日本語版
最新ニュース
世界

UAE、フランスのラファールF5開発計画に復帰へ マクロン大統領が合意を発表

フランスはアラブ首長国連邦(UAE)と第5世代型戦闘機ラファールF5の開発に関する政府間協定を締結した。かつては費用負担を巡って協議が決裂し、巨額の自国負担が懸念されていたが、中東での防衛協力や安全保障上の共通利益を背景に、UAEが開発計画へ復帰する形での急展開を迎えている。 UAEとの開発協議決裂から一転した政府間協定の締結 フランス国防省は2024年10月、核抑止任務をミラージュ2000Nから引き継ぐラファールF5の初回発注を行ったと発表した。2030年に完成予定のF5は、コネクティビティ戦闘機の第2世代と位置づけられ、通常任務と核抑止の両方で作戦能力を強化し、ステルス無人戦闘機の支援を受けられる設計となっている。開発には50億ユーロ(約8,800億円)の費用が見込まれていたが、フランスがF4を80機発注したUAEに参加を提案したことで事態が動いた。UAE側は35億ユーロ(約6,160億円)の負担を申し出たものの、光電子工学技術分野の技術共有を巡り、投資に見合うリターンが得られないとして協議は2025年12月末に決裂した。 仏経済紙が報じた開発遅延の懸念と財政負担の重み 協議決裂により、フランスはラファールF5の開発費用を全額負担せざるを得ない状況に追い込まれた。仏経済紙La Tribuneは2026年4月、この単独負担について「F5開発はジャムをトーストに薄く伸ばすような対応になる」「これは予算不足を補うため長年行われてきた手法だ」と報じ、ラファールF5の引き渡し時期の大幅な先送りを意味すると指摘していた。UAEからの資金があれば予算に対する過剰な計画負担を軽減できただろうに、技術保持を優先したフランス側の姿勢が災いした形であった。マクロン大統領も軍備総局と参謀本部に対して強い不満を表明していたが、当時の協議は完全に暗礁に乗り上げていた。 エピック・フューリー作戦後の防衛協力再開とマクロン大統領の中東歴訪 状況を一変させたのは、米国の対イラン作戦であるエピック・フューリー作戦の影響によって引き起こされたイランからの報復攻撃だった。この攻撃に対し、フランス軍はUAEの防衛に協力してイラン製のミサイルとドローンを100発以上迎撃した。この防衛協力を契機としてフランスとUAEは政府間協議を再開し、マクロン大統領の中東歴訪へとつながった。マクロン大統領は歴訪中に「我々とUAEは防衛問題において共通の利益を有しており、今回の訪問を通じて防衛関係を強化することができた」と述べ、第5世代型ラファールに関する共通戦略を確立する一連の協定締結を発表した。 フランス軍事ブログが指摘する新たな参加国の可能性 フランスの軍事ブログであるZone Militaireは、仏・UAE間の政府間協定の署名を伝えつつ、マクロン大統領がカタールでも既存のラファールをアップグレードする一連の協定を締結したことに言及している。マクロン大統領はカタールのラファールについても「新世代のラファールで支援する」と述べており、軍事ブログ側はこの新世代機がF4なのかF5なのか明確ではないとしながらも、F5開発プログラムへの参加国がUAEだけにとどまらない可能性を指摘している。結果論として、フランスは安全保障上の危機管理を通じてUAEから開発資金を引き出し、単独負担という最悪のシナリオを回避した格好となった。 2030年の軍事計画法を見据えた今後の資金不足解消への影響 UAEのF5開発プログラム復帰に加え、カタールなどの動向が加わることになれば、フランスが抱える2030年までの軍事計画法の資金不足問題は大幅に改善される見通しだ。フランスはこれまでEurodrone計画からの撤退や、無人戦闘機導入の前倒し、さらには暫定的な新型戦車の検討など、国防支出を巡る様々な再編成を進めてきた。ラファールF5自体もドローン運用への対応やステルス無人戦闘機の支援といった高度な刷新が求められており、共同開発による資金調達の成否は仏軍の将来装備計画全体を左右する鍵となり続ける。

UAE、フランスのラファールF5開発計画に復帰へ マクロン大統領が合意を発表

フランスはアラブ首長国連邦(UAE)と第5世代型戦闘機ラファールF5の開発に関する政府間協定を締結した。かつては費用負担を巡って協議が決裂し、巨額の自国負担が懸念されていたが、中東での防衛協力や安全保障上の共通利益を背景に、UAEが開発計画へ復帰する形での急展開を迎えている。

UAEとの開発協議決裂から一転した政府間協定の締結

フランス国防省は2024年10月、核抑止任務をミラージュ2000Nから引き継ぐラファールF5の初回発注を行ったと発表した。2030年に完成予定のF5は、コネクティビティ戦闘機の第2世代と位置づけられ、通常任務と核抑止の両方で作戦能力を強化し、ステルス無人戦闘機の支援を受けられる設計となっている。開発には50億ユーロ(約8,800億円)の費用が見込まれていたが、フランスがF4を80機発注したUAEに参加を提案したことで事態が動いた。UAE側は35億ユーロ(約6,160億円)の負担を申し出たものの、光電子工学技術分野の技術共有を巡り、投資に見合うリターンが得られないとして協議は2025年12月末に決裂した。

仏経済紙が報じた開発遅延の懸念と財政負担の重み

協議決裂により、フランスはラファールF5の開発費用を全額負担せざるを得ない状況に追い込まれた。仏経済紙La Tribuneは2026年4月、この単独負担について「F5開発はジャムをトーストに薄く伸ばすような対応になる」「これは予算不足を補うため長年行われてきた手法だ」と報じ、ラファールF5の引き渡し時期の大幅な先送りを意味すると指摘していた。UAEからの資金があれば予算に対する過剰な計画負担を軽減できただろうに、技術保持を優先したフランス側の姿勢が災いした形であった。マクロン大統領も軍備総局と参謀本部に対して強い不満を表明していたが、当時の協議は完全に暗礁に乗り上げていた。

エピック・フューリー作戦後の防衛協力再開とマクロン大統領の中東歴訪

状況を一変させたのは、米国の対イラン作戦であるエピック・フューリー作戦の影響によって引き起こされたイランからの報復攻撃だった。この攻撃に対し、フランス軍はUAEの防衛に協力してイラン製のミサイルとドローンを100発以上迎撃した。この防衛協力を契機としてフランスとUAEは政府間協議を再開し、マクロン大統領の中東歴訪へとつながった。マクロン大統領は歴訪中に「我々とUAEは防衛問題において共通の利益を有しており、今回の訪問を通じて防衛関係を強化することができた」と述べ、第5世代型ラファールに関する共通戦略を確立する一連の協定締結を発表した。

フランス軍事ブログが指摘する新たな参加国の可能性

フランスの軍事ブログであるZone Militaireは、仏・UAE間の政府間協定の署名を伝えつつ、マクロン大統領がカタールでも既存のラファールをアップグレードする一連の協定を締結したことに言及している。マクロン大統領はカタールのラファールについても「新世代のラファールで支援する」と述べており、軍事ブログ側はこの新世代機がF4なのかF5なのか明確ではないとしながらも、F5開発プログラムへの参加国がUAEだけにとどまらない可能性を指摘している。結果論として、フランスは安全保障上の危機管理を通じてUAEから開発資金を引き出し、単独負担という最悪のシナリオを回避した格好となった。

2030年の軍事計画法を見据えた今後の資金不足解消への影響

UAEのF5開発プログラム復帰に加え、カタールなどの動向が加わることになれば、フランスが抱える2030年までの軍事計画法の資金不足問題は大幅に改善される見通しだ。フランスはこれまでEurodrone計画からの撤退や、無人戦闘機導入の前倒し、さらには暫定的な新型戦車の検討など、国防支出を巡る様々な再編成を進めてきた。ラファールF5自体もドローン運用への対応やステルス無人戦闘機の支援といった高度な刷新が求められており、共同開発による資金調達の成否は仏軍の将来装備計画全体を左右する鍵となり続ける。

執筆者について: nipponese

Nipponese News編集部は、国内外のニュースを日本語で分かりやすくお届けします。