トランプ米大統領は2025年1月の2期目の就任演説で、勝った戦争だけでなく、終わらせた戦争や参戦しなかった戦争によって自身の成功が評価されると強調し、外交問題評議会の上級研究員によると、孤立主義的な支持基盤とは裏腹に、強いものへの憧れから軍事力の行使を好んできたという。.
就任演説で掲げた不介入の姿勢
2025年1月の2期目就任演説で、トランプ米大統領は「勝った戦争だけでなく、終わらせた戦争、そして何よりも、参戦しなかった戦争によって成功を評価することになる」と述べていた。トランプ政権は、アフガニスタンやイラクでの泥沼化した戦争の経験を背景に、軍事的な対外関与に否定的な姿勢を鮮明に打ち出していた。同年10月13日には、イスラエル西部テルアビブ近郊でネタニヤフ首相と並んで撮影に応じている。
「平和の構築者」としての演出と実態
トランプ氏はパレスチナ自治区ガザ地区を巡る戦闘など「八つの戦争」を解決したと主張し、自身を平和の構築者として演出してきた。一方で、短期で決着できると判断した場合には「力による平和」を掲げて軍事力を躊躇なく行使してきた。1期目でも短期的な軍事作戦に度々踏み切った経緯があり、2期目に入ってもその傾向は一貫している。
米シンクタンクが指摘する指導者の心理
米シンクタンク「外交問題評議会」のチャールズ・カプチャン上級研究員は、トランプ氏の行動原理について分析している。支持基盤である有権者は他国に関与しない孤立主義を好むが、トランプ氏自身は軍事力の行使に強い執着があるという。軍服を着た将軍や戦闘機、兵器といった強いものへの憧れがあり、自らの力を誇示したい心理が背景にあると指摘された。
相次ぐ軍事作戦とイラン攻撃の断行
2期目に入り、トランプ政権は強力な軍事行動を相次いで実行に移した。2025年6月には、イスラエルがイラン攻撃で成果を上げている状況に乗じる形で、米軍がイランの核施設を攻撃した。さらに2026年1月にはベネズエラで急襲作戦を実行し、マドゥロ大統領を拘束して反米左派政権を協調路線に転換させた。この一連の成功で自信を深めた政権は、2月末にイスラエルとともにイランでの本格的な軍事作戦を開始している。
レガシー構築に向けた今後の動向
ベネズエラでの作戦から約1週間後の2026年1月11日、トランプ氏は自身のソーシャルメディアにその後の行動を暗示する意味深な投稿を行っていた。11月3日に控える米中間選挙は、外交・軍事面での強硬路線を突き進む第2次政権に対する重要な審判の機会となる。有権者が「平和の構築者」としての演出と「力の行使」の実績をどう評価するのか、今後の動向が注目されている。