米オハイオ州知事選で共和党候補のビベック・ラマスワミ氏陣営が公開した選挙広告を巡り、J・D・バンス副大統領は共和党議員に対して泣き言を言わずに選挙戦に勝利するよう呼びかけた。民主党のライバル候補であるエイミー・アクトン氏の実母を登場させたこの広告は、内容の是非を巡り広く非難を浴びている。.
オハイオ州知事選で波紋を広げる母親登場の選挙広告
米オハイオ州の民主党知事候補であるエイミー・アクトン氏を標的にした選挙広告が、激しい論争を引き起こしている。問題の広告には、アクトン氏と疎遠になっている実母のドナ・アーサー氏が登場した。中央日報日本語版などの報道によると、アーサー氏は動画の中で「母親としてこんな話をするのは簡単ではありませんが、エイミーはうそつきです。自分の過去についてうそをつき、生涯うそをついてきました」と淡々と語り、州民に対してアクトン氏に投票しないよう訴えた。この動画は19日に公開され、ラマスワミ氏の陣営が制作元であることを認めた上で、宣伝のために400万ドルを投じていると明らかにしている。
実母の告発と隠された家族史の対立軸
母親が娘を批判する構図は大きな衝撃を与えたが、その後の背景事情が明らかになるにつれてラマスワミ陣営への批判へと変わった。ワシントン・ポストやABC放送などの報道を引用した中央日報日本語版によると、アクトン氏は12歳の時に継父のクレディス・アーサーから性的暴行を受けたと主張している。継父は1978年に逮捕・起訴されたものの、保釈中に逃亡し、実母のドナは子どもたちを置いて夫に同行した。2004年に夫が死亡するまで婚姻関係を続けた実母を起用したことについて、ポリティコは「アクトン氏に疑念を抱かせるどころか、幼少期に受けた被害と悲劇的な家族史をより鮮明に印象づける結果につながっている」と伝えている。
バンス副大統領による批判の一蹴と党内への号令
こうした逆風や党内からの懸念に対し、J・D・バンス副大統領は一歩も引かない姿勢を見せている。ロイターの報道によると、バンス氏は22日にオハイオ州シンシナティでラマスワミ氏らと共に演説を行った。バンス氏は共和党の同僚議員たちに向け、「自分が信じていると述べているものを本当に信じるのなら、広告について泣き言を言うのはやめて、残り13日の選挙戦で勝利を収めるべきだ」と強調した。さらに「テレビ広告についてどう思おうと、その内容と事実に注目してほしい」と述べ、批判を一蹴した。なお、ドナルド・トランプ米大統領はこの広告について何も知らないと語っている。

民主党側の対抗措置と深まる選挙戦の亀裂
批判にさらされたラマスワミ陣営に対し、民主党のアクトン氏側も直ちに対抗措置に出た。中央日報日本語版の報道によると、アクトン氏の弟であるフィル・スターンズ氏が登場する広告を制作し、「姉が私を守るためにそうしていなければ、私がどうなっていたか分からない」と訴えて反論している。共和党の選挙戦略家の一部からも、政治のために家族を利用する手法に対して道徳的な疑問を呈する声が上がっており、ブルーウェーブの阻止を掲げるオハイオ州の選挙情勢に影を落としている。物価高などの生活費問題が山積する中、各陣営のメッセージ管理が問われる局面が続いている。