宝塚歌劇団での日本初演から30周年を迎えるミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」が17日、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。花組トップスターの永久輝せあとトップ娘役の星空美咲が名曲に新たな息吹を吹き込む。
宝塚歌劇団で日本初演30周年を迎えた「エリザベート」が開幕
宝塚歌劇団における記念すべき日本初演から30周年の節目を迎えたミュージカル「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」が、17日に兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で初日を迎えたと、産経新聞社の報道で分かった。潤色と演出は小池修一郎が手掛ける。
美貌のオーストリア皇后の数奇な運命を描く同作は、1992年にウィーンで初演された。日本では1996年に宝塚雪組で初めて上演され、以来幾度も再演が重ねられてきた歴史を持つ名作である。エリザベートに恋い焦がれる黄泉の帝王、トートを主人公とする愛と死の物語として知られている。
11人目のトートを演じる花組トップスター永久輝せあ
エリザベートを愛し、追い詰めようとするトート役は、花組トップスターの永久輝せあが務める。宝塚歌劇団において、トート役を演じるのは永久輝で11人目となる。
開幕前、永久輝は死の象徴であるトートを演じるにあたり、「トート自身も変化しながら、死が恐ろしいだけでなく、実は温かいものである、というところに行き着けたらいい」と語っていたと産経新聞社は報じている。その言葉通り、エリザベートに拒絶されるたびに思い通りにならない怒りや傷ついた心が見え隠れし、超越的な存在でありながらどこか人間くさい造形となっている。深みのあるスモーキーな声も空間の空気をかきまぜるように響き、死が人生という苦の先にある安息であることをイメージさせる。
無邪気な少女から冷たさをまとう皇后への変容
一方のエリザベートを演じるのは、トップ娘役の星空美咲である。自由を愛するエネルギーにあふれた少女時代から、夫で皇帝のフランツとの愛の日々、皇太子である息子の死、そしてルキーニによる暗殺まで、波乱の人生を歩む女性を体現している。
普段はあいらしいイメージを持つ星空だが、夫に心を閉ざして以降はたたずまいにも歌う声にも冷たさと重厚感をまとわせた。無邪気な少女が別人のように変容していく過程をくっきりと描き出していると、産経新聞社は伝えている。無邪気に愛し合っていたころのフランツは聖乃あすかが演じ、暗殺者で狂言回しでもあるルキーニは極美慎が務めている。
フィナーレのデュエットダンスで見せたトップコンビの笑顔
さまざまな解釈が存在するトートだが、舞台のフィナーレで見せる演出が観客の印象に残る。軽やかに踊る永久輝せあと星空美咲のフィナーレでのデュエットダンスでは、弾けたトップコンビの笑顔が見られたと報じられている。
その姿には、トートが望んだ温かな愛の結実と解放を見たような気がすると、産経新聞社の記事は伝えている。名作の新たな歴史の幕を開けた宝塚大劇場の公演は、11月22日まで続く予定である。
今後の公演日程と東京宝塚劇場への展開
宝塚大劇場での公演は11月22日まで連日上演される。その後、舞台は東京へと移り、東京宝塚劇場では12月19日から来年2月7日まで上演されるスケジュールが組まれている。30周年の記念イヤーに挑む花組による新たな「エリザベート」は、関西での大劇場公演を皮切りに、冬の東京公演へと続いていく。