オクラホマ州西部のモーテルで、滞在客による深夜の騒乱が発生した。朝日新聞社の金成隆一記者が現地で目撃したこの騒動は、ルート66沿いの日常的な光景の一端を映し出している。記者はその後、テキサス州へ向かい、2024年大統領選で注目されたヒスパニック層の支持動向を追う。
オクラホマ州のモーテルで起きた深夜の騒乱
オクラホマ州西部のルート66沿いにある1泊59ドルのモーテルで、宿泊客による激しい騒ぎがあった。朝日新聞の報道によると、騒動は早朝6時頃、隣室の女性客が廊下で従業員に罵声を浴びせることから始まった。女性客はその後もドアを激しく閉めたり壁を蹴ったりするなど暴れ続け、壁の薄い室内には振動まで伝わる状況だった。
駆けつけた若い警察官による介入もほとんど効果がなく、女性客は廊下で居合わせた宿泊客に対しても怒鳴り散らした。8時半になって男性が運転するピックアップトラックが到着し、女性客が助手席に乗り込んだことで騒ぎは収束した。部屋にはネコのトイレ用の砂利が散乱し、ゴミ箱には空のビール瓶が10本以上残されていた。
日常化するモーテルのトラブルと経営者の視点
現場のモーテル従業員は、被害が想定よりも軽微であったことに安堵の表情を見せた。警察官によれば、こうした騒ぎは「日常茶飯事」であり、毎晩のように近隣のどこかのモーテルへ出動しているという。パキスタン出身の経営者は、自身が運営する三つのモーテルの中でも「ここが一番マシだ」と述べ、こうしたトラブルに対して淡々とした反応を示した。
記者が自室に戻ると、隣室のドア前には捨てられた赤い花が落ちていた。朝日新聞は、この騒動の様子を動画でも記録している。
テキサス州の荒野とヒスパニック票の行方
騒乱のモーテルを後にした記者は、テキサス州北部へと車を走らせた。そこには見渡す限りの荒野が広がり、時折現れる町以外には建物がほとんど存在しない。地平線には風力発電用の巨大な風車や、原油をくみ上げるポンプが点在し、風景の中で動くものはそれらに限られている。
記者がこの地で焦点を当てたのは、2024年大統領選において大きな関心を集めたヒスパニック(ラティーノ)票の動向だ。トランプ氏が掲げる移民への厳しい姿勢にもかかわらず、同氏のヒスパニック系からの支持は拡大した。CNNの出口調査によると、テキサス州におけるトランプ氏のヒスパニック票獲得率は55%と推計され、2016年時点の34%から大幅に上昇した。
- ヒスパニック系の従来の支持傾向:民主党寄り
- 2016年テキサス州トランプ氏得票率(ヒスパニック):34%
- 2024年テキサス州トランプ氏得票率(ヒスパニック):55%(CNN推計)
従来、ヒスパニック系は民主党支持の傾向が強いとされてきたが、この数字はトランプ氏への支持が浸透している現状を示している。記者は、今後もこの支持が維持されるのかを確認するため、民主党の地域本部スタッフらへの取材を進める予定だ。