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アンソロピック、サソリ神経毒に結合するタンパク質をClaudeで設計 211件中17件が合格

アンソロピックは10月20日、社内の研究用Claudeモデルを用いてサソリの神経毒に結合する小型タンパク質「ミニバインダー」を設計し、実験で検証した結果を発表した。将来の抗毒素開発を見据えたもので、設計した211件のうち17件が結合基準を満たしたと、ビジネス+ITなどが報じた。 サソリ刺傷による人的被害と顧みられない熱帯病の現状 アンソロピックの発表によると、サソリの刺傷は年間120万人以上に発生し、3,250人以上が死亡している。その多くは医療へのアクセスが限られる地域の子どもたちである。サソリの治療薬は製造費が高く、開発費も回収しにくいことから、世界保健機関などが定義する「顧みられない熱帯病」の一つとされている。こうした背景のもと、今回のAIを活用した分子設計の取り組みが注目を集めている。 投資調査会社の提案から始まった約64時間の自律的な実験 今回の研究は、投資調査会社のCitrini Researchが「意図のある非専門家でも人の健康に関わる現実の課題に取り組めるか」と持ちかけたことから始まった。アンソロピックはCitriniと共同で修正したプロンプトと4回の追加指示をモデルに与えた。モデルは「Claude Science」の環境下で約64時間、主に自律的に作業を進めた。標的となったのは、メキシコ、ブラジル、北アフリカ、中東に由来する5種類の神経毒である。 30万件超の生成から絞り込まれた211件の設計と実験評価 モデルは12種の設計ツールを用いて31万8,484件の候補を生成し、その中から180件を選出した。さらに研究チームが31件を追加し、合計211件の設計データを作成した。委託研究機関であるAdaptyv BioとTwist Bioscienceが、表面プラズモン共鳴を用いて結合の測定を実施した。評価基準は、両機関で結合が確認されること、全反復で結合が見られること、解離定数が1マイクロモル以下であることなどが設けられた。 基準を満たした17件の内訳と抗毒素開発に向けた今後の課題 検証の結果、すべての基準を満たしたミニバインダーは211件中17件だった。内訳はCn2が7件、AaH IIが4件、AaH Iが4件、LqhIIIが2件であり、単一の毒素を狙った60件のうち11件が該当した。一方で、今回の実験で結合が確認されたのは組換え毒素に対してのみであり、細胞での中和試験や動物での有効性試験は実施されていない。アンソロピック側も、抗毒素の完成や作製を主張したわけではないとしている。 AI創薬のデータ公開と高まる業界内の開発競争 アンソロピックは、今回の211件に関する設計データと実験結果のすべてを、世界中の研究者が利用できるように公開した。AIを活用した創薬分野においては、テック企業やバイオベンチャーによる競争が激化している。細胞や動物を用いた実証試験という次の段階へ向けて、公開されたデータがどのように活用されるのか、今後の研究動向に注目が集まっている。 写真:ビジネス+IT 【アンソロピック上場とAI投資の真実】コアウィーブショックを徹底解説/循環投資の規模は?/アンソロピック、売上鈍化の理由/ビックテックの業績ブースト効果/個人投資家の防衛策【田中慎一×柏村祐】

ビジネス+IT

アンソロピックは10月20日、社内の研究用Claudeモデルを用いてサソリの神経毒に結合する小型タンパク質「ミニバインダー」を設計し、実験で検証した結果を発表した。将来の抗毒素開発を見据えたもので、設計した211件のうち17件が結合基準を満たしたと、ビジネス+ITなどが報じた。

サソリ刺傷による人的被害と顧みられない熱帯病の現状

アンソロピックの発表によると、サソリの刺傷は年間120万人以上に発生し、3,250人以上が死亡している。その多くは医療へのアクセスが限られる地域の子どもたちである。サソリの治療薬は製造費が高く、開発費も回収しにくいことから、世界保健機関などが定義する「顧みられない熱帯病」の一つとされている。こうした背景のもと、今回のAIを活用した分子設計の取り組みが注目を集めている。

投資調査会社の提案から始まった約64時間の自律的な実験

今回の研究は、投資調査会社のCitrini Researchが「意図のある非専門家でも人の健康に関わる現実の課題に取り組めるか」と持ちかけたことから始まった。アンソロピックはCitriniと共同で修正したプロンプトと4回の追加指示をモデルに与えた。モデルは「Claude Science」の環境下で約64時間、主に自律的に作業を進めた。標的となったのは、メキシコ、ブラジル、北アフリカ、中東に由来する5種類の神経毒である。

30万件超の生成から絞り込まれた211件の設計と実験評価

モデルは12種の設計ツールを用いて31万8,484件の候補を生成し、その中から180件を選出した。さらに研究チームが31件を追加し、合計211件の設計データを作成した。委託研究機関であるAdaptyv BioとTwist Bioscienceが、表面プラズモン共鳴を用いて結合の測定を実施した。評価基準は、両機関で結合が確認されること、全反復で結合が見られること、解離定数が1マイクロモル以下であることなどが設けられた。

基準を満たした17件の内訳と抗毒素開発に向けた今後の課題

検証の結果、すべての基準を満たしたミニバインダーは211件中17件だった。内訳はCn2が7件、AaH IIが4件、AaH Iが4件、LqhIIIが2件であり、単一の毒素を狙った60件のうち11件が該当した。一方で、今回の実験で結合が確認されたのは組換え毒素に対してのみであり、細胞での中和試験や動物での有効性試験は実施されていない。アンソロピック側も、抗毒素の完成や作製を主張したわけではないとしている。

AI創薬のデータ公開と高まる業界内の開発競争

アンソロピックは、今回の211件に関する設計データと実験結果のすべてを、世界中の研究者が利用できるように公開した。AIを活用した創薬分野においては、テック企業やバイオベンチャーによる競争が激化している。細胞や動物を用いた実証試験という次の段階へ向けて、公開されたデータがどのように活用されるのか、今後の研究動向に注目が集まっている。

アンソロピック、サソリ神経毒に結合するタンパク質をClaudeで設計 211件中17件が合格
写真:ビジネス+IT
【アンソロピック上場とAI投資の真実】コアウィーブショックを徹底解説/循環投資の規模は?/アンソロピック、売上鈍化の理由/ビックテックの業績ブースト効果/個人投資家の防衛策【田中慎一×柏村祐】
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