イスラエル軍に包囲されたパレスチナ自治区ガザから、日エジプト両政府の支援を受けてガザを離れた学生17人が、先月下旬からエジプト北部アレクサンドリアのエジプト・日本科学技術大学で学んでいると、読売新聞が報じた。3年前の戦闘開始以降、日本の政府開発援助(ODA)を活用したガザの学生への奨学金給付はこれが初めてとなる。
エジプト・日本科学技術大学での学びと奨学金事業
アレクサンドリア近郊にあるエジプト・日本科学技術大学は2010年に両政府の協力で開校した。ガザ南部ラファ出身のマリアム・イードさん(20)は、9月20日の入学を前に「ここには参考書も紙もペンもある。授業で教授に直接質問できる」と笑顔で語った。日本政府は中東地域人材育成支援プログラムに力を入れており、2024年10月に国際協力機構(JICA)と同大が奨学金事業の実施で合意した。
ガザからの困難な移動と関係国の調整
2025年9月入学の計42人が支給対象となったが、ガザにいた17人は当初入学できなかった。ガザを出るにはイスラエル政府の許可が必要であり、日本主導で関係国との調整が進められたと日本政府関係者は語る。17人は8月24日にバスでガザ南部を出発し、ヨルダンを経て空路でエジプトの首都カイロへ移動した。

イスラエル軍によるガザ空爆とハマス幹部の殺害
ロイター通信によると、イスラエル軍は29日にガザを空爆し、イスラム組織ハマスの軍事部門でガザ北部のトップを務めるイズディン・ベイク氏を殺害した。イスラエル・ハマス双方の当局者がこれを明らかにしており、ベイク氏は2023年10月の攻撃を計画した指導者の一人とされている。また、ジャバリヤ難民キャンプでも空爆があり、医療関係者によると少なくとも3人が死亡した。
音楽祭拉致事件の実行犯殺害の発表
中央日報日本語版によると、イスラエル軍と情報機関シンベトは、ガザ地区中部ヌセイラトに対する空爆でハマスのメンバーであるサヘル・ニダル・アトフィ・サクルを殺害したと発表した。サクルは2023年10月の奇襲攻撃当日、ノヴァ音楽祭の会場でイスラエル人女性をオートバイに乗せて拉致した人物とされる。女性は2024年6月8日の作戦で救出されていた。
教育を通じた復興支援と今後の見通し
経済学を学ぶイードさんは「大学で学んだことをガザの再建に役立てたい」と述べ、紛争で破壊された教育環境の改善を目指している。同大のラザン・ユースフ国際室長(36)は、学生たちが質の高い教育を受けて日本の産業界とのつながりを作ることに期待を示している。イスラエルがハマスへの攻撃を強める中、支援を受けた若者たちが教育を通じてどのような復興の担い手となるのかが注目される。