お茶の淹れ方や飲み方が心血管の健康を左右する可能性が、21日に発表された新たな研究で明らかになった。中国の成人48万人以上を対象とした調査で、適度な温度のお茶を日常的に飲む人は血管疾患のリスクが低下する一方、やけどするほど熱いお茶を好む人ではリスクが上昇することがCNNの報道で分かった。
お茶の飲用頻度と血管疾患リスクの関係性
お茶を飲む習慣が心臓や血管の病気にかかるリスクにどのような影響を与えるかについて、医学誌「ジャーナル・オブ・インターナル・メディシン」に新たな論文が掲載された。研究チームは平均約9年間にわたり、中国の30歳から79歳までの成人48万5000人以上のデータを追跡調査した。その結果、心臓発作や脳卒中、末梢動脈疾患など、心血管に関わる病気が1万4800件以上確認された。
CNNのウェルネス専門家で米ジョージ・ワシントン大学の臨床准教授を務めるリアナ・ウェン医師によると、少なくとも週3日お茶を飲む人は、飲む頻度が低い人に比べ、血管疾患の発症リスクが11%ほど低かった。年齢や喫煙、身体活動、体重、持病といった要因を考慮してもこの傾向は認められ、特に日常的にお茶を飲む活動量の多い非喫煙者で心血管疾患のリスクが最も低くなっていた。
紅茶と緑茶の効果の違いとポリフェノールの作用
お茶の種類による違いについて、ウェン医師は緑茶にも効果が見られたものの、紅茶の方がより一貫して心血管リスクの低下との関連が認められたと指摘している。紅茶も緑茶も同じチャノキを原料とするが、加工方法の違いによりポリフェノールの組成が異なり、抗酸化作用や抗炎症作用を持つフラボノイドなどが血管の内側の細胞を保護している可能性がある。
これまでの研究でも、お茶を飲むことで血圧やコレステロール値などの健康指標が改善することが確認されている。ただしウェン医師は、緑茶好きに紅茶への切り替えを勧めることはせず、いずれも心臓に良い食生活の一部になり得ると説明する。その上で、砂糖を加えずに飲むことが大切だと強調している。
やけどするほど熱いお茶がもたらす健康リスク
今回の研究でもっとも意外な結果として挙げられたのが、お茶の温度とリスクの関連性である。「やけどするほど熱い」お茶を飲むと答えた人は、日常的にお茶を飲まない人に比べ、血管疾患のリスクが16%高かった。これとは対照的に、常温のお茶や、熱いがやけどするほどではない温度で飲む人はリスクが大幅に低くなっていた。
非常に熱い飲み物を繰り返し飲む習慣は、食道がんのリスク上昇とも関連している。そのため、口や喉をやけどするほど熱いお茶は避けるべきであり、無理なく口に含める温度まで冷ますことで、やけどを防ぎながら心血管への健康効果を損なわずに済むとウェン医師は助言している。
適正な摂取量と研究における限界点
少なくとも週1回お茶を飲む参加者のうち、血管疾患の推定リスクが最も低かったのは、1日におよそ6から8杯飲む人だった。この回数を超えて大量に摂取した場合、再びリスクが上昇し始めた。しかし、カップの大きさが統一されておらず摂取量が自己申告に基づいている点などから、論文の著者自身もこの結果を推奨される最適な摂取量と解釈しないよう注意を促している。
また、お茶にはカフェインが含まれており、紅茶1杯には約30から50ミリグラムのカフェインが含まれている。米食品医薬品局(FDA)は1日400ミリグラムを危険な影響を伴わない量との見方を示しているが、妊娠中の女性は200ミリグラム以下に抑えるべきとされ、子どもはカフェイン入り飲料を避けるべきだ。現時点で習慣がない人が無理に飲み始める必要はなく、定期的な運動や喫煙を避けることなど、ほかの方法でも心血管リスクを下げることは可能である。