スカイダンスはワーナー・ブラザース・ディスカバリーの1,100億ドルでの買収を正式に完了させ、経営陣はHBOマックスとパラマウントプラスについて、初期のバンドル期間を経て最終的に単一のストリーミングサービスへ統合する計画を確認した。
巨大メディア企業による業界再編が正式に動き出した。10月6日、SkydanceによるWarner Bros. Discoveryの買収が正式に完了した。総額1100億ドル規模におよぶこの買収は、10ヶ月に及ぶ敵対的な入札や交渉、法的な戦いを経て結実したものであり、合併後の新会社は「Skydance」と呼ばれる。連邦判事が、カリフォルニア州司法長官のロブ・ボンタ氏を含む12人の民主党系州司法長官が合併阻止のために起こしていた訴訟の和解を承認したことを受け、両社は統合へ向けた最終的なハードルを越えた。
この巨大な統合により誕生する新たなストリーミングサービスは、両プラットフォームを合わせると世界中で2億1000万人以上の加入者を誇る規模となる。これはアマゾン・プライムの約2億人に匹敵し、業界の圧倒的リーダーであるネットフリックスの3億2500万人を追うポジションにつける。新会社の最高経営責任者(CEO)であるデヴィッド・エリソン氏は、プレスイベントにおいて、世界のディズニーやネットフリックス、アマゾンといった巨大プレイヤーと対等に渡り合っていく姿勢を強調している。

段階的な統合とバンドル展開の戦略
両サービスの将来像について、エリソン氏は長期的には一つのプラットフォームへと統合していく方針を示している一方で、即座の合流ではなく、まず初めの段階として個別に運営しながらバンドル(セット販売)の提供を行う意向を示している。両プラットフォームの視聴者層には最大28%という高い重複が見られるため、加入者がアプリの変更を迫られる前に、まずは共同オファーを通じて顧客の支払い意欲や重なり具合を測る狙いがある。
「長期的には、基本的には両者を統合する計画です。それには一定の期間がかかるでしょう。そのため、当面の間は個別に運営されることになりますが、バンドルなどの施策については比較的短期間のうちに加速していくのが見られるはずです」とSkydance会長兼CEOのデヴィッド・エリソンは述べた。

また、バックエンドの技術基盤の統合については、AI技術などの進歩を活用することで作業を加速させたい考えだ。Paramount+、BET+、Pluto TVの技術基盤統合はすでに完了しており、視聴者が気づかない裏側のシステム統合ですでに実績を上げている。親会社であるSkydanceの発表によれば、テクノロジーを中核に据えた企業として、D2Cストリーミング製品の大幅な改良を含むさらなるイノベーションを消費者に提供していくとしている。
コンテンツの陣容と価格の行方
統合後のサービスでは、HBO Max側が『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』、『ホワイト・ロータス』、さらにDCスタジオのジェームズ・ガーンおよびピーター・サフランによる新シリーズ、そして12月25日にシーズン配信が開始される『ハリー・ポッター』シリーズなどの強力なIPを擁する。一方のParamount+側には、テイラー・シェリダンによる作品群やCBSのテレビ番組、マイケル・ファスベンダー主演の『The Agency』、さらに数々のクラシック映画やリアリティ番組が揃っており、それぞれ異なる層のファンを獲得している。
一方で、加入者にとって最大の関心事となる料金体系については、現時点で具体的な価格やプランは発表されていない。参考までに、個別の料金を単純に合算した場合のコストは以下のようになる。
| プラン種別 | 月額料金の目安 |
|---|---|
| HBO Max(広告つき基本プラン) | $10.99 |
| HBO Max(プレミアム広告なし) | $22.99 |
| Paramount+(Essential・広告つき) | $8.99 |
| Paramount+(プレミアム・広告なし) | $13.99 |
個別に契約した場合、基本プランの合算では月額19.98ドル、プレミアムプランでは月額36.
経営陣の刷新と今後の組織体制
大型合併の裏では、経営陣の世代交代や人事の動きも相次いでいる。合併の完了を前に、ParamountのD2C部門チェアマンを務めていたシンディ・ホランド氏が退任を発表した。彼女はスカイダンスがパラマウントを買収する前のコンサルタント時代からデヴィッド・エリソン氏を支え、ネットフリックス時代にはオリジナルプログラミングの立ち上げに深く関わった業界の有力者である。ホランド氏は退任に際してスタッフ宛てのメモで次のように心情を語っている。

「この新しい章へと移行するにあたり、デヴィッドはHBOの安定性を最優先に最適化を進めており、私はそれを全面的に支持します。このチームには、移行期および会社の次のフェーズを乗り切るためのリーダーシップと専門知識があると確信しており、そのための取り組みとして、本日が私の最後の日となります」と元Paramount D2Cチェアマンのシンディ・ホランドは述べた。
デヴィッド・エリソンCEOも彼女のリーダーシップと貢献を称える声明を発表しており、業界での豊かな実績を持つホランド氏の退任は、新しい体制へのスムーズな移行に向けた布石となった。

Hollandの退任により道が開かれたことで、HBOのトップであるCasey Bloysが、Skydanceのダイレクト・トータ・コンシューマー(D2C)部門の共同会長兼チーフ・コンテンツ・オフィサーに就任。<a href="https://www.hollywoodreporter.