中国の30代から70代の成人48万5000人以上を対象とした新たな研究で、お茶の淹れ方や飲み方が心血管の健康に大きく影響することが明らかになった。少なくとも週3日お茶を飲む人は、血管疾患を発症するリスクが11%ほど低くなる一方、やけどするほど熱いお茶を飲む人はリスクが16%高くなるという。
心血管疾患リスクを11%低下させる日常的な飲用習慣
医学誌「ジャーナル・オブ・インターナル・メディシン」に21日発表された新しい研究によると、お茶の摂取と心血管疾患の間には明確な関連性が認められた。研究チームは平均約9年間にわたって追跡調査を行い、心臓発作や脳卒中、末梢動脈疾患など1万4800件以上の症例を分析した。参加者の自己申告に基づく調査では、少なくとも週3日お茶を飲む人は、飲む頻度が低い人に比べて血管疾患の発症リスクが11%ほど低いことが判明した。年齢や喫煙、身体活動、体重、持病といった要因を考慮してもこの傾向は変わらず、日常的にお茶を飲む活動量の多い非喫煙者では、リスクが最も低い水準にあった。Yahoo!ニュースが伝えたこの研究では、適度な濃さのお茶を飲むこともリスクの低下に関連していることが示されている。
紅茶と緑茶で異なる心血管リスクへの影響と効果
お茶の種類による違いについて、米ジョージ・ワシントン大学の臨床准教授を務める救急医でメリーランド州ボルティモア市の元保健局長であるリアナ・ウェン医師がCNNの取材に答えた。紅茶も緑茶も同じチャノキを原料としているが、加工方法の違いによってポリフェノールの組成に差が生じる。これまでの研究と同様に今回の調査でも緑茶に効果が見られたものの、紅茶の方がより一貫して心血管リスクの低下との関連が認められた。ただし、ウェン医師は緑茶が好きな人に紅茶への切り替えを勧めることはしないとし、どちらのお茶も砂糖を加えない限りは心臓に良い食生活の一部になり得ると指摘している。お茶に含まれるポリフェノールやフラボノイドといった抗酸化・抗炎症作用を持つ天然化合物が、血管内側の細胞を保護して動脈を広げやすくし、結果として血圧低下や心臓への負担軽減につながっている可能性がある。
やけどするほど熱いお茶がもたらす16%のリスク上昇
今回の研究でもっとも意外な結果として挙げられたのは、温度に関するデータである。参加者の自己申告において「やけどするほど熱い」お茶を飲むと答えた人は、日常的にお茶を飲まない人に比べても血管疾患のリスクが16%高かった。これとは対照的に、常温のお茶や、熱いがやけどするほどではない温度で選ぶ人は、飲まない人よりもリスクが大幅に低くなった。ただし、この温度調査には限界もあり、好みの温度は客観的に測定されたものではなく、参加者の主観的な申告に依存している。熱すぎる飲み物を繰り返し飲む習慣は食道がんのリスク上昇とも関連しているため、口や喉をやけどするほどの温度は避けるべきだと専門家は注意を促している。無理なく口に含める温度まで冷ますことで、健康効果を損なわずにやけどを防ぐことができる。
1日の最適な摂取量とカフェイン含有量への注意点
少なくとも週1回お茶を飲む参加者のうち、血管疾患の推定リスクが最も低かったのは、1日におよそ6から8杯飲む人だった。しかし、この回数を超えて大量に摂取すると、再びリスクが上昇し始めた。カップの大きさが統一されておらず摂取量の推定が自己申告に基づいているため、論文の著者はこの結果を推奨される最適な摂取量と解釈しないよう注意を促している。また、お茶にはカフェインが含まれており、紅茶1杯(約240ミリリットル)には通常30から50ミリグラムのカフェインが含まれる。緑茶にも多くの場合カフェインが含まれており、米食品医薬品局(FDA)が示す1日400ミリグラムという上限値を念頭に置きつつ、妊娠中の女性は200ミリグラム以下に抑える必要がある。睡眠障害や不安感のある人は、1日の総カフェイン摂取量に気を配るべきである。
現時点で習慣がない人が留意すべき生活習慣全体の改善
お茶を飲む習慣が現在ない人が、今回の研究結果を受けて無理に飲み始める必要はない。心血管疾患のリスクを下げるには、定期的な運動、喫煙の回避、血圧やコレステロール値の管理、栄養価の高い食事など、他にも多くの実証された方法が存在する。お茶を食生活に取り入れる場合はそれぞれの好みに合わせ、無糖の紅茶や緑茶を選ぶことが基本となる。研究チームの分析対象となった中国の30歳から79歳の成人データに基づく今回の知見は、お茶の飲み方や温度管理が心臓の健康に直結することを示している。今後はさらなる客観的データに基づく追跡調査や、個別の生活習慣との複合的な影響を解明する研究の進展が求められることになる。