8月7日に就任したアベラルド・デ・ラ・エスピエジャ大統領率いるコロンビア新政権は、就任直後から外交政策の抜本的な見直しを進めている。新政権は、前任のグスタボ・ペトロ政権がとっていたイスラエルとの関係断絶や武器輸入停止といった措置を撤回し、歴史的な同盟関係の修復を公約に掲げていた。
デ・ラ・エスピエジャ政権による外交方針の転換
この外交方針の転換の一環として、コロンビア外務省は月曜日にゴラン高原におけるイスラエルの主権を承認する声明を発表した。この決定について、イスラエルのギデオン・サール外相は、コロンビアの新しいリーダーシップとイスラエルの安全保障に対する価値観の共有を称賛した。サール外相によると、この承認は就任前日にコロンビアのバランキージャで両氏が会談した際に合意に達していたという。
イスラエルの安全保障とゴラン高原の戦略的価値
コロンビア政府が発表した公式声明では、ゴラン高原の領有権承認の背景として、中東における「持続的な地域的不安定性」と、イスラエルにとっての戦略的重要性を挙げている。声明は、イスラエルの国家防衛における重要性を以下のように強調した。
「コロンビア政府は、この領土に対するイスラエルの主権、および外部の脅威から自国を守る権利を承認する。ゴラン高原に対するイスラエルの支配と主権を維持することは、イスラエルの国家防衛と市民を守る能力にとって不可欠な要素である」 コロンビア政府の公式声明

イスラエル側も同様の論理を展開している。サール外相は、イスラエルが戦略的縦深性を欠く小国であることを指摘した上で、国境を守れる状態にしておくことは、歴史的な故郷においてユダヤ民族の存続を保証するために不可欠だと述べた。この承認は、2024年12月にバッシャール・アル=アサド政権が崩壊して以降、イスラエルがシリア側での軍事的関与を強める中で行われた。
国際社会の反応と法的枠組みの対立
1967年の第三次中東戦争でイスラエルがシリアから奪取したゴラン高原について、国際社会の大半は現在もシリア領であり、軍事占領下にあるとみなしている。1981年にイスラエルが国内法を適用して事実上の併合を行った際、国連安全保障理事会は決議497号で、この併合を無効であり、国際法上の効力を持たないと宣言した。

これまで、この併合を公式に承認していたのは2019年にドナルド・トランプ政権下の米国のみであった。今回のコロンビアの決定は、この国際的な合意形成に真っ向から対立するものとなる。先月、国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、ゴラン高原がシリアの一部であるという立場を改めて強調し、イスラエルの占領を全く受け入れられないと批判していた。
政権移行期における国内の混乱と外交的優先事項
この外交上の大きな動きは、コロンビア国内が危機に見舞われている最中に発表された。月曜日、コロンビア西部で強力な地震が発生し、少なくとも111人が死亡したと報じられている。この悲劇的な状況と外交発表のタイミングが重なったことについて、一部では批判的な意見も出ている。
デ・ラ・エスピエジャ政権は、今回の承認に加え、ペトロ前政権が計画していたパレスチナ自治区ラマラへの大使館開設を取り消す意向を示している。さらに、イスラエルの首都をエルサレムと認め、現在テルアビブにあるコロンビア大使館をエルサレムへ移転させる計画も進めている。これらの動きは、コロンビアがイスラエルとの関係をどれだけ迅速かつ根本的に再構築しようとしているかを物語っている。