イエメン国内でイラン系武装組織フーシ派による軍事キャンプへのミサイルおよびドローン攻撃が発生し、少なくとも30人のイエメン政府軍兵士が死亡したことが明らかになった。政府関係者によると、この攻撃によりさらに15人の兵士が負傷し、死者数はさらに増加するおそれがあると警告されている。一部の報道では死者が58人に達したとの情報もある。
イエメン政府軍キャンプへの攻撃で兵士30人以上が死亡
木曜日の午後2時(現地時間)に発生した一連の攻撃は、ハドラマウト県およびマアリブ県の軍事施設を標的とした。標的となったのは、イエメン政府軍の諸部隊のほか、治安部隊、さらにサウジアラビアの支援を受けて2022年に設立された数万人規模の部隊である「祖国防衛隊(Homeland Shield Forces)」などが含まれている。第1非常師団司令部によると、犠牲者が増大した背景には、兵士らが朝の訓練のために集合していたことが影響しているという。
攻撃の背景と双方の主張
フーシ派の軍事報道官であるヤヒヤ・サリー氏は、サウジアラビアの支援を受けた政府軍側による「軍事的な増強」への対抗措置として、弾道ミサイルおよびドローンを用いた攻撃を実行したと主張した。また、同派はマアリブおよびハドラマウト両県のキャンプ、兵器庫、車両などを破壊したと発表している。
一方、イエメンの国防省は、武装軍が「適切な場所と時間」に応戦する方針を示したほか、保健相はマアリブおよびハドラマウトの医療施設に対して負傷兵の治療に向けた態勢強化を命じた。また、アメリカ大使館は今回の攻撃を「卑劣」と非難し、犠牲となった兵士の家族へ哀悼の意を表すとともに、イエメン国民に対する「新たなテロの例証」であると表明している。
サウジアラビア領内への影響と地域情勢の緊迫化
こうした中、隣国サウジアラビアの南部ナジュラン州においても被害が発生している。サウジアラビア側の発表によると、同地域に対するフーシ派の無差別の砲撃により、4歳の子どもや女性を含む11人の民間人が負傷した。サウジアラビア主導の有志連合の報道官を務めるトゥルキ・アル=マリキ准将は、同組織による攻撃は国際人道法に対する明白な違反であると非難し、民間人を保護するために必要なあらゆる措置を講じ続ける姿勢を示した。
専門家や報道では、今回の戦闘激化について、2022年以来続いていた比較的平穏な状況が崩れ、数年ぶりの激しいエスカレーションに発展していると指摘されている。フーシ派は先月、サウジアラビアに対する紅海での海上封鎖を宣言しており、両国間の緊張が一段と高まる中、中東地域全体への波及に対する懸念が強まっている。
関連情報のまとめ

- 主な被害: イエメン政府軍兵士が少なくとも30人死亡、15人が負傷(死者はさらに増加する可能性を指摘)。サウジアラビア南部ナジュラン州では民間人11人が負傷。
- 攻撃の標的: マアリブ県およびハドラマウト県の軍事キャンプ(祖国防衛隊、治安部隊、第1軍管区などの施設を含む)。
- 使用された手段: 弾道ミサイルおよびドローン(アル=ジャウフ県から発射されたとの情報あり)。
- 主な当事者: イラン系武装組織フーシ派、イエメン政府軍、サウジアラビアおよびサウジアラビア主導の有志連合。