京都府警左京署は10月14日、YouTuberの「KENZO【新宿109】」こと池田実貴容疑者を名誉毀損容疑で逮捕した。詐欺撲滅を掲げて被害者男性を中傷する動画を投稿した疑いがあり、Yahoo!ニュースなどが報じた。朝日新聞によると、被害者の母親は約2億3千万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こしている。
YouTubeでの中傷動画投稿と名誉毀損容疑の逮捕
京都府警左京署は10月14日、京都市左京区の不動産会社元代表取締役の男性(当時36歳)の名誉を毀損したとして、YouTuberの池田実貴容疑者(28)を名誉毀損容疑で逮捕したと、Yahoo!ニュースが報じた。池田容疑者は「詐欺師」などと主張する動画を多数配信している人物である。
逮捕容疑は2025年6月、被害者男性の画像とともに「僕の職業は、詐欺師です」「巨額M&A詐欺師か」などのテロップを掲載し、「組織ぐるみの犯行だ」などと発言する動画を投稿したことである。問題の映像は、被害者男性が岡山市内の会社と協議する場を捉えたものだった。池田容疑者は取り調べに対し、「弁護士と話し合ってから話す」と述べ、認否を留保している。
動画投稿後に被害者男性が自殺し母親が提訴
朝日新聞の報道によると、中傷動画を投稿された男性は2025年7月に自殺した。これを受け、男性の母親(73)が15日、ユーチューバーら3人を相手取って約2億3千万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こしている。母親は「息子の名誉を取り戻したい、責任を負うべき人に責任を負ってほしい」と訴えている。
母親は2025年11月に池田容疑者らを京都府警に刑事告訴していた。池田容疑者は「KENZO 新宿109」の名で活動し、チャンネル登録者数は約100万人に上っていた。警察の調べでは、男性は生前、会社の売買をめぐってトラブルになっていると相談していたという。
YouTuber「KENZO 新宿109」池田実貴(28)逮捕、2025年6月、京都市の不動産会社で当時代表を務めていた男性を誹謗中傷する動画を投稿、男性は翌月自殺 https://t.co/BEVZjxi4mx
現金30億円を要求した恐喝未遂容疑の逮捕者
京都府警は10月14日、名誉毀損容疑の池田容疑者とは別に、会社役員の男2人を恐喝未遂容疑で逮捕した。朝日新聞によると、逮捕されたのは岡山市北区の会社役員・赤木誠容疑者(46)と、同市中区の会社役員・安田裕貴容疑者(35)の2人である。
この2人は2025年5月、被害者男性に対して追及動画を投稿すると告げ、現金30億円を脅し取ろうとした疑いが持たれている。赤木容疑者は「お金をとる目的ではなかった」と一部容疑を否認しており、安田容疑者は「弁護士と話してから言うか言わないかを決める」と供述している。問題の動画は、赤木容疑者が男性を呼び出した際に撮影されたものだった。
名誉毀損罪と侮辱罪における法的な処罰基準
弁護士の阿部由羅氏がYahoo!ニュースで解説したところによると、名誉毀損罪の法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金とされている。名誉毀損罪は公然と事実を摘示し、社会的評価を低下させた場合に成立する。YouTubeへの投稿は不特定多数が認識可能な「公然」の要件を満たす。
摘示した事実の真実性は成立要件そのものではないが、公共の利害に関する事実で公益目的があり、真実であることが証明された場合は処罰されない規定がある。具体的な事実を摘示せず、抽象的な悪口を述べた場合は1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金などとなる侮辱罪にとどまる。今回は具体的な詐欺行為を指摘する内容であったため、名誉毀損罪が適用された。

今後の裁判と刑事手続きの行方
池田実貴容疑者らの逮捕を受け、京都地裁での民事訴訟と警察による事件の全容解明に向けた取り調べが本格化している。母親が求める損害賠償請求訴訟において、被告側がどのような主張を展開するのかが注目される点である。
また、恐喝未遂容疑で逮捕された赤木誠容疑者と安田裕貴容疑者の関与や、30億円を要求したとされる脅迫行為の具体的な経緯についても、今後の捜査で事実関係が明らかにされていく。警察は関係者からの事情聴取を進め、事件全体の刑事責任を追及する方針だ。