米Anthropicは2026年10月21日、AIモデル「Claude」にタンパク質を設計させることで、サソリの神経毒の作用を阻害する可能性を持つ分子を17種類生成したと発表した。毎年約120万人がサソリに刺される中、AIを活用した新たな治療法開発への足がかりとして注目される。
Claudeが自律的に設計した30万超のタンパク質
Anthropicの研究チームは、社内の研究用モデルであるClaudeに対し、標的となる神経毒の指示を与えてタンパク質の設計および折りたたみツールを操作させた。品質基準を定義した上で最初のプロンプトを入力すると、Claudeは24時間にわたって自律的に作業を継続した。チームが4回の追加指示を出して結果を精査した結果、総計31万8484個の設計が生成され、最終候補として180個が提示された。この初期段階の処理には約1万GPU時間が使用された。.
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パートナー機関による検証と17種類の合格
研究チームはClaudeの支援を受けてさらに31個の設計を追加し、合計211個の設計をAnthropicのパートナーである研究機関に送った。検証の結果、毒素へ実際に結合する可能性がある基準を満たした分子は17種類だった。今回の調査は毒素の遺伝子を用いた段階にとどまっており、培養細胞や生体動物を用いた試験はまだ実施されていない。.
中和効果の確認には至らず今後の課題に
Anthropicは、これらの結合分子が細胞環境において実際にサソリ毒を中和するかどうかを確認していないため、抗毒素を開発したとは主張していないと補足している。AIが標的の難しい毒素に対する結合分子を数日で設計し、数週間以内に実験室で確認できれば、理論上は毒やその他の病気に対する治療法発見の加速につながる可能性があるという。
公開された設計データと今後の研究展開
今回の研究成果を受け、Anthropicはほかの研究者が研究を発展させられるよう、検証対象となった211個すべての設計データと結合データをHugging Face上の専用ページで公開した。細胞レベルや生体での有効性検証は今後の課題として残されており、今回の成果が実際の医薬品開発へどのように応用されるのか、世界の研究者による追試やさらなる実験データの蓄積が待たれている。
