FBIが公開した動画で浮き彫りになる北朝鮮ITワーカーの脅威
アメリカ連邦捜査局は、北朝鮮の遠隔ITワーカーによる詐欺行為を世界的な脅威と位置づけている。世界中で数千人の労働者が企業に潜入し、数億円の収益を生み出して北朝鮮へ送金していると当局は説明する。政府関係者によると、北朝鮮のチームは海外の人物を利用して採用面接に参加させたり、直接対面させたりする手法を増やし、企業の機密ネットワークへのアクセス権を不正に獲得している。不正に得られた資金は、北朝鮮の兵器開発計画に充てられているとFBIは述べている。身元を隠した労働者は企業からノートPCを受け取り、国境を越えて不正な資金移動を行う国際的な支援ネットワークを形成している。
A major step forward in disrupting North Korea’s illicit IT worker operations.CrowdStrike is proud to have partnered with the FBI in identifying and disrupting U.S.-based laptop farms used by FAMOUS CHOLLIMA to infiltrate organizations, conceal operatives’ identities, and… https://t.co/buq1qY894n
テキサス州で実施されたロンスター・ラウンドアップ作戦の全貌
アメリカ司法省の広報室は2026年10月13日に、テキサス州全域の40か所以上で運営されていたノートPCファームを特定する作戦「ロンスター・ラウンドアップ」の詳細を発表した。この作戦により14人の個人が起訴され、2人が逮捕され、約190台のデバイスが押収された。テキサス州北部地区連邦検事のライアン・レイボールド氏は、敵対的な外国政権が盗まれた身元情報や国内の秘密の侵入経路を用いてアメリカ企業に潜入していると指摘する。摘発されたノートPCファームはすべて、北朝鮮政府が世界の安定を脅かす兵器開発計画の資金源とする収入源を断つことにつながると、同氏は強調している。作戦の遂行には民間企業と連邦法執行機関の緊密な連携が中心的な役割を果たした。サイバーセキュリティ企業のCrowdStrikeも、FBIと協力してアメリカ国内のノートPCファームを特定し撹乱したことを明らかにした。
アメリカ企業を狙うノートPCファームの手口と過去の判決事例
ノートPCファームでは、企業が雇ったリモートワーカーがアメリカ国内で働いているように見せかけるため、多数のダミーノートPCが稼働している。2026年4月には、アメリカ在住を装って働くことを可能にするノートPCファームを運営していたとして、ニュージャージー州出身の2人にそれぞれ拘禁9年と7年8ヶ月の判決が言い渡された。この施設では90台以上のダミーノートPCが使われていた。北朝鮮の労働者は、有名な求人サイトに偽の求人情報を掲載し、誰かの代理で面接を行ったり自宅でノートPCを受け取ったりする簡単な依頼として提示することが多い。申請の信頼性を高めるために、一時的なアメリカ滞在が必要な中国人や東アジア人、あるいはロシア・ウクライナ戦争で避難を余儀なくされた東欧人と称するなど、作り話を仕立てることが常態化している。
FBIが警告する詐欺の手口と被害を防ぐための注意事項
不法就労希望者は、偽の会社設立や公式文書の作成を行い、支払いと引き換えに個人情報や財務情報、ログイン情報の提供を求めてくる。違法な外国人労働者は暴力による脅迫や威嚇行為を用いて、アメリカ人に違法行為を続けさせようとするケースもある。生命の危険や身の安全に不安を感じた場合は速やかな通報が求められる。FBIは捜査と並行して企業と直接連携し、警戒すべき兆候に関する情報を公開して組織の防御を支援している。雇用主に対しては、採用プロセスにおける不審な活動の監視と、新規従業員の身元確認を徹底するよう警告が発せられている。