ米大統領特使の会談が行われ、両国間のディーゼル燃料取引の履行が重要な部分を占めた。ウィトコフ特使はプーチンに対し、ロシア産石油を米国と世界市場に供給することにした「軽油ディール」について謝意を表した。この合意に基づき、ロシア産軽油4万トンを積んだタンカーが米国に向けて出港する予定となっており、肥料の供給やAIデータセンター建設事業なども協議されている。
対ロ制裁の一時停止をめぐる動き
トランプはSNSへの投稿で、対ロシア制裁を一時停止する決定も擁護した。ウクライナ戦争の終結に向けた交渉過程に含まれると説明し、具体的な内容を示さずに大きな進展があったと主張している。一方、クレムリンのウシャコフ補佐官は、ウィトコフ特使が伝えた終戦案について実質的な内容が不足しているとの認識を示した。米国が仲介する3者和平交渉を再開する準備について、原則として同意しているものの、会談場所はアラブ首長国連邦(UAE)のアブダビになる可能性があるとの見方を示している。
残された課題と今後の焦点
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領を参加させずに、ウクライナに関する和平合意をどのように交渉できるのかは依然として不明である。トランプはゼレンスキーについて、戦争を終わらせたくないのだと主張し、欧州やバイデン前大統領からの多額の資金提供が背景にあると非難した。ロシア大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官が会談実現の可能性を認めた一方で、会談や想定される議題について明確な認識はまだないとWSJに語っており、11月のAPEC首脳会議に向けた各国の調整が今後の焦点となる。